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サブカル大蔵経623小神野真弘『歴史の授業で教えない大日本帝国の謎』(彩図社)

コンビニ本で戦争を学ぶ。

「映画秘宝」での大西祥平さんのコンビニ漫画本書評が大好きでした。単なる廉価版ではない独自の編集や方針の作品があるんだとそこで知りました。

本書も、左右のバランスが良く、興味深い内容の多い本でした。手軽なのが、すごいような恐ろしいような。

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2006年日本はモンテネグロに戦争終結の文章を送り、日露戦争は100年以上の年月を経て完全に終結したのだった。モンテネグロの宣戦布告が受諾されていたら、イギリスドイツフランスの参戦が始まり、もしかしたら日露戦争が最初の世界大戦になっていた可能性。p.17 

 さまざまなifのひとつ。にしても、バルカン半島、モンテネグロと日本が交戦状態だったとは!

リットン調査団が派遣され、その結論は、関東軍の行動は侵略であり、満州国建国は非合法と言うもの。国際連盟の決議は賛成42反対1票(日本)と、大差で満州国は世界から否定されたのである。p.19

 今の北朝鮮よりもひどい日本。

東京裁判においてアヘン関係で起訴されたものは1人もいなかった。関東軍はアヘンビジネスによって軍資金や国家の資金を荒稼ぎ現在の約2000億にもなったとされる。連合国だったイギリスも中国にアヘンをばらまいて急遽あげていた過去があったため裁判上でアヘンの問題に注目が集まることを避けるためだったとの説がある。p.23

 アヘンでつながるイギリスと日本。

第一次世界大戦で成金になった日本。その後バブル崩壊で米騒動。p.34

 このバブルが日本を破滅に導いたかも。

ヒトラーは日本を蔑んでいた。日本がイギリス軍のシンガポールを陥落させたと言う知らせを聞いたヒトラーは、喜ぶと同時に悲しむべきことだと言った。白人国家のイギリスが黄色人種の日本に負けることは我慢ならないことだ。肝心なのは勝つことでありそのために悪魔と手を組むこともあると語っている。p.41

 ヒトラーに悪魔呼ばわりされた日本。

明治大正時代の人々の多くは天皇に対する尊敬や心愛の気持ちがあったものの、神として信仰した人はほとんどいなかった。天皇の神格化が急速に強まったのは、日中戦争が始まる2年前の1935年。つまり天皇が神とされたのは大日本帝国末期の10年間だった。p.70

 古そうで最も新しい〈宗教〉

日本が輸出したもの、それは生糸(絹)だ。日本は世界最大の生糸の輸出国になっていた。p.76

 「青天を衝け」のお蚕様。

1900年未成年者喫煙禁止法が施行。20歳未満の喫煙が禁止。その理由は学校での喫煙は秩序を乱すためと言うもの。健康に有害と言う理由ではない。p.116

 飛行機や鉄道車両の灰皿が懐かしい。

ルーズベルトの前任者フーバーは、終戦後マッカーサーと面会し、日本との戦争はドイツ戦に参戦する口実を欲しがっていた狂気の男の願望だったと指摘。経済制裁は、ドイツ戦に参戦するため日本を破滅的な戦争に引きずり込もうとしたものだと語ったと言う。狂気の男とはもちろんルーズベルトだ。p.173

 被害者を装った?アメリカ側の事情。

例えば陸軍と海軍の戦闘機は期間中の光景が違った。弾丸を共有しようと言う意識は皆無だった。p.185

 どんな組織も対立軸はあるけど…。

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