見出し画像

サブカル大蔵経838久田将義『生身の暴力論』(講談社現代新書)

久田さんと吉田豪さんの配信を良く視るのですが、チャーミングな久田さんが、たまにドロリとした表情をするので、いつも本書の〈眠そうな目〉を思い出します。修羅場を経験されて来られたんだろうなと思います。

画像1

警察に通報するぞとか、裁判で争うぞといっても、それがどうしたと平然と返してくる人間がいる。p.12

 法が通用しない世界。『九条の大罪』は暴力の世界の中でこそ法が語られる世界。

普通の人間なら寝込みを襲われると何もできなくなるんです。それほど相手に与えるダメージが大きい。だから自分は喧嘩に負けたら相手の寝込みを襲っていました。p.14

 『水曜日のダウンタウン』の企画を思い出しました。寝室にいるだけの恐怖。

暴力を知る者はいたずらに暴力を振るわない。暴力を知らない者が安易に暴力を振るう。p.16

 暴力の根源。自分に返ってくるからか。

暴排条例で企業が最も恐れるのは警察ではなく銀行である。例えば某出版社ではやくざ専門誌を出版していたが、警察ではなく銀行からプレッシャーがあったため、実質違う雑誌に変わってしまった。p.20

 最大の権力者は銀行?渋沢栄一?

静かに「殺人です」と即答したものの、その時の組長の目も「眠そうな目」に変わった。人を殺すと眠くなる。土方歳三の目。話の途中に目がトロンとしたり眠そうな目になったりする人に、僕は瞬間より怖さを感じる。もしかしてこの人物は過去、人を殺めたことがあるのだろうか。/なぜ殺人者は眠くなるのだろうか。とうとう自分は人としての一線を超えてしまったと自覚した時、何とも言えない虚無感がその人を襲う。その時眠くなるように感じるのであろう。p.26・30

 眠そうな目をする方、身近にいます。

こういうデビューが早く、現在は穏やかな人こそ、普段強面づらしている人より、怒った時は本当に怖いと言うことを、僕は認識している。p.73

 宇梶剛士さん。

軽々しく殺すなどと口走ると、大きなしっぺ返しが来る。言葉をなめてはいけない。言葉を発した時点で自分の手を離れ、言霊に変わる。p.96

 言葉の重さをわかっていない、私。

ネット上のなりすましや送信元ごまかして嫌がらせをする犯人というのはほぼ100%と言って良いが、身近にいる人間である。犯人は身近にいる。p.140

 他人より、身内こそ怖い。事件はほぼ身内で起こる。

何かあった時、1人で動ける人は強い。p.185

 強いということの本質

この記事が参加している募集

読書感想文

本を買って読みます。