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サブカル大蔵経195 萩原晴一郎『18連敗の真実』(竹書房)

 ロッテという球団を追い続けて三十年以上になります。稲尾、カネヤン第二次政権、偽コージ、ボビー、江尻などを経て、ボビー二次、西村、伊東、井口と見てきました。選手は落合、村田、伊良部などの主戦よりも、西村、横田、酒井、平井、園川、磯、榎らが印象深いです。

 漫画界では『アストロ球団』や『ストッパー毒島』で他球団を差し置いて、ロッテは好敵手となり、サブカル的な位置を確保しているような気がします。それはパリーグという存在を知っているか知らないかが分かれ目でもありました。

 そのロッテの近藤政権下での18連敗。この歴史的事実を描いた本書。なぜ連敗という事象が生まれたのか。

 それは、好調から始まりました。

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シーズン当初の小宮山は絶好調で、4月は5試合に登板し、4勝、しかも全て完投勝利。月間MVP。p.31

最初はチームも選手も好調でした。この完投というのが引っかかるが。

11回裏、6番手で登板した竹清剛治が、途中出場の吉岡によもやの2ランホームランを浴び、サヨナラ負け。4敗目。クロ、頼む。明日からちょっとの間でいいから、抑えをやってくれ。p.51

 成本が不在で代わりの竹清…!そして「ちょっとの間」エースを抑えにさせた。このことから…。やはり抑えが大事なんだ…。

黒木連夜炎上。(初芝)「えっ、10点取って勝てないの?」…七敗目。p.66

 投手陣と打者陣の関係。初芝の台詞^_^

近藤の妻、テーブルの下で寝ていた。…十二敗目。p.89

 監督の妻も大変…。今度プロレス界からも『妻たちのプロレス』が出版されます。

勝ちヒデカズ。負け小宮山。p.98

 ダイエーのヒデカズ!…にも負けた…。

9回裏同点に追いついた後、11回表、勝ち越され礒が、井口にダメ押しの3ランを浴びる。…15連敗。p.103

 井口が片棒担いでいた因果。接戦で負け続けることがダメージを蓄積させる。

(福澤)何年間くらいだったかな。ずっと夢に出てきましたもん、プリアムのホームランが。p.119

 あと1人で黒木が打たれたプリアム。この時の捕手は福澤か…。

小宮山は監督がカメラマンを突き飛ばしたことをよく覚えている。p.132

 とにかく近藤は態度が悪かったように思えた。責任転嫁というか。

最大の殊勲者はツル(吉鶴)ですよ。ツルがスタメンで出て、ホームランを打って、チームを勢いづけてくれたのが非常に大きかったんで。p.156

 まさか、吉鶴が女神になるとは…。

答えられずにいる僕にコミさんが、同点なら立ち上がらなきゃ、って。p.176

 この連敗騒動の中の名言のひとつ。打たれてもまだ負けではないなら、打ちひしがれた姿を見せるな。

(小宮山)18連敗を喫した当時のメンバーが指導者として集まったら、強いチームが作れるだろうと勝手に思ってますけどね。p.185

 うーん、小宮山は早稲田大学監督、初芝はセガサミー監督後、解説者&ゲーマー。堀はファーム打撃コーチ。黒木はハムの投手コーチ後解説者。

(堀)ファンの球場と一体のスタイルは、この18連敗からですよね。p.208

 18連敗が今のロッテを作った。しかし、そういう共同的な派手な応援をしないひっそりしたロッテファンたちがいる。勝っても浮かれず、常に心配して、心から喜ぶ。

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