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サブカル大蔵経 日本編

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2021年12月の記事一覧

サブカル大蔵経904スズキナオ『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』(…

おかげで普段、何も考えずに通り過ぎてきた近所の喫茶店や食堂の扉の向こうに自分の知らなかっ…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経903谷山洋三『医療者と宗教者のためのスピリチュアルケア』(中外医学社…

仲間の僧侶が臨床宗教師として活動しています。すごいなぁという思いと、大丈夫なのかなぁとい…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経900藤原辰史『分解の哲学』(青土社)

父の葬儀で終わりの始まりを感じました。積み上げたものが壊れていく、むなしさ。でも、本書の…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経898吉永進一『神智学と仏教』(法蔵館)

インドを旅していた時、チェンナイ市街の神智学教会でパンフをもらいました。神智学って本当に…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経897鎌田東二『呪殺・魔境論』(集英社)

一種の共犯責任みたいなものを強く感じたのです。p.314 オウム真理教と酒鬼薔薇聖斗という未…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経896水道橋博士『藝人春秋』(文春文庫)

正月から毎日読み続けた水道橋博士さんのnote。一年経過に感慨深い思いです。 本書は単行本を…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経895香月乗光『浄土宗日常勤行の話』(浄土宗出版室)

私の父は、「浄土真宗は浄土宗に大政奉還したらいい」と言っていました。狭い日本の浄土教が分かれている場合ではないと。 大学時代の恩師は、私が浄土真宗の寺の息子だと聞くと、「まず法然を読みなさい」と言いました。この視点は宗派系の学校にはなかったのではないかと思っています。 仏教学の先生は「浄土宗と浄土真宗の違いは?」と私に授業中、聞きました。「同じみたいなもんじゃないですか?」と答えたら、「怒られるよ」と言われました。 それ以来30年が経ちました。いまだ浄土宗も浄土真宗も勉

サブカル大蔵経894小田龍哉『ニニフニ』(左右社)

南方熊楠は、仏教を背負っていた。p.242 私もずっとそう思っていました。 南方熊楠は著作の…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経893武部健一『道路の日本史』(中公新書)

私は道路が大好きです。 日常や旅先で脇道を見るとそこへ入りたくなるし、写真も、対象物には…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経892昼間たかし/鈴木ユータ『地域批評シリーズ63 これでいいのか北海道 …

日本でない北海道が、無理矢理日本になったことから始まったゆがみを突きつける。 最初に読ん…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経891昼間たかし/鈴木ユータ『これでいいのか 北海道まちの問題編』(マイ…

愛読しているマイクロマガジン社の地域批評シリーズに、ついに北海道編登場です。しかも、二巻…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経890高橋英夫編『志賀直哉随筆集』(岩波文庫)

「家守」1917(大正6)年7月1日『白樺』 (「蜻蛉」「家守」とも、同誌に発表された「小品五つ」…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経889梯久美子『狂うひと』(新潮文庫)

島尾敏雄『死の棘』を読んだ時の違和感を解消したく、帯に広告されていた本書を購入。大著かつ…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経888幸田露伴『渋沢栄一伝』(岩波文庫)

今年の大河ドラマも最終盤となりました。渋沢栄一の伝記を幸田露伴が頼まれて書いていたということ。 文豪の小説はあまり読んだことがないのですが、漢語の使い方が美しい文章だと思いました。スマホでも、〈修省〉とか〈叙述〉とか、一応変換されて驚きました。まだ使われていない熟語を露伴が誘ってくれました。 栄一の平岡を評せる言に、平岡は弁才俊爽で、利剣一掃、たちまち人を斬って落すが如くに、直下に人を屈すること数々(しばしば)だったから、人の怨を受くることも少なく無かった、とあるが、何も