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映画『福田村事件』から感じたこと

2023年9月2日(土)

9時30分ごろ起床。
溜まっている洗濯物から片付けよう。
部屋の掃除をして、軽くシャワーを浴びる。
テレビを観ているうちに時間が来たので、用意をして出発。

今日も暑い。
汗はかきたくないものだ。
電車もわりと混んでいる。

駅に到着。
目的地のユーロスペースまでは結構歩く。
ちょうどいい運動だけど、やはり汗はかきたくない。
懐かしい街並み、ラブホ街を抜けて到着。

大看板に掲載されている!

本日は『福田村事件』を観賞。

水道橋博士の出演というだけでなく、森達也監督初の劇映画というのもあり注目していた。
ユーロスペースは小さい映画館で、売店も小規模。
すでに待機している客でいっぱい。
なかには発券方法がわからず、ひとりで騒いでいるおじさんもいて、なんか気持ちが軽くダウン。
開場となり、自分の座席に着くも、いつものシネコンの座席よりも小さく座りにくい。
ただ次回作の予告が興味のそそられるものばかり出てくるので、それで気持ちがなごむ。

気づけばほぼ満席。
両隣も前方もかなりビッチリと埋まっている。

村社会というコミュニティで牽制する村人の生き方。
夢破れて村に帰ってきた夫婦の思い。
出自が差別されているからこそ必死な行商団一行。
それぞれの背景を時間をかけて見せていく。
おもには村人たちの人間関係、ウワサなどでああでもないこうでもないというのがほとんど。
そこにふんぞり返った在郷軍人会が、大正デモクラシーを働きかける世襲の村長よりも尊大な態度でねじれた社会を形成している。
育ってきた環境により、妬み嫉みを繰り返す。
そんななかでも村に帰ってきた夫婦の夫は、ひたすらに畑を耕して生きていく。
華やかな暮らしと夫の愛を感じられない妻は、村のなかに馴染もうとせずに奔放な日々を送り、やがては…。

1923年9月1日、午前11時58分。
関東大震災に見舞われ、在日朝鮮人による犯罪が多発しているという事実とは異なるデマが飛び回る。
それは村にも飛び火。
村を守るという意識が知らず知らずのうちに、一緒に生活をしたことがない朝鮮人を一方的に差別するという誤った思想と洗脳に侵されていく。

そこに現れたのが生きるために薬の行商をする一行。
彼らもまた江戸時代からの階級制度により、先祖代々から差別を受ける家系で育ち、行商を選択せざるを得なかった人々。
それでも強くたくましく、そして育ちをわからせないように前を向いて生きている。
生きていくために口上で言葉巧みに各地の人々を操るも、本当に困っている人がいれば助け、色眼鏡で見ることはしない。
(一部は差別意識のある者もいるのだが)

あることをきっかけに事件が起きる。
言葉が自分たちのものとは違うからと勝手に朝鮮人と決めつけ、村を守る大義名分のもと惨劇は起こってしまう。

事実を基にした映画のため、観賞後の気持ちはとにかく気持ちが沈む。
小さい椅子に2時間座っていたことで腰痛を悪化させたことも相まって、とにかく後味の悪さが残ってしまった。

私の両親は戦中に生まれたため、私が子供のころは在日の人々に対しての差別意識がとにかくひどかったし、そのように教育されてきた。
子供ながら同じ人間なのに、なんでこんなことを言うのだろうと不思議でならなかった。
高校に入学すると、在日の同級生ができた。
ふつうに仲良くなり、社会人になっても呑みに行く仲間になった。
時代が変われば考え方も変わる。
両親の時代は教育で洗脳されてきたから、そういう思考だったのだろうなと。
※父は死ぬまで変わらなかったが、母はある時から差別などはしなくなった。

10年ほど前にいた会社でも差別はあった。
中途で入られた在日の方に対し、先輩社員はその人のいないところで汚い言葉を浴びせていた。
今でもこういうことを言う人がいるんだなと残念な気持ちになり、徐々にその人たちと距離を置き、やがては退社を選んだ。
(退社の理由はまた別にもあるのだが…)

時代が変わっても考え方を変えられない人もいる。
映画のなかの村人と一緒だ。
それだけ自分たちの世界を守りたいのだろう。
やらなければ自分たちがやられるから。
だからといって、同じ人類を言葉が違うからという理由で一方的に悪人と決めつけて殺人を勝手に認めるという意識は、昔であろうともあり得ないことだ。
そして村という狭小のコミュニティだからこそ、そこに集わないことで村八分にされるという残酷な現実も待っている。
これもまた悲しい現実だ。

どんなに小さな人間関係でもこういうことはある。
私でさえ、この1年で似たようなことをされてきた。
ただ私はハブるならハブるで結構という考え。
別にその小さなサークルだけで生きているわけではないから。
育った環境は違っても、もっと大きくてクリーンな人たちと分かち合えているから。
自分が人や周囲を壊しておきながら、その都度自分の味方を探して自分を正当化する人間ばかり。
でも、それが人間なんだろうな。
だって一番かわいくて大事なのは自分だから。

気分転換をするには食が一番。
久しぶりにジャンクなもので満たしたい。

パンチョでナポリタン並(400g)にハンバーグ。
これだよ、これ!
すっかり満たされる。

どこに寄ることもなく、まっすぐ帰宅。
洗濯物を取りこみ、早めに風呂に入ってまったり。
Kindleでマンガを読みたくなり、懐かしい『Y氏の隣人』にハマる。

四半世紀前に始まった連載作品ゆえ、現在だと問題になる内容ばかりだが、誰もが抱える人間の卑しさや強欲さが導く末路をユーモアで昇華することで、アナタならばどうすると考える話ばかり。
奇しくも今日観た『福田村事件』や先日観た『バービー』にリンクするものが多々ある。
ふと思ってしまった。

人間って時代と合致しないと結局のところ学習をしないんだ

博士のツイキャスの時間。
やはり映画の感想などが多い。
なかには空気が読めず、「今日どこそこで何をしてきたんですか?」という質問に違和感あり。
なんでここで博士が発表しないといけないんだよ。
芸能人だからプライベートを聞くこともOKみたいなのはやめなさいよ。
たまに今住んでいる地域を名指しする人もいるけど、それもやめてもらいたいと思う。
あなたの当たり前は、周囲にとって当たり前じゃないんだから。
ほかにも、なんでそういうこと言うのかなという発言もあったけど、どうでもいいことなので無視しよう。

いろんなことを考えた一日になった。
なんだかんだで深夜1時半ごろ就寝。

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