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フリーランスのやりがい搾取問題、どう考える?

どうも、パラレルワーカーのみきてぃです。

非正規雇用の会社員として勤めに出る傍ら、音楽家・ライター・写真家など、フリーランスとして個人でも仕事をしとります。

仕事の種類は徐々に増やしてきましたが、かれこれ会社員×フリーランスという働き方をし始めて4年半。

目標としている完全独立にはまだ届かないものの、少しずーつ少しずーつ、理想の働き方に近付いきているところです。

この春から独立、あるいは副業(複業)として新しいことを始める人もいるのかな〜なんて考えていたとき、ふと思ったことがありました。

いわゆる、フリーランスのやりがい搾取問題。

特にフリーランスという働き方が浸透し始めたここ数年、搾取されてしまったフリーランサーの嘆きの声をよく耳にします。

「やりがい搾取」とは?

フリーランサーに対して、
「やりがいになるよ!」
「勉強・実績になるから!」
を理由に、正当な対価を支払わずに仕事を依頼すること。
by 私の見解

「友だちだから安くして〜!」とかも似たような感じですかね。

フリーランスって、決してボランティアではなく自分のスキルで生計を立てている人なので、買い手側の気持ちだけで一方的に金額を付けられては困ってしまいます。

もちろん相談・交渉はOKですが、「〇〇円でよろしく!」「無償でお願い!」と押し付けるのは


お店で2,000円で売られている服を買うのに1,000円しか持っていかない、あるいは金を払わずに店から商品を持ち出すのと同じこと


お店にお買い物に行ったとき、所持金に見合わなければ買わないし、「着てくれれば無料でも作りがい感じるでしょ?」なんて言う人はあんまりいませんよね。

そんな失礼な「やりがい搾取」は、断固お断りでいいじゃない!と言いたいところですが、これって結構難しいな〜〜と思ったりもします。

なぜかというと、

フリーランス自ら、無償仕事をしている場合もあるから。


会社や組織の名前を借りず、個人の名前で仕事をとろうと思うと、どうしても実績・ポートフォリオが必要です。

それは個人ブログだったり、友人・知人へのモニター依頼だったり方法はさまざまですが、多くのフリーランスが0から1を作る過程で、自力で(=0円で)実績を作っています。

私はこれまで数多くのフリーランスセミナーに参加してきましたが、先人たちは皆口揃えて「お金にならないことも大切に」「お金もらえなくても実績を作るべし!」と言います。


これには、めちっっっゃくちゃ納得。

だってなんの実績もなく、ポートフォリオも出せない人にお金を払ってお仕事をお願いするなんて、リスキーすぎますもんね。

実際に私も、お金にはならないけど演奏動画を作ったり、パラレルワーカーのハウツーを投稿したり、自力でポートフォリオを作ってきました。


でも、他人から「勉強になると思って、ノーギャラで!」と頼まれるのは、全っ然納得できなかったんです。


会社員と二足のわらじを履いてフリーランス音楽家をはじめたばかりの頃、私はよく「やりがい搾取問題」にぶち当たっていました。


演奏してほしいけど、ギャラは払えない。
次のコンサートの宣伝をしていいから、無償で吹いてほしい。

どう考えても赤字にしかならないギャラだけど、遠方への演奏に来てほしい。

身内だからタダで……

などなど。

「勉強になる」といえば耳障りがよく感じますが、本心は「お金を払いたくない(もしくは払えない)」なのが見え見えで、すごく嫌だし困りました。

身内だから〜……と割安・無償を要求されると、より断りづらいうえに「誕生日なんだからプレゼントくるよね????」と圧をかけられているような気分にもなり、とっても複雑。

実際、この手の案件を引き受けていい思いをしたことは、あまりないです。

要は、こちらに得があるように見せかけて、まったくもってWin-Winではないんですよね。

たしかに黙って引き受ければ、なにか少しは得るものはあるのかもしれない。
でも、私はその依頼から得る経験・実績がほしいわけではなく、作りたい実績はもっと別にあるのです。

私が心から「タダでもいいからやりたい」「学ばせてほしい」と感じる内容であれば、きっと自ら手を挙げます。

「安くして」なんて言われなくても、いつもお世話になってる友人・知人から依頼され、私が「いつものお礼をしたいな」と感じれば、割引やサービスも自らやります。


勉強になるかならないか、身になるかならないか。
プレゼントをするか、しないか。
それは他人ではなく、自分が決めること。


サービスや商品の価値を判断するのはお客さんだし、線引きはとても難しい。

でも、自分にとって譲れないものや価値基準は、自分の中に持っておくべきだと思うのです。

なんでもかんでも「金よこせ!」とはいいたくないし、かといってなんでもタダではやらない。

ここは安売りできないな、と思うことはしっかりお金をいただいて、逆に勉強になると思えること・これから作り上げたいことは無償でも喜んでやりたい。でも、それを判断するのはあくまで自分。

この春フリーランスや副業デビューする人に届くといいな、と思い、noteに残しておきます。

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