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労働で鬱一歩手前になりながらも常駐先を脱出して自社開発の会社に転職した話

俗に言う退職エントリになります。

2019年9月末で新卒から数えて7年半勤めた会社を退職し、10月から新しい会社に勤めています。noteにアカウント作ってしょっぱなから不穏な方向にフルスロットルなタイトルですが、2019年で個人的に一番大きなイベントだったので書かずにはいられませんでした。

どんな会社にいたのか

福岡市内の中小SIerになります。会社としてはソフトウェア開発・保守を手掛けており、私は新卒時よりSEとしてソフトウェア開発を行う部署に所属していました。ソフトウェア開発の部署では他社やグループ会社から受注した案件の売上がメインであったため、少数のメンバーが自社で受託開発、私を含む残り大多数のメンバーは福岡市内に点在する各常駐先で開発という体制になっていました。

また、ソフトウェア開発の部署ではありましたが、昨今のベンチャー気質な企業に代表されるようなモダンな環境というわけではなく、昭和時代の日本企業を彷彿とさせるような昔ながらの社風でした。

前の会社でやってたこと

新卒~4年目:常駐先(某ITベンダー)にてJava Webアプリの開発。

5~6年目:Javaから離れ、Dynamics365のカスタマイズやサポート。常駐先は変わらず。

7年目~退職直前:某クレカ会社にてSpring bootでのAPI開発、次世代サーバ群(RHEL7)の構築、次世代環境への移行準備。

4年目まではメンバーとして設計・開発に携わり、5年目以降は、サブリーダーとしてメンバーの管理や顧客・他チームとの調整が主な業務でした。

鬱一歩手前になるまで

7年目に入り、某クレカ会社に常駐し始めてから徐々にメンタルが不安定になっていきました。

第一段階(2018夏):プロジェクト特有のルールが合わず、わずか数時間で「早くここから出たい」という気持ちが芽生える。

第二段階(2018秋):メンバーとしてテスト用のAPサーバを構築していたが、作業確認者の度重なる高圧的な発言に耐えかねて帰宅。

第三段階(2018冬):メンバーから上がってくる課題が溜まる一方で消化が追いつかず、リーダーからは毎日のように段取りが悪いと言われ続け徐々に頭が働かなくなり始める。

第四段階(2019春):長期休暇やプロジェクトからの離脱を切望するようになり、もはやそれ以外のことを考えられない状況。

完全にダメな状態でした。。。

スケジュールの遅延が常態化しており自分のペースで仕事をすることが一切できず、厳格なプロジェクトルールにより業務の効率化も難しいため、徐々にストレスが蓄積されていったのだと思います。

別の案件に移ることも検討しましたが、他の案件で新たにメンバーを抱える余裕がなく、さらに転職活動を開始したこともあり退職まで自分を騙しながら乗り切ることにしました。

転職しようと思った理由

SNSやブログ等から得た情報や日々の業務に携わるうちに、徐々に「会社に言われるがまま客先に常駐して働くことは、自分にとってマイナスになっているのではないか。」といった考えに変わっていきました。当初は自分の能力が高くないことや、段取りが悪いことでプロジェクトが遅延しているものだと考えていましたが、本当にスキル不足や段取りの悪さだけが原因なのか疑問を持つようになりました。

その上、仮にプロジェクトが終了して離脱できたとしても、次の常駐先を自分で選ぶことができないため、また同じようなミスマッチが発生してしまうリスクがありました。(フリーランスの場合だと案件を選べるのでまた話が違ってくると思います。)

また、仮にこのまま会社の指示通りにマネジメント方面に進み続けた場合、テクニカルスキルを高めないまま歳を重ねてしまうことに恐れを感じていました。普段の業務だけではテクニカルスキルを高めることが難しい状況であったため、個人でMastodonサーバを運営したり、Pythonでbtc自動売買のbotを作ったり、あえてArch LinuxをメインPCにしてLinuxをガンガン触ったりしていました。普段の業務と関わりのないことをやっていく中で徐々に業務としてもやってみたい気持ちが強くなり、転職へと気持ちが傾いていきました。Mastodonを運営し始めたことがターニングポイントだったかと思います。小さいながらも実際にサービスを運営してみたことで、これまでの業務では得られなかった知見を得ることができ、業務としてサービスの開発や運営に携わりたいと思うようになりました。

ちなみに、フリーランスエンジニアになることも検討しましたが、営業や財務といったありとあらゆることを一人でこなす必要があるため、少なくとも今の自分にとって非常にハードルが高いと感じました。それに、案件の獲得状況によってはミスマッチな客先に常駐せざるを得ないリスクもあるため、今回は素直に転職する道を選びました。

以上の内容から、自前の製品やサービスを展開しており、テクニカルスキルの向上を図ることができる会社に転職したいと考えるようになりました。前職では実現が難しいうえに優秀な手配師として成長することを求められるため、ついに転職を決意しました。2019年5月中旬のことでした。

転職活動(準備編)

在職中の転職活動だったため、エージェントサービスを利用しました。利用したサービスは評判の良かったレバテックキャリアです。また、サブでビズリーチも登録しましたが、こちらは利用してません。

レバテックキャリアに登録後、常駐先でエージェントと電話面談を行い、転職理由やどういう案件に携わってきたか、プロジェクトでの役割、どんな企業を希望しているか、今後の進め方などについて会話しました。

エージェントの指示に従い、選考に向けて用意したのは下記です。休日を利用し、約一ヶ月ほどで準備しました。

・履歴書

・職務経歴書

・GitHubのアカウントと過去に個人で書いたコード

また、面接練習も一度行いましたが、こちらもダメ出しを受けることはなく、これだけアドリブで喋れるなら大丈夫でしょー!などという根拠なきお言葉を頂き、若干の不安を抱えながら選考に臨みました。

転職活動(選考編)

6月下旬に入り、オファーを頂いた企業と提案して頂いた企業の中から、選考に進みたい企業を選んで選考に進みました。企業との調整はエージェント任せでよいのですが、プロジェクトが忙しく面接に行くこと自体が最大の難関でした。

最終的に6社受けて2社から内定を頂いた結果となりました。プロジェクトが多忙で企業研究も満足にできない状況の中、3週間で複数内定を頂くことができたので、まあまあかなと思います。

ただ残念ながら、結局オファーを頂いたところからは内定を頂くことはできませんでした。ミスマッチな要素が大きかったのかと思います。オファーとは…

プロジェクト離脱と有休消化

今振り返ってみると、プロジェクトの離脱と有休消化の調整が最も精神的に消耗した時期でした。

まずは、マネージャーと面談し退職の意を伝え、次に部長と面談し退職の意を伝え、発注元とプロジェクトの離脱日を調整するといった流れです。引き止めはあるにせよ、部長までは比較的すんなり話が進むのですが、残念ながら発注元とプロジェクト離脱日の調整となると話が変わってきます。契約や売上の話が関連してくるためです。私は一日でも早く離脱したかったため、もどかしくて仕方ありませんでした。

自社の先輩からは「9月末まで働いて10月を有休消化に充てることもできるのでは?」などという、他人の人権を一切考慮しない素晴らしいご提案を頂きましたが、当然拒否させて頂きました。

結論としては、私の希望通りに8月はプロジェクトの状況と相談しながら有休を消化しながら引き継ぎ等を行い、8月末でプロジェクトを離脱。9月は完全に有休消化に充て、9月30日に保険証や社員証を返却。10月1日からは新しい会社で勤務といった流れに無事調整できました。

…とまあ、5月中旬から活動を開始して全て上手く事が運んだかのように思えますが、肝心の業務は相変わらずの状況でした。

なんとか仕事をこなしながら離脱日を待ち望んでいたのですが、8月下旬にサーバ移行のリハーサルに対する振り返り資料のレビューを行った際、私がリーダーよりリハーサルが失敗したことを糾弾され、少し口論になってしまいました。この一件で自分の中に微かに残っていたモチベーションを完全に破壊されてしまったため、余ってしまう予定だった有休をこのタイミングで全て使うことにしました。

退職時の有休消化は時季変更権を実質無効化でき、労働者が自由に取得できるはずなのですが、残念ながら世間では必ずしもそう思われてはいないようです。発注元が手を回したのか、自社のマネージャーから8月に残りの有休を全部使うのをやめるよう要請が来てしまいました。当然お断りさせて頂きましたが。

そんなわけで円満退職とは程遠い状況になってしまいましたが、予定通り8月末でプロジェクトを離脱することができ、9月は有休完全消化による学生時代以来のバカンスを満喫できたのでした。

余談ですが、9月下旬に行われた送別会にて、同じプロジェクトにいた協力会社メンバーの一人も私と同時期に退職することを初めて耳にしました。ただ、彼はなんと所属会社の圧力に負けてしまい有休を消化せずに退職し、10月から新しい会社で勤務するとのことでした。あまりにも悲しすぎる話でした。

今の会社について

とある自社サービスを展開している福岡市内の会社になります。ハイスペックのデスクトップPCが支給され、コーヒーが無料でオフィス環境も非常に充実しており働きやすい環境です。

ゲシュタポの尋問を彷彿とさせるようなMTGやSESあるあるな調整事がなくなり、他のメンバーとフラットなコミュニケーションが可能な環境になったため、仕事が進めやすくなりました。

今の会社でやってること

自社サービスの改修&インフラのお手伝いといった感じです。Spring Bootベースのフレームワークだと聞いてはいましたが、非常に独特で慣れない部分が多いなと感じています。久しぶりの開発ではありますが楽しく仕事できています。もう少し手を早く動かせるようになりたいです。

これからどうするか

インフラ関連のスキルを伸ばしていきたいなと考えています。社内を見渡してもインフラはメンバーが少なく、私の目から見ても改善できそうな余地が多々ありそうなので、積極的に改善提案をしてチームに貢献できればと思っています。

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