腹腔鏡手術による子宮全摘出 入院4日目

入院4日目は前日と比較すると体力が回復し、行動制限も殆どなかった。
その日の体の状態や当日の流れをまとめる。


体力回復は割と順調

相変わらずお腹の傷は非常に痛い。
寝た状態から起き上がること、座った状態でベッドの中心から縁に移動すること、ベッドの上であぐらをかいた体勢を維持することが苦痛だった。
そのため食事はベッドの縁に浅く腰をかけて、テーブルをその位置までずらして摂るしかなかった。
大部屋だとあまり柔軟にスペースは使えなかったかもしれないので、個室を選んだことがここでも活きた。
食欲はだいぶ戻ってきていて、食事が美味しかったこともあり朝食から完食した。
歩行に関しては問題なく、食後昨日なら病棟の廊下を大回りで2周しているところこの日は4,5周も楽に歩くことができた。
夕食前には抗生剤の点滴が外れたので、入院後初めて一般階にあるコンビニに行った。
おやつ時はコンビニで買ったプロテインドリンク片手にテレワークしたり、PCで動画を観たりと少し日常を取り戻した心地だ。
一時は予定通りの退院は難しいのではと思われたが、この調子なら案外いけそうだと前向きになれた。
昨日から続いていた熱も夜になる頃には平熱まで落ち着いた。

退院前診察で新たに発覚したこと

昼食後、主治医による退院前診察があった。
点滴を引きずりながら診察室まで行き、手術の結果報告と内診を受ける。
体の内部・外側両方の傷口の状態を診たところ問題はなく、普段の体調も安定してきたため明日予定通り退院することになった。

内診の後は手術の結果を教えてもらった。
特に難しいことはなく、施術はスムーズに行えたようだ。
それから内部の動画を撮ったとのことだったので、興味があったため見せてもらった。
欲を言えば摘出物も全て見てみたかったが、自分から聞くのは思い留まった。
筋腫は大人の小さい拳程の大きさで、それが子宮の真ん中の空間をきれいに占拠している感じだった。
そして、子宮筋腫の背中側にそれなりの範囲の子宮内膜症を認めたと言われた。
婦人科の内診はこれまで毎年数回必ず受けていたが、子宮内膜症にもなっていることは初耳だった。
入院前の内診でもその指摘はなく、医師曰くお腹の中を直接見ない限り発見が難しい部位だったとのこと。
振り返れば歩けなくなる程度の腰痛や骨盤痛、肛門痛など、症状には思い当たる節がありすぎる。
医師も最初私が子宮全摘出を希望したところ「なぜこの程度の症状で全摘を?」と思ったそうだが、子宮を隅々目視したことでその理由に合点がいったらしい。
ともあれ手術により、これからの人生子宮筋腫にも子宮内膜症にも悩まされなくなったのは嬉しい限りだ。
退院から3週間後のタイミングで術後診察を受ける予約をして、診察は終わった。

穏やかな最後の夜

夕飯を終えた30分後には最後の点滴が終わり、やっと刺しっぱなしになっていた針が取れた。
手術後初めてシャワーを浴びられて生き返った心地になる。
ただ傷にお湯が当たると痛いので、浴びる際は体をシャワーに対して横向きにしてなるべく背中側にお湯が流れやすくなるよう工夫した。
久々のシャワーでは1回のシャンプーでは皮脂のベタつきが落ちなかったり、傷に気を使う必要があるので上がった時には消灯時刻を少し過ぎていた。
矢のように時間が過ぎる4日間、私はとうとう入院生活のリズムに慣れることがないまま最後の夜を迎えた。
個室料金は決して安くはなかったけれど、大部屋のように時間や過ごし方に神経質にならなくていいので私にとっては十分に課金した価値があった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?