腹腔鏡手術による子宮全摘出 入院5日目(退院日)

退院前検診でも問題がなかった私は予定通り入院して5日目に退院できた。
その時の体の状態や入院を通しての所感をまとめる。


なんとか退院達成

朝は6時頃に目が冷めて朝食までに時間があったので、すぐに出発できるよう荷物をあらかたまとめておいた。
ただ抗生物質が合わなかったせいか珍しく腹を壊し、落ち着いて朝食を食べることもままならなかった。
ある意味手術後の腸閉塞の心配はなくなったと言えるかもしれない。
しばらくしたら落ち着いたので、着替えと忘れ物の確認などをする。
それが終わると看護師を呼んで退院の準備ができたことを知らせた。

実際に退院したのは10時近くになってからだ。
既に病院のロビーには既に夫が来ていてスムーズに合流できた。
それから窓口で入院費用を支払い、夫に頼んで持ってきてもらった楽な服にトイレで着替えた。
腹腔鏡手術をするとお腹周りが一時的に大きく膨張することを私は知らなかった。
入院時の服装はポケットが多いという理由でタイトなショートパンツを選んでいたのだが、これが失敗だった。
急遽前日に連絡してお迎えの時にウエストゴムのスカートを持ってきてもらったので助かった。

風が吹くだけで痛い傷

手術後3日目になれば痛みも治まるだろうと思っていたが、病院の外では思わぬところに痛みのキッカケがある。
バスや電車が揺れた時や、風が吹いた時などちょっとしたことで傷がジンジン痛んだ。
ただ、歩く時は痛みがないのが救いだったし痛み止めの薬も処方されている。
直帰はつまらないので大きな駅のファッションビルで買い物をしたのだが、何店舗か見て回っても体調に変化はなかった。
手術してから1日3回、しっかり歩いてリハビリした成果だろう。
ただ、長距離歩行時には支えになってもらうとありがたかったし、健康体と同じ歩行速度というわけにはいかない。
夫の来週の休みまでにはもっと回復して買い物を楽しみたいと思いつつ、数日間は安静を心がけることにした。

入院所感

入院は子宮筋腫が成長していた数年前から覚悟していたため、実際に入院が決まった時ショックはなかった。
多少の緊張はありながらも、やっと苦しみから解放されるという安堵の気持ちの方が大きい。
そして退屈なイメージがあった入院は、実際は全然暇ではなかった。
この日のためにノートPCのアップデートをしてGoogleドライブに好きな楽曲をコピーしたりsteamのゲームアプリを入れたりしたが、それら娯楽的なコンテンツは触らずじまいだった。
高頻度で回診があるし、夜の睡眠負債を昼寝でチャラにしようとしたり体をこまめに動かしたりと、やることは結構ある。
それに消灯時間が早めに定められているので、普段夜型の私にとって1日が短く感じられた。
正直、4泊5日入院なら暇潰しの道具はスマホ1台で事足りると思う。

入院では「部屋ガチャ」なる言葉があるくらい、どの部屋に割り当てられるかは不安になるポイントだ。
子宮筋腫の摘出手術など短期間の入院であれば、個人的には個室希望はメリットが大きいと感じた。
やはり人の存在を気にしなくていい点がとてつもなく強い。
痛みで呻く時も他人の心配をしなくていいし、いびきや生活音で夜起こされることもない。
個室の設備はランクによって様々だが、トイレとシャワーはある方が確実にQOLは上がる。
頻尿症状がある人にとってベッドから5秒でトイレに行けるのはありがたさの極みだし、個室内にシャワーがあれば予約なしで好きな時間に好きなだけシャワーが使える。
私の場合は入院4日目の夜、点滴針が完全に外れたのは共用のシャワーが使えない時間帯だった。
退院前にシャワーを使うならば退院当日に強引に浴びるしかなかったこともあって、尚のこと部屋にシャワーがあってよかったと思った。

入院生活に慣れている人からすれば、歩いて廊下のトイレに行ったり時間内に手早くシャワーを済ませることは当たり前なのだろう。
だが慣れていない人は、そうしたひとつひとつの制約が積もり積もって大きなストレスになることが予想される。
たかが4,5日といえど病身にとっては大きな負担になることも考えられるので、メンタルが繊細な人は個室も十分検討する価値がある。

そういえば、世間には「子宮がないと女ではない」という意見を持っている人がいることを最近知った。
この考えは理解に苦しむ。
やたらと神聖視されがちな子宮も、結局はただの臓器のひとつだ。
私は病気で子宮を取り除いたが、自分の性別が女以外の何かになったとは感じないし、別になろうとも思わない。
染色体も女性のそれだし、戸籍だって生まれてから今に至るまでの33年間ずっと女性でい続けている。
こうした揺るぎない証明があるのだから「女性ではない」と言う方が無理があるというものだ。

子宮筋腫でどんな手術を選ぶかはその人の自由だ。
悩んでいる人が少しでも自分にとって良い選択ができるように、私の経験や考え方が参考になれば幸いである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?