会計

てこの原理で資産を増やす

以前、PLとBSの関係について書いた。

この記事で考えた例を、簡単におさらいする。

・始めは1円も持っていない。

・銀行から100円借りる。

・80円のりんごを仕入れて、100円で売る。

・利子10円を足して、銀行に110円を返す。

このときのBSの推移だけを並べてみる。

PLしか見ていなくて、利益を出すことが何よりも大事だと思っている人も多いだろう。

そして、借金は少なければ少ないほど良いと思う人が多いだろう。


しかし、図の②の状態では、借金のおかげでりんごを仕入れて、商売を始められる状態になっている。

③の状態では、本当は自分のお金(純資産)は20円なのに、借金をてこ(レバレッジ)のようにして、使えるお金(資産)を6倍の120円にしている。

結果、1円も持っていなかった状態から、借金のおかげで、10円の純資産を手に入れたのが④の状態だ。


100円を銀行から借りて、110円を返したから、実質、銀行に支払ったのは10円だけだ。

つまり、この一連の流れを一言で説明すれば、「10円で20円を買って、10円儲かった」ということになる。

このように、お金でお金を買って、資産を増やし、事業(ないしは個人)の成長を加速させることを、財務レバレッジをかけるという。


借金が怖いのは、資産の合計額よりも負債の合計額が多い、つまり債務超過になったときだ。

そうではなく、BSが常にコントロールできていて、いつでも借金を返せる状態であれば、急いで返す必要はどこにも無い。

無借金経営」にこだわるよりも、レバレッジをかけて成長速度を上げたほうがいい場合はたくさんある。


次回は、もう少し身近な個人のBSを例に考えてみることにする。

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