見出し画像

シク教 No.1:シク教ってどんな宗教?

※この記事は、EdXで提供されている、ハーバード大学のHarpreet Singh教授の"Sikhism Through Its Scriptures"というコースの動画の情報を参考にして書いています。
※加えて、BBCの以下記事も参考にしています。
BBC - Religions - Sikhism: Guru Nanak

シク教ときいて、皆さんはどんなイメージが浮かび上がりますか?
もしかすると、これに関して、「インド」「ターバン」などのキーワードが出てくるかもしれません。

シク教徒の人々
子どものシク教徒

上の二つの画像のように、シク教徒の、特に男の人の特徴的な見た目は、頭に大きめのターバン、またはおでこの上にお団子のような形が施されたターバンを巻いていることです。
なぜ、彼らがターバンで頭を覆っているかは、シク教である重要な考え方があるからです。

これから、いくつかシク教に関する記事を少しずつ書いていこうと思うので、ターバンで頭を覆ている理由や、シク教の世界観、価値観、教義、歴史なども紹介していこうと思います。

さて、今回の初めてのシク教に関する記事は、導入編として、シク教の短いバイオグラフィーと、教祖の幼少期について紹介します。


シク教ってどんな宗教?

シク教は世界で5番目に大きな宗教で、世界にはこの宗教を信仰する人々が、2500万人から3000万人いると言われて、おもにインドにその人口は集中しています。

シク教は、Guru Nanakという方によって、15世紀に創始されました。(ちなみにイスラム教は14世紀に創始されたので、シク教は、イスラム教の誕生の一世紀後に誕生しました。)
Guru Nanakの宗教的思想は、ヒンドゥー教とイスラム教がもととなっていますが、シク教の思想体系は、それら二つの宗教の混合に、Guru Nanak自身の信仰も合わさって、とてもユニークです。初期には、彼の独創性と精神性は、後にシク教の聖典の基となった、詩という形態で表現されました。またシク教は、一神を信仰する宗教です。

Guru Nanak (シク教の創始者)

Guruというのは、「導師」や「尊師」という意味で、宗教や政治におけるカリスマ的指導者のことを、シク教では指します。

Guru Nanakの幼少期

Guru Nanakは、1469年にタルワンディ(Talwandi)、南アジアのパンジャブという地域で生まれたと言われています。
幼少期から青年期にかけて、Guru Nanakは、サンスクリット語、アラビア語、ペルシャ語で古典的な教育を受けました。彼は、小さいころから、卓越した人物で、彼の社会での影響力と富のある層の人々から、大きな期待が、彼に向けられていたそうです。

彼の家族は、ヒンドゥー教徒でした。彼は小さいころから宗教に高い関心を持っていて、ヒンドゥー教とイスラム教を学びました。そしてそのころ詩人や哲学者としての頭角を現し始めました。

シク教徒の間では、Guru Nanakの幼少期の有名なエピソードがあります。彼の属するヒンドゥーのカーストの伝統では、ほか身分の人と自分たちを区別するために神聖な糸を身につけなけらばなりませんが、11歳のGuru Nanak青年はこれを拒否しました。そして、彼は、人は糸で区別されるよりも、その人がしたことや個人の資質で区別されるべきだ、と言った。という言い伝えがあります。

それ以降、Guru Nanakの思想は、彼が生きていたヒンドゥーの伝統よりも、先進的で革命的な精神的傾向を示し続けました。そのころの彼は、ヒンドゥー教とイスラム教の両方で、巡礼、苦行、清貧のような外的なことは、個人の魂の内的な変化よりもはるかに精神的な重要性が低いということを主張し、そのようなことを含め、彼の地元の聖人や賢者たちと様々なことを議論していたそうです。

青年期のGuru Nanakは、初めのころ、会計士として働いていましたが、それをやめ、彼の精神性の探求や課題に向き合う道へ進むことを決心しました。それから、彼は、精神世界に入り込み、スピリチュアルな経験を経たり、神の真の姿を目の当たりにしたそうです。そして、彼は、精神的な成長はというのは、人間ひとりひとりの内なる神の存在を反映する生き方であるという考えを確信したそうです。


、、、と長くなってしまいそうなので、今回はいったんここまでにしたいと思います。シーク教に関する初めての記事は、シーク教のとはどんな宗教か?というすごく短い説明と、創始者のGuru Nanakの幼少期の物語を紹介しました。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
次回は、Guru Nanakが啓示を受け取ったことについて、シク教の聖典、Guru Nanakに次ぐのちの9人の後継者(Guruたち)について書きたいと思います。
お楽しみに~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?