産後うつは甘えという炎上の大人気フレーズからマーケティングを紐解く

炎上、すっかり一般的になったこの言葉。

人気サイトを作るというテーマに、マーケティング観点で近かったので掲載しておこうと思います。

炎上を恐れる人も、炎上を楽しむ人も、炎上を気にしない人もいらっしゃいますが、ここでは炎上を題材にマーケティングに関して書いていこうと思います。

インターネット上において、不祥事の発覚や失言・詭弁などと判断されたことをきっかけに、非難・批判が殺到して、収拾が付かなくなっている事態や状況を指す。
上記より引用

炎上は便利だ

炎上というのは便利で、非常に手軽に稼げるものとなっています。
炎上には人気のフレーズというのもあって、度々意図を持った炎上に使われます。

炎上は稼げるという考え方には私も賛成しますが、よい稼ぎ方だとは思えません。

投稿がたくさんの人に見られて、たくさんの批判がきても、注目されること自体に満足する人すらいますし、迷惑YouTuberというものには、ファンもいます。
これは当たり前の現象で、悪いことを良しとする人もたくさんいるということです。
人間に備わった、根本的な破壊衝動がそうさせるのかもしれません。

いろいろな物事の捉え方があるので、性善説だけでは、物事を語れないということにもなります。

炎上とマーケティング

炎上するということは、マーケティングとしては、非常に重要な観点です。
炎上の起点は、多くの人に響いた言葉や行動が起因しているからです。

そして、不思議なことに、この炎上というのは、何度も同じテイストで炎上します。

Twitterでどこかで見たようなフレーズが、たくさんのいいねをもらっていたりしませんか?
そうです、過去の人気ツイートの真似です。

Twitterで同じ話をするのでも、時間帯や投稿タイミングを変えることで、見るユーザー層が変わり、同内容の投稿が新しいいいねを生み出します。

炎上も同じ流れで炎上します。
炎上させる人と、それに群がる人の構図が完全に出来上がっていて、炎上マーケティングで稼いでいる人もいるわけです。

実際、炎上している話題のキーワードを含んだ、まったく関係ない投稿がアクセスを集めているのを見たことがあると思います。
自分のサイトに誘導すると、最低1000PVは誰でも簡単に取れるはずです。

マーケティングとしての側面がある炎上が多く、自然発生的に本当に炎上した事柄というのは、実際は少ないのです。
大炎上と炎上の差とでもいいましょうか。
最低限、炎上は作れるということです。

嫌われると嫌われる

大企業に多いんですが、ネット上の口コミには悪評が多いんです。
実際に働くとそんなこと全然ありません。
悪評が目にとまると、誰しも悪意を持ちやすいです。
SNSを見ていると、流されやすい人が増えた(見える化された)と思います。

あなたは、そんなことない?流されないですか?
なんと立派なできた人だ。

たくさんの人から嫌われている人なら、安心して批判的な意見をぶつけられます。
みんなもそう思っているらしいから安心ですね。

家の近くの病院の口コミを見てみましょう。
まだその病院に言ってないのに、悪評が目に入ったらどうです?
悪意を持ちましたか?
本当はわからないでしょ、その病院に行ってないんだから。
あなたも、割と炎上コントロールされてしまう側なのかもしれませんよ。

学校で嫌われている人がいました。
私もなんだか嫌いです。
それは、誰かに嫌われている人だから嫌いなんです?
それは考えることを放棄していますね。
私はそれが正しいとは思いませんし、損していると思います。

人に考えなく流される人は、人生を損すると思うんです。
考えないと。

炎上させないには、炎上を理解すること

ここではマーケティング面からの炎上を考えています。

マーケティング面で企業のお手伝いをすると、この炎上させないことを主眼とした行動を目にします。
SNS運用なんかがまさにそれで、失言をしないことが大前提にあります。
ところが、バズりたいんですよ。

バズと炎上は差がないですからね。同じことです。
好意的に捉えられて拡散された情報も批判する人はいますし、悪意を持って拡散された情報も、好意的に捉える人もいます。
バズるということと、炎上というのは、紙一重です。
ということは、炎上という現象を理解することで、バズるという情報拡散も理解できそうです。
炎上とは、一体なんのことなのでしょうか。

炎上したくはないが

企業のSNS運用においては、意図に合わない情報拡散をさせないことというオーダーがあります。
炎上以前に、想定通りの情報拡散が行われることが望ましい。
悪目立ちするような情報拡散が行われないように、表現方法に気を使います。

上記は、炎上の話題が集まったページです。
なるほど納得の炎上も多くありますが、なんでこれで炎上?というものもあります。

全ての人の耳や目によい言葉はない

ちょっとムカつくからという感情が、多くの人に伝搬すれば、それで充分に炎上です。

特にSNSでは、自分のプライベートな空間、パーソナルスペースが確保された状態であり、理想の自分を演じている状態に往々にしてなっています。
SNSはドレス効果を生み出します。
全般的に皆、気が強くなる傾向があって当たり前です。
面と向かわないSNSなんですから、反対意見は出やすい。
人間の性質上、これは仕方ない。

私は面と向かって意見を言うほうなので、万年貧乏暇なし。
意見を言わないほうが、仕事は安定するという考え方もあり、よく仕事の同行者からも指摘もされます。
クライアントに言われるがままに作業する方が、波風が立たずによろしい」というアドバイス。
それでも言うだけ言うスタンスが私にはあるわけです。

私は、SNSのドレス効果は関係なく、言うタイプというわけです。

実際にMTGがあっても、10人の人が目の前にいて、面と向かって意見を言える人というのは少ないです。
面と向かわないSNSなんですから、反対意見は出やすいです。人間の性質上、これは仕方ない。
そもそも面と向かおうが向かわなかろうが、何を発言しても、10人が10人心の底から大賛成だ!ということはありえません。

ですから、何かを発言するということは、少なからず反感を買っています。
全ての人の耳や目によい言葉はないのです。

いらない一言

なんかモヤモヤする発言だなというのは、どんな気を使った発言にもあるのです。
人の捉え方次第です。
そんな心の中で火がくすぶった状態に、いらない一言が燃料となって、炎上を生むケースもあります。

言語化できていなかったモヤモヤに、適切な方向性を与えるきっかけになる発言や行動を見た時、炎上へ参加してしまう人が出てきます。

炎上には先導者がいます。
いらない一言に、炎上へと誘導する具体的な指摘があります。
それを見て、そーだそーだよくいった!というのが拡散です。

拡散が、炎上となるかバズとなるかは、先導者によるところが大きいでしょう。
いらない一言が、いる一言だったら、バズっているんでしょうね。

個人が何を思っても、言ってもいいが、それをここで言うか?という観点で私は炎上を見ています。
炎上には、発言の揚げ足を取られるような、いらない一言が必ずあります。

例:産後うつは甘え

ある会社で、妊婦さんを応援するSNS企画がGOになったとしましょう。

妊娠に関するTwitter投稿を広報担当者がしはじめましたが、
「産後うつは甘え」という内容の発言で、炎上してしまいました。
※インプレッションが安定して稼げる投稿として炎上界隈で大人気

本来、何をどう考えようがその人の自由であり、表現の自由があります。
SNSは発言の切り取りの連続です。
文の前後のニュアンスは伝わらないと思ったほうがいい。

更に言えば、フレーズが一言でも、相手によってどうとでも取れる言葉になっていることも、炎上の余地があります。

そもそも産後うつは甘えという言葉だけ見ると、病に対する理解がないし、苦しんでいる人に対しての配慮がないと思う方が多いのではないでしょうか?
私の場合は、もうちょっと俯瞰で見ます。

産後うつを経験したことのない人が、周囲で育児放棄している人の話を聞くと、全て「産後うつだから」だった。
産後うつという言葉に出会った時、それを体のいい言い訳として捉えてしまった。…のかもなぁ、くらいの感覚です。

何いってんだ!と批判意見を持って炎上に参加するほどの熱意は出ません。
そもそも産後うつに疎いですからね。部外者、門外漢です。

私は、ほとんどの炎上という現象に参加しません。
実はそういう人の方が多いはずです。
全国的に炎上した発言というのは、実際は少ない。
でも炎上はよくあります。
何故?
いらない一言は稼ぐことができ、一部の強い意見を言う人を引きつけ躍動させる場でもあるからです。

仕事の失敗

さて、しっかり炎上したとして。
ところで、あなたは仕事で失敗したことはありますか?

企画会議であなたが出した企画が通ったとして、実際に練りに練った企画だったのに大ゴケしてしまった。残念無念。

その時に、企画会議の時に、あなたに反対意見をチョロっと言った同僚や上司から、「私はあの時に言ったんだからな」という、アホほど役に立たないセリフをかけられた人はありますか?

そもそもGOした時点で、あなたの反対意見は通らなかったんだから、問題外だ。

これが本当のいらない一言ですよね。
失敗は誰でもあるんです。

炎上もしたくてしたんじゃないんです。

ある意見を言えば、絶対に反対意見が生まれます。
全員に聞こえのよい言葉というのは、なかなかありません。
多くの人に聞こえのよい言葉というのは、意見としては弱さを含みますし、かといって、名キャッチコピーは、多くの人に浸透しています。

毎回、MTGで名言を生み出すのは不可能に近いですから、失敗した時の対応プランは策定しておきましょう。
プラン通りには物事は進まないものですが、あるとないとでは大違いですからね。
失敗したままでは悔しいので、蜂の話でもしましょう。

炎上は、炎上前の状態をイメージして考えるべきです。
SNSは、皆が花の蜜を集める蜂みたいなものだなと思います。
特定の話題がおいしい花の蜜なんです。
特定の花の蜜が好きな蜂が集まり、巣を作り、仲良く蜜を集めているんです。
その巣の中心にはインフルエンサーと呼ばれる女王蜂がいます。

この蜂達が仲良くしているところに、別の種類の蜂がやってきて、巣をつついていくんですよ。

あの強靭なスズメバチというやつらも、警戒範囲っていうのがあって、自分のパーソナルスペースを持ってましてね。
過去に敵に侵略された経験があるスズメバチは、その警戒範囲を広げる傾向があるんです。
そうなると、バンバン攻撃を仕掛けてくるようになります。

おや?
SNSでどんな発言にも噛み付いてくる人がいますね。
常態的に攻撃姿勢にあるようです。
まるで蜂です。
針を突き刺されるか、蜜を分けてもらえるか、炎上かバズか。
蜂と仲良くする必要があるようです。

触れてはいけない話題

もう何をいってもダメという話題がいくつか生まれています。
そういう蜂の巣には近づいてはいけません。
それが過去の炎上をデータベース化する必要があることにつながります。

過去に炎上したことは、同じテイストで炎上します。
触れてはいけない話題があるということです。
そして、曖昧な言い回しは誤解を生みます。

しっかりとした信念を持った発言で、バカスカ叩かれて炎上するなら、何も信念は揺るがないですよね。
炎上しても問題ないわけです。

政治家先生は発言を撤回しないといっておいて、すぐに撤回する、奇妙な性質の生き物なので、信念がないらしいので例外としましょう。何蜂なんだ??

触れてはいけない話題がわかると、あえて触れれば、蜂が飛んできます。
その隙に蜜だけ奪うのが、炎上マーケティングです。

女王蜂と宗教の教祖

みな、信じる宗教を持ちはじめました。
日本人は無宗教というイメージがあるのは勘違い。
特定の教祖がいるかいないか、教祖を教祖と認識しているかの違いだけです。

炎上教を作るのも関わらないのも宗教の自由です。
マーケティング観点から見ると使えるツールである炎上。
しかし、炎上を煽って引き起こすことが、本当に自分にとってよろしいことなのかは、よく考えてみて欲しいのです。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。 書くだけでなく読みたいので、コメント欄で記事名入れてもらうと見に行きます。