Non travelersが集うホステル。「なぜ私たちはそこへ行きたくなるのか」をdigる。(上)
こんにちは!
4月より新入社員としてマーケティングを学ぶタカシナマキコと申します。
世界のカルチャーシーンにおいて情報収集、新規発見探求すること(=digる)が大好きな人間が新米マーケターになりnoteを始めました。
これから不定期で
【This is sick】イケてるブランドや企業をマーケティング視点でdigる
というテーマで記事を書いていこうと思ってます。
ちょっとまて、「digる」ってなんだよ。
こいつ日本語もまともに話せないのか...?と曇る顔が見えなくもない。
「dig(ディグ)る」とは:
もともとはラッパー・DJ・ヘッズなどが、レコードを堀り探すことを意味する意味する言葉。そこから派生し、現在は
対象をより深く調べる、良いものを発掘するという意味で使うことがある。
(本来のdigるのイメージ写真:https://unsplash.com/より。photo by Clem Onojeghuo)
「そこから派生し~」以降は
私が勝手に自分の中で定義づけしています(笑)
私はいろいろなカルチャーを発見、探求、追い続けることが大好きなのですがこの「digる」が動詞として一番しっくりくるので。
と、話が逸れましたが
【This is sick】イケてるブランドや企業をマーケティング視点でdigる
シリーズの記念すべき第一弾でdigらせていただくのは
株式会社Backpackers’ Japanさんが運営するホステルのひとつで
蔵前駅から徒歩5分、Nui. HOSTEL & BAR LOUNGEです!
ちなみに今回は2つの記事に分かれています!
Non travelersが集うホステル。「なぜ私たちはそこへ行きたくなるのか」をdigる。(上)で、「なぜ泊まらないのに行きたくなるんだろう?」という謎を解いていきます。
Non travelersが集うホステル。「なぜ私たちはそこへ行きたくなるのか」をdigる。(下)で、出てきたポイントを「マーケティング視点を入れながら」よりdigっていきます。
▶本題にに入る前に▶
現在、コロナで様々な方面で経済的損傷が起きていますが
宿泊業界も確実に被害が大きい業界のひとつだと思います。
マーケターとかマーケティング会社の中の人とかとりあえず関係なく
この場所が好きな一個人としてこのタイミングで記事を書かせていただくことにしました。
コロナが終わったら行きたい場所のひとつです。
そしてこの記事で誰かにとってもそんな場所になったら嬉しいです。
では、本題にはいりましょう。
▶宿泊しないのに行きたいホステル▶
Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE(以下、Nui.)
このホステルが好きだといいましたが
私は都内で暮らしているため宿泊をしに行ったことは一度もありません。
行くと、宿泊客らしき外国人の方々に交じり
私のような「宿泊客ではない」方々も多くお見かけします。
ホステルって旅行者が泊まる場所でしょ?
なぜ泊まらないのにホステルに行くの?
そう思った方がいるかもしれません。
では、この記事で「泊まらないのに行きたくなるホステル」という
異彩を放つNui.の謎を解明していきましょう。
先に明言しておきますが
「宿泊はしないけどこのホステルに行きたくなる謎」をdigることを目的にしているので、本来ホステルの情報記事やサイトに欠かせない「宿泊部分」
つまりベッドルームやシャワーなどについてはほとんど触れません。
これらの情報はHPはもちろん、宿泊予約サイトなどに詳しく載っているので
気になる方はそちらをご覧ください。
蔵前駅から徒歩5分という便利な立地ながら
静かで落ち着いた路地にNui. は在ります。
(写真:Nui. HOSTEL & BAR LOUNGEのHPより)
コンクリートメインの外装にシックな色合いの木製の扉。一面はガラスがはめられ、開放的ながらもコンクリートと木の組み合わせがなんともシックでかっこいい雰囲気を放っている。
扉を開けるとまず目に入るのは中央に鎮座した「木」。
「ホテルのロビーに木が生えてる、、、!?」初めて来た人は驚くかも知れない。
(写真:Nui. HOSTEL & BAR LOUNGEのHPより)
そして、周りを見渡すと
切り株のようなチェアー
切り出した木を大胆にそのまま加工したテーブル などが
適度な観葉植物と共に非常に「絶妙なスペース間隔」で配置されている。
床や壁はコンクリートのグレーが都会的な色を落とし
これらの木や植物がまるで森の中にいるような自然的な色を落とし
シティ感と自然感のコントラストが独特の心地よさを持つ空間を生み出している。
実はこの独特な内装デザインは
「場所の歴史と来る人の時間を紡ぐ」という
彼らのこだわりと想いの賜物なのです。
もともとこの場所は
「増田屋コーポレーション」という玩具メーカーの倉庫ビルだったそう。増田屋コーポレーションは享保9年(1724年)に創業してから300年続く、老舗の玩具会社です。(Nui. のHPより)
この場所を訪れたBackpackers’ Japanのメンバーがその解放感にほれ込み
ホステルとして生まれ変わらせることを決意。
その後「まるで自然の中で飲んでいるようなバーにしよう。」と
コンセプトを打った彼らは使用する木を選ぶために北海道のニセコまで行ったそう....!
そこで自分たちが、見て、触れて、良いと思った木々を蔵前に持ち帰り
今の空間がつくられたのです。
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【異彩の理由①】
都内にいながら自然の中にいるような気持ちになれるこだわりの空間づくり
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ユニークな木造のチェアやテーブルが
「絶妙なスペース間隔」で配置されていると先述しました。
初めて行った人は
「どこに座ろうかな~」とウキウキしちゃうと思います。
誰かと来た人は
「どの席にする?」「あの椅子がいいね」「このテーブル素敵だね」と
席を選ぶ時点で会話が弾むでしょう。
空間全体を見ても素敵なのですが、その空間のひとつひとつの要素、
つまり「席ひとつひとつに愛着が湧く」ようなラウンジなのです。
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【異彩の理由②】
「お気に入りの席」を持ちたくなるラウンジ
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ちなみに私のお気に入りは
Nui. のシンボルのように大胆に佇む木を囲んだカウンターです。
では、目線をバーカウンターに向けましょう。
エントランスを入って左側には、まるで自然に絡みついたかのように
1本の木が淵を飾る開けたバーカウンターが。
(写真:Nui. HOSTEL & BAR LOUNGEのHPより)
目の前には色とりどりのお酒の瓶がずらっと並べられている。
奥に目を向けると
シックなタイルの壁に鉄なべがぶら下がっている、まるでジブリに出てきそうなキッチンまで良く見える。
バーからキッチンまで来訪者から全てが見えるオープンっぷり。
はい、「Nui. HOSTEL&BAR LOUNGE」の名の通り
ここはHOSTELでありBAR LOUNGEでもあるのです。
この点について話していきましょう。
先程「お酒の瓶がずらっと」と言いましたが
その手前には立派なエスプレッソマシーンも。
実は8:00-18:00は「カフェタイム」として
バリスタが淹れるこだわりのコーヒーとそれに合う手作りお菓子が提供されています。
(写真:Nui. HOSTEL & BAR LOUNGEのHPより)
天気がいい日、
心地よい日差しが入るラウンジで
静かな通りに面している外のテーブルで
コーヒー片手に本を読んだり、友人と話すのが私のおすすめ。
11:00までは朝食プレート、週末はランチも提供しています。
そんなカフェへのこだわりと日中のラウンジの様子が伝わる動画が
運営元であるBackpackers’ JapanさんのHPにあるので宜しければご覧ください。
そして、そろそろ日が暮れる18:00からはBarとしてオープン。
お酒と夜のフードの提供が始まります。
国内外のクラフトビール、数十種類のカクテル、こだわりのフード。
そして、ここで
【異彩の理由①】
都内にいながら自然の中にいるような気持ちになれる
こだわりの空間づくり の魅力が更に活きるのです。
「外で軽く飲んでから帰りたいけど、バーは敷居が高いし
居酒屋は1人じゃ行きにくい。」と泣く泣くコンビニで缶ビールを買い
家に帰ったことのある人は私以外にもいるんじゃないでしょうか?(笑)
Nui. は先述したように非常に居心地の良い空間づくりがなされていて
その理由のひとつに「各席やテーブルの配置や構造が絶妙」という点があります。
おひとりさまは
バーカウンターでマイペースに飲んでいることもできれば
バーテンダーさんと時たま会話を楽しみながら飲むこともできるし
恋人や大切な人と
テーブルを囲んでソファーで深く腰かけてく
つろぎながら飲むこともできるし
友達やグループで
丸太のような椅子に腰かけて楽しく飲むこともできる。
そして、木を囲んだカウンターで立ち飲みしていたら
隣にいた宿泊客の外国人と自然と会話し始めるなんてことも起きる。
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【異彩の理由③】目的に合った楽しみ方ができる
気軽に入れるカフェ / バーとしての機能(空間)
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さて、毎日このような楽しみ方ができるNui. ですが
実は時々イベントが行われているのです。
蔵前のお店が一丸となって開く「月イチ蔵前」や
アーティストのライブ、古着屋さんやインディペンデントブランドの
ポップアップストアなど。
このように開放的なラウンジスペースを活かして
宿泊客、カフェやバー利用客に加えて
イベントやライブをしたい人、近所のお店の人、近所に住む人
ホステルに遊びに行く習慣はないけどイベントには行きたいという人...
様々な人が交わる場所として空間の意味を拡張しているといえるでしょう。
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【異彩の理由④】
イベント・コミュニティスペースとしての機能で
ホステルの概念を拡張
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ちなみにこちらは筆者が大大大好きな
オーストラリア・メルボルンベースのジャズバンド
「Sunnyside」がNui. で日本デビュー記念ライブを行った際のもの。
このようにホステルというインターナショナル性も活かして
外国人アーティストもイベントを行っているのです!
そんな異彩を放っているというNui. ですが
コロナクライシスによって現在クローズしていらっしゃいます。
(㏋上では「5月末まで」と書かれてます。)
大好きなあの空間に
ひとりふらっとコーヒーを飲みにも
蔵前を散歩した後に軽く飲みにも行けないのは本当に寂しいです。
「Nui. をもっと好きになって行きたくなったけど今はな~」
「せっかく素敵なところを知ったのに行けないじゃん~」
と思う方々もいるでしょう。
今は行けないけれど、また「今日はNui. に行きたいなあ」という日が
来た時に備えておきましょうか。
こちらBackpackers' Japanさんが運営する
「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」「Len京都河原町」「BERTH COFFEE(CITANのエントランスにあるコーヒースタンド)」の
3か所で使える共通カフェドリンクチケットなのです。
もちろん私も買いました。使う日が楽しみだ~!
ホステルですから勿論「宿泊券」の販売もあります。
「好きな場所へ安心して旅行ができる世界が戻ってきたら
是非使ってください。」と。
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【異彩の理由⑤】安心して遊びに行けるその日まで
応援できる方法を提示
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▶つづく▶
なぜNui. に行きたくなるんだろう?という観点でdigっていたら
5つのポイントが出てきましたね。
【異彩の理由①】
都内にいながら自然の中にいるような気持ちになれるこだわりの空間づくり
【異彩の理由②】
「お気に入りの席」を持ちたくなるラウンジ
【異彩の理由③】目的に合った楽しみ方ができる
気軽に入れるカフェ / バーとしての機能(空間)
【異彩の理由④】
イベント・コミュニティスペースとしての機能でホステルの概念を拡張
【異彩の理由⑤】安心して遊びに行けるその日まで応援できる方法を提示
ではこのポイントを
マーケティング目線でさらにdigってみましょう~
と、いうのは次回の記事で行いますので
「ふむふむ、Nui. が素敵なのはわかったがマーケティングで見ると...?」という方は次の記事へどうぞ!
「ここまでで十分良さがわかったからもういい!」
「マーケティング?そんなもんはしらん!」という方がいらしたら
ここでお別れでしょうか。
(寂しいので是非次の記事も読んでほしいな、というのが本心です。)
ここまで読んでいただいた皆さんありがとうございます!
また安心して外に出ることができた日に
Nui. でお会いするかもしれませんね!
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