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【Spikes Asia 2022 PR部門】グランプリ・GOLD編

こんにちは。私は2020年度よりコミュニケーションデザイナーとして、企業のマーケティングご支援をしている髙品万紀子と申します。

本note記事は「自分のプランニングに役立てるためのインプット」を目的に書いています。が、Spikes Asiaの公式ページは英語のみなので「Spikes Asia気になるけど英語でわからない…読むの面倒…」なんて方のお役にも立つかも〜と思い、公開することにしました( ・ᴗ・ )

Spikes Asiaとは
スパイクスアジアは、ヨーロッパのEurobest(ユーロベスト)、中東のDubai Lynx(ドバイリンクス)と共に、カンヌライオンズの地域版フェスティバルとして、毎年シンガポールで開催されるアジア太平洋地域を対象とした、アジア地域最大級の広告コミュニケーションフェスティバルです。

カンヌライオンズ公式HPより(https://www.canneslionsjapan.com/spikesasia/

つまり、カンヌライオンズのアジア地域版ということで「大のアジア好き」としてもチェックせざる得ない広告賞でもあるのです…!

では、早速2022年度受賞作品を見ていきましょう。

本記事では
・Grand Prix(グランプリ)×1
・GOLD×2

を紹介しています。


【Grand Prix(グランプリ)】

THE UNFILTERED HISTORY TOUR

◆Brand
VICE WORLD NEWS
◆Agency
DENTSU WEBCHUTNEY Bengaluru, INDIA

The Unfiltered History Tourは、大英博物館にある係争中の遺物をInstagramのARフィルターを通じて説明されていない歴史的事実(略奪された側のストーリー)と共に見ることができるインタラクティブ・ミュージアムツアー。エジプト学者からグウェーガル※の7代目の子孫まで、10人の専門家と代表的な植民地の声がツアーガイドとなり、彼らの故郷の遺物の真の歴史を語る。

◆Point
・長きにわたって係争中の大英博物館の展示物というグローバルな問題 (大英博物館は「略奪博物館」と揶揄されている)
・InstagramのARフィルターという手軽に参加できる手段
・略奪側の目線でしか説明されてなかった(Filteredな状態)ことに対してフィルターを使って真相を伝える(Unfilterdな状態)という比喩
・専門家、当事者を巻き込む

◆Comment
日本人としての素直な感想として「”あの大英博物館”にこんなことしたの、すごい…」でした(笑)同時にVICEファンである生活者として「さすがVICE!」と好感度アップ。他のメディアは手を出さないようなトピックに大胆に切り込んでいき、真実を世界に届けるVICEだからこそのアクション(VICEがやるなら納得、好感)、実際に生活者が手軽に参加できるアウトプット、不満を抱える当事者を巻き込んだことで話題の広がりを加速させたことで成功した企画ですね。

※「VICE Media」とは
ファッションや音楽などのカルチャーから、社会問題に国際問題、独自の視点で切り込んだジャーナリズムまで幅広いテーマを伝えるグローバルメディア(https://www.vice.com/en

【GOLD】

SLOW ROAD

◆Brand
JEJU TOURISM ORGANIZATION(済州観光協会)
◆Agency
CHEIL WORLDWIDE Seoul, SOUTH KOREA

通常のナビゲーションマップは「目的地までの最速ルート」を提示するのに対して、正反対のことを行うアイデア。「時間はかかるけど、より美しいルート」を提示してくれます。韓国で最も使われているナビゲーションマップのT-mapを使用し、島全体のさまざまなスポットへ通じる最も美しいルートを50パターン作ることで、生活者は普段使っているアプリの中で数回タップするだけで済州島の新たな一面を楽しみ、旅の価値を上げることができるようになりました。

◆Point
・「通常の逆」という手法
・既に最も使われているアプリの中に搭載することで多くの人にリーチ
・COVID-19の影響で国内旅行者が増えた=車での旅行者が増えたことへの解決策(グローバルで模倣したい課題解決法)
・テーマ別のルートから選べる
 =旅にテーマをつけてより思い出深いものにする
 =「次は●●ルートに行こう」とリピートを促す

◆Comment
車での旅行者が急増するによる ①旅行者 ②現地の人 が抱えるストレスをシンプルアイデアで解決しているのが気持ちがいい。これまでスポットが当たりにくかったところにも人が行くようになるので経済圏が広がり、まさに三方良しですね。

【GOLD】

One House to Save Many

◆Brand
SUNCORP BRAND(オーストリア大手保険会社)
◆Agency
LEO BURNETT Sydney, AUSTRALIA

オーストラリアでは毎年何十万もの家屋が異常気象によって破壊または損傷を受けているという問題を解決するために、科学産業研究機構、大学、建築会社と提携して「住宅の未来の青写真」を作り上げました。その名の通りあらゆる自然災害の脅威(サイクロン、洪水、山火事など)に耐えるように設計、科学的にテスト、建設された世界初の住宅。サイクロン試験施設に設計を提出する際には首相代理も出席し、話題になりました。

◆Point
・科学的根拠をもとに作られた信頼性のあるアウトプット
・「まるで夢のような」家を本気で作っちゃったというインパクト
・保険会社として人々の「将来への備え」に役立つアイデア
・制作のプロセスをドキュメンタリーにして公開

◆Comment
「え…すっご…」が最初の感想です(笑)最大手の保険会社として"本気"で取り組んだことに好感が湧くアイデア。「2025年までに国家建設法に復興までを視野に入れた項目を追加することを発表。連邦政府は、新しい災害対策および軽減プログラムのための6億ドルの回復力基金を発表しました。」と一発のプロモーションで終わらず、しっかりと課題解決まで実行しているところが素晴らしい点。アウトプットでドキュメンタリーを制作し、一定期間かけて放送していったこともリーチ最大化のキーですね。
予測できない様々な不安が押し寄せる世界で「企業はどんな未来を描き、生活者の役に立っていくのか」、考えさせられるアイデアです。

以上、Spikes Asia 2022 PR部門グランプリ、GOLDの作品紹介でした!
次回はSilver受賞作品を紹介します。

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