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中国のアイドルオーディション番組にはまったからその魅力を語らせて

それは、「Nizi Project」が終わって「PRODUCE101 JAPAN season2」が始まろうかとしていたとき。

観ているアイドルオーディション番組が途切れ、ネットの海を虚な目で彷徨っていた私は、中国のアイドルオーディション番組「青春有你2」と「創造営2021」に出会ってしまいました。
これがもう最高すぎたから語らせてほしい。

BLACKPINKのLISAが出てる

まず「青春有你2」はBLACKPINKのLISAちゃんがダンスコーチとして出てます。
それだけでもう観る価値ありますね。現役バリバリのトップスターが、自分のスキルを惜しげもなく伝授する様子が見れます。最高。

BLACKPINKって有名だけどよく知らないわ、という方はNetflixのドキュメンタリーを観てください。生まれてきてくれて、アイドルになってくれてありがとう。

日本の才能が、中国で開花する

LISAちゃんきっかけでハマった「青春有你2」。
熱をそのままにたどり着いた「創造営2021」は、なんとリアルタイムでデビューメンバーを決める投票の真っ最中。

日本からも、avex出身のダンスがうますぎる子(力丸くん賛多くん)や、PRODUCE101 JAPAN season1に出ていた子(井汲大翔くん)が出演。
入口としても親近感があって、もちろん内容も良くて、気づいたら最新回まで一気見してました。

ちなみに「ダンスがうますぎる」ってどのくらい?というと、まず力丸くんはwikiの受賞歴が1スクロールじゃおさまらない。

力丸くんのwikipediaより。まだまだあるよ。

そして、BoASHINeeNCT127Red Velvetなど、有名トップアイドルの振り付け多数。

賛多くんはストリートダンスの世界大会で3回優勝してます。
(世界大会って3回優勝とかあり得るんだ…)

ともかく百聞は一見にしかずということで、2人のパフォーマンスを見てください。

他のオーディション参加者たちも大盛り上がり
メンターたちアメリカンゴットタレントばりのお口あんぐり
頭もかかえちゃう

井汲大翔くんPRODUCE101 JAPAN season1に出演以降、海外に渡り、事務所に入って練習生をしているという話はあったのですが、その成長っぷりが感涙ものです。

PRODUCE101 JAPAN season1の時点ですでに上手だけど

1年でここまで…うううっ

中国のアイドルオーディション番組のここが好き

もちろんオーディション参加者やメンター・コーチのみなさんが魅力的だったり、舞台がすごかったり、異文化が垣間見えたり、好きなところはあげたらキリがないのですが、特に好きだったシーンを3つあげます。

離婚歴のあるアイドル(青春有你2

オーディション参加者の情報が世の中に出ると、その人がどういう人なのか、ネットで過去の情報が出回ることがあります。
もちろんポジティブな情報も多く回り、それが番組視聴の楽しみにつながるのですが、場合によってはネガティブに捉える人もいます。

青春有你2に参加した練習生の1人も、過去の離婚歴により、その声に見舞われました。
その渦中で始まった番組。彼女の出番がきたとき、トレーナーのELLAがかけた言葉がとても印象的でした。

離婚歴について「私はどうでもいいと思う。これはあなたの、あなたのための人生だから。」
そして、ステレオタイプなガールズグループ・アイドル像への意見。
これをガールズグループをつくる番組の序盤に流したという事実は、宣誓のようにも思えました。

一連をまとめてらっしゃるTwitter↓

アンチコメントをみて涙を流す練習生(創造営2021

オーディション番組では、練習の様子がたくさん流れます。
そこではテクニックはもちろん、時には感情面のアドバイスも。

怒り・反骨心をテーマにした課題曲に取り組んでいるチームの中で、怒りの感情を引き出すのが苦手な練習生がいました。
いつも陽気で、優しくて、ポジティブな雰囲気のある子。

彼の魅力はとても素晴らしいのですが、テーマに沿った感情表現をしてほしいコーチ。
なんとiPadを取り出し。その練習生へのコメントをググり、アンチコメントを一緒に見はじめました。(なんなら音読してた)
読み進めるにつれ、その彼は泣いてしまい、コーチがすかさず「泣き虫っていうコメントもあるよ」と。
もちろん、コーチは終始暖かい雰囲気にするよう心がけており、その後のフォローも徹底していたのですが、私は「え、アンチコメント見るんだ…しかもそれを放送で使うんだ…」と、すごく驚きました。

少し考えれば、リアルタイムで投票を促している以上、練習中に自分への評判が耳に入ることなんてあるに決まっているし、みんな今時の子なのでエゴサすることも想像できます。
しかし、あくまでもそれは知らない態で(アイドルはあくまでも純粋な存在として)番組を進めるものだと思っていたので、その狭間を突かれたような印象をうけました。
ずっと忘れられない、印象深いシーンです。

埋もれていた才能が見つかる瞬間(青春有你2

なんと公式が私の好きなシーンをあげてくれてました。

メンターやコーチの前で、用意してきたパフォーマンスを初めて披露するシーン。
パワフルなパフォーマンスで会場を大盛り上がりさせた練習生の後、メンターが「同じくらい会場を沸かせる人はいるか?」と。そこで名乗りをあげる練習生と、そのパフォーマンスのシーンです。

ここで名乗りを挙げた練習生(安崎)。自信満々で、最初に見た時は、すでに実力が認められている人なのかな?と思いました。
しかし、後に分かることですが、この時安崎はほぼ無名の状態。SNSにいるファンも数名。
彼女の自信は、幼少期からダンスを極めてきたという圧倒的な練習量、それだけから来るものでした。

謙遜せず、出来ることはきちんと主張して、自信を見せて挑む。安崎の姿勢はとても気持ちが良く、真摯なものだと感じ、一気に大好きになりました。

安崎(もちろん他のメンバーも!)が最高なステージ貼っときます。なんと番組最初のステージでこのクオリティ。みてほしい。

アイドルオーディション番組の魅力は、「アイドル(偶像)」と「人間臭さ」の共存

アイドルオーディション番組には、さまざまなバックグラウンドの人が参加します。

「事務所で10年以上過酷な練習を積んできたけれど、表舞台にはまだ立てていない」という、スキルフルな10代

「いままでたくさんのアイドルオーディション番組に出てきたけれど、どれもあと一歩でチャンスを逃した」という、SNSで何万人もフォロワーのいる有名人

「人生で最初で最後のチャンスだと思って、会社の内定を辞退してきた」という、就活を終えたばかりだった無名のダークホース

本当にさまざまです。
そして、視聴者には、一人一人のストーリーが、「オーディションを受けた動機」としてわかり易くパッケージングされて提供される。
まずそこで、各々の人間としてのバックボーンに惹かれます。

さらに、丁寧にパッケージングされたそれらだけでなく

自分が思うように評価されなかった時、友人が脱落してしまった時、歌や振り付けが飛んでしまったとき
飾りようのない、ひとつひとつの目線・所作・言葉も、彼・彼女ら1人1人を形作る要素となって、私たちはいつの間にか、1人の人間のドキュメントとして見ていくようになる。

と、ドキュメンタリーな側面に浸かっていたら、次のカットでは煌びやかな衣装を着て、かっこいいメイクをして、照明や演出がふんだんにある舞台のうえで、歌い踊り、あっという間にアイドルになる。

アイドル(偶像)性と人間臭さ。かけ離れているように感じる2つが共存し、入り乱れることの歪さや矛盾みたいな、形容しがたい魅力が、私を惹きつけているんだと思います。

オーディションのその後

無事にファイナルを迎えた両番組。それぞれデビューメンバーが決まり、現在はアイドルグループとして活動しています。おめでとう…!!

「青春有你2」からはTHE9というグループが誕生

「創造営2021」からはINTO1というグループが誕生

中国のアイドルオーディション番組はもう見られない?

熱をたっぷりに語ってきましたが、この記事を書くにあたって色々と調べていたら、こんな情報が…

詳細はわかりませんが、いままでのような番組はもう観られないのかもしれないですね…

ただ、事務所からのデビューが制限された訳ではないと思うので、引き続き埋もれた才能が日の目を見る機会がたくさん訪れるといいなと思います!

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