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一週間沖縄を歩いてわかったこと 7.

6日目を迎えた今日である。短パン半袖カメラと財布。まるで地元民のような面持ちで
(実際旅路でも沖縄顔と言われたが)
国際通りを歩いていた。

何十キロと運んでくれ、ホテルと夕ご飯のチケットをくれたおばちゃんといっちゃんは連絡先を聞く前に去ってしまっていた。

あぁ残念なことをした。。と思いながら、この時私は「将来こんな粋なことをしたい、いやしなければならない…!」と悟った。

市営市場へ向かう。目的は特にないけど、沖縄の魚を見たい。あとここまでずっと頭と身体をひたすら動かしてたからぼーっとしたい。物色しつつ、探した。

手ぶらだからか市場周辺の人たちと会話がスムーズに進む。

マンゴー屋さんでマンゴージュースを飲んだ。
「時期過ぎたからあんまり甘くないよ〜」
内地人には十分甘く感じる。
旅のことを話していたら切ったマンゴーもくれた。最高。いや、十分甘いよ。

コーヒー豆を売ってるちょっと変わった沖縄人ぽくない沖縄人のお兄さんとも話をした。
「へぇ〜変わったことやってんね。」変わったお兄さんに変わってると言われた。
カフェはないか聞いたら「Cafe プラヌラ」というお店を紹介してくれた。

プラヌラはカフェというより喫茶店という出で立ち。暗めの店内にゆったりとした音楽が流れていた。プラヌラっていうのはクラゲの成長過程での呼び名らしい。
クラゲとはぼーっとしたい私にぴったり。

夜ご飯は焼肉のバイキングだった。「これも無料ってすご過ぎる…」
という感動と共に視線が刺さるのを感じた。
団体席からの熱い視線。隣の韓国人カップルの「モッパンじゃない⁇」の声。
モッパンじゃない。

鱈腹食べてシャワーを浴びて、寝心地の良いベットで死んだように寝た。

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ホテルのオーナーさんとおばちゃんが知り合いということは知っていたので、置き手紙に連絡先を書いてフロントへ。

一週間が経つ今日私は旅を終える。

しみじみするのはまだ早い。空港まで意外と距離があるからだ。
とはいえ便は昼過ぎ。このまままっすぐ進むのは惜しいと考え、
遠回りすることにした。

国際通りから漫湖を渡り豊見城市へ。ここではパイナップルを買った。
リュックにつけたプレートを見た店員さんが「今帰仁から来たわけ⁉︎
ってびっくりしてた。まぁこっから80キロあるしね。

豊見城から空港までの道は何度も来ていたぶん見覚えがある。
終始人がいない沖縄の道ではどこでも大声で歌えてしまう。

飛行機の飛ぶ音、見覚えのある建物、並んだタクシー。

あぁ終わってしまう。

そんなことを考えながら旅の曲である1/6の旅人を歌っていたら
うるんだ。

とはいえフライトまで時間が少しあり、最後の沖縄飯を食べた。
今日のパイナップル購入の時点で残金81円。
ポイントカードでなんとかラスト飯、エンダーのハンバーガーにありつく。

A、窓側席。

あー終わった。

一週間。夏の沖縄での一人旅は多くの人に支えられ、孤独など感じる暇もなく優しさや暖かさで溢れていた。野宿やスナック、道場で過ごす夜など初体験もあれば、米軍基地やそれに反対する人たちの姿、汚れた海や錆びれた社交街など深い沖縄に触れることもできた。死んでもいないのに走馬灯のようにこの一週間の出来事が鮮明に蘇ってが流れていた。

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ここまで読んでくれてありがとうございます。歯牙ない大学生の一人旅のお話。

ホテルとってくれたりお世話になったおばちゃんとはその後、ホテルの粋な計らいで連絡がつき、大学2年の冬新宿で1回、大学3年春に沖縄で1回会ってます。

偶発的な巡り合わせは何があるかわからない。
普段触れることができないコトモノに旅は遭遇させてくれる。

これだから旅はやめられない。
リアルタイムの記録はInstagramにあります。




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