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認知症の義母が保護された日

2年前、当時同居していた義母が警察に保護された。
義母は認知症を患っていた。
些細なことから言い合いになり、義母が出掛けたけど、私は追わなかった。


私は義母が帰ってこないので心配したが、義理の妹、つまり娘の家が自宅から徒歩で10分ほどのところにあり、そこに行っているのかもと思っていた。


19時ごろだったか、警察から義母を保護していると電話があって、タクシーに乗り迎えに行った。
タクシーの運転手さんに行き先を告げたあと、認知症の母が保護されたので…、と伝えた。
私や家族が悪いことでもしたのか、と思われるかもしれないと考え、そう言った。

警察に着いて義母を見つけ、無事でよかったと心から思った。
義母は私を見ていたが、私が誰かわからないようで全く反応がなかった。
認知症が進んできているのは理解していたけど、私を見て、知らない人をただただ見ているだけのような表情で、目は虚ろだった。


ショックだった。
あぁ〜もうわからないんだ、と思い、悲しかった。


私は義母に声を掛ける前に、窓口で嫁ですと名乗った。


当時義母はトイレが近かったので、警察のトイレに2〜3回行った。
私が知ってるだけで2〜3回で、ひょっとしたら私が警察に行く前にも行っていたかもしれない。


その当時、トイレは自分で行けていた。
義母がトイレのカギをどうやって締めたらいいかわからないと言ったので、おかあさん、ごめんけどトイレのドアは開けたままでしてくれませんか、私が誰も来ないように見ているから、と告げトイレの前に立った。
義母がドアを中で締めて、開け方がわからなくなっても困るので、そうした。

警察の方が、また義母を保護するかもしれないので、写真を撮らせてくださいとおっしゃり、義母はカメラにおさまった。
短パンを2枚重ねて履いている状態で。


警察でタクシーを呼んだら、自宅から警察まで送ってくださった運転手さんがすぐに来てくださった。
おそらく心配して近くにいてくださったのではないかと思う。
ありがたかった。


義母は、それから2ヶ月ちょっとで施設に入った。
当時は動き回って大変だったけど、今は車椅子での生活になってしまった。


私と義母との関係はよくなかったけど、孫である私のこどもを本当にかわいがってくれたことを感謝している。



最後まで読んでいただいてありがとうございます。
みなさまの今日と明日が笑顔あふれる1日でありますように🍀