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[理系による「アート」解説] ピカソとキュビズム

ピカソの絵、時代ごとに作風が異なるがキュビズムと言われるまるで子供が描いたような絵が有名だろう。

理系で数学好きの自身にとってキュビズムはとても面白い。

具体的に、
絵画自体は2次元である。当たり前である。では2次元空間で3次元を表現するには?

その手法に遠近法がある。遠くのものは小さく、近いものは大きく描く手法である。では、これ以外に2次元空間で3次元を表現する方法はないものであろうか?に答える手法として"キュビズム"を捉えるとピカソの絵が鑑賞しやすくなる。

キュビズムとは、3次元の物体を複数の視点から見て得られる画像を再構築して2次元で表現する手法である。例えば"顔"をキュビズムで表現する場合、前から見た顔、横から見た顔、上から見た顔、…の画像を2次元上に張り合わせて絵として成立させる。つまり、3次元上で得られる情報を基に2次元で3次元を表現するのである。

言われてみれば原理は簡単なので、実際に自分にも出来そうである。そこで、実際にやってみた。が、出来ない…。"顔"にならず、写実としての絵として成立しないのである。どの視点のどの画像をどのように切り取って再構築すれば絵として成立するかさっぱり分からない。数学好きの自分としては、幾何学の問題を解かされているようで非常に興味深い。

ピカソは上記を論理ではなく感覚でできる画家で、それが天才と言われる所以の1つであろう。

というわけで、ピカソのキュビズムを理系の視点で語ってみたが、新婚旅行で妻とスペインに行き、ゲルニカを見た際の"文系の彼女"のコメントに衝撃を受ける。

キュビズムって感情を表現するのにこんなに効果的な手法なんだ。


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