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[理系による「アート」考察] 山を装飾するという行為


とある山寺

地元の人も知らない方がいる、とある山間の寺を下から見たところになります。京都の清水寺のようになっており、なぜ、わざわざこんな凝ったことをしたのか考えてみました。

結論からいうと、山そのものをキャンパスと見立てて装飾したかったから、になるかなと(あくまで個人の意見です)。

京都の清水寺は、建て増しする必要性が出てきたが場所がなかったからあのような木組みで対応した、とのことです。

が、この寺は田舎の山中にあり、多くの人が日常的に訪れるわけではありません。よって途中で建て増しする必要性が感じられず、初めらかこの形態で建てたのだと思われます。

かなりコストのかかる建築だと思われるので、お寺単体で賄える金額であるとも思えず、何頭の権力が背景にあったとしか思えないのですが、実はこの山は城山なのです。よって城主の意図と援助があったと思われます。

自身が城主だった場合、まず考えるは城の防衛ですが、この建築は防衛とは反するような気がしており(逆に山を登りやすくなる)、となると、この城山の権威付けが意図になるかなと。

もし上記がYesであるならば、装飾的な方がよく、城主が住む山全体を権威づけるためには、山自体を装飾する意図が必要であり、わざわざこのような建築を採用したのではないかと。

山自体を要塞化した城はたくさんありますが、下のような防衛には全く関係しない装飾が施されているのも、同じ理由ではないかと思います。

ちなみに、城山ではないですが、同じような建築方式で有名なのが、下の投げ入り堂です。これは山自体が霊山であり、その権威を高めるために、わざわざこのような建築を採用したのではないかと思います。

権威付けとはいえ、山をキャンパスと見立てて装飾する、という考え方が山国である日本(国土の75%を占める)に住む日本人としては、何かしっくりきたという考察でした。



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