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[OldCityBoy的「映画」考察] タクシードライバー(1976) ➡思い描く自身のキャラクターと世間の認知にどう折り合いをつけるか
色々な切り口から語れてしまう名作です。 見る年齢によっても感じ方が異なるため、それも名作たる所以なのですが、自身が若いころ見たときは、 空気読めないパンク!!! と衝撃を受けました。 が、今の年齢になると 自己に対する自身の認識(だいたい理想化されている)と、世間の認識との違いに対して、どう折り合いをつけるか と、もう少し深い意図まで読み取れるようになりました。 具体的に、主人公は激しく空気が読めない痛々しいキャラで、周りと関係性をうまく築けません。 つまり、
[OldCityBoy的「映画」考察] お早う(1959) ➡"芸術"から"日常あるある"までいっぺんに映像表現に混ぜれる大巨匠"小津安二郎"に感嘆する
この映画は凄いっす! 初見で衝撃を受けましたが、何が凄いか言語化できず、思わず連続して2回観てしまいました。 この映画を語る前に、 小津安二郎作品はちょいちょい見ていましたが、どーも好きになれませんでした。というのも、大人が理想化した女性像を押し付けられているようでなんだか…。 が、この作品はちょっと違う、との評判を聞いて、夏休みで暇だし観てみました。 で、驚愕でした! 何が凄いかというと、 "芸術"から"日常あるある"までいっぺんに一作品に混ぜ、エンタメとして成
[OldCityBoy的「映画」考察] スティング(1973) ➡知的で・ポップで・お洒落で・大掛かりな詐欺プロジェクト劇、で"オーシャンズ11"の元ネタ
"大掛かりな詐欺プロジェクト"という、今ではそれなり普及している分野における初めての映画ではないでしょうか。 詐欺なので犯罪ですが、悪党からだまし取る、という劇として観やすいストーリーにしてあり、エンタメの教科書的な作品です。 そして、音楽がなんともお洒落! あと、上手い役者さんを揃えすぎ! となってり、なんとも知的で・ポップで・お洒落な仕上がりになっています。 で、この映画を初めて見たとき、"オーシャンズ11"まんまやん!、とつぶやいてしまったのですが、勿論"オーシ
[OldCityBoy的「映画」考察] 蜘蛛巣城(1957) ➡"能"の要素を入れてますが、本質はシェイクスピアの"マクベス"です。
日本語教師ボランティアのポーランド人の生徒さんからおすすめされた👇の映画を観たことを本人に報告し、「西部劇の元ネタって”黒澤明”の要素が大きいよね」、な話をしていると、「黒澤明の"蜘蛛巣城"って観たことある?」、と言われ、恥ずかしながら観たことがなく、さすがに日本人としてこりゃいかんだろう、と思い、観てみました。 で、シェイクスピアのマクベスをこれほど見事に映像化できる黒澤明に感嘆しつつ、解説に"能"についてに書かれていることには誤解を招きそうだったので、そこについて語りま
[OldCityBoy的「映画」考察] フレンチ・コネクション(1971) ➡ニューシネマ風に撮った王道作品で、"あぶない刑事"はこの映画がモデルだろう
ぱっと観た感じ、「あれっ、ニューシネマ?」、な印象を受けます。 理由は画面が妙にざらついているからなのですが、恐らく意図的にあまり性能の良いカメラを使わず、ニューシネマ風な絵にしたかったためだと思いますが、ストーリーや演出は王道です。 が、このニューシネマ風な絵と王道演出を組み合わせるところがなんとも新鮮で、自身は👇の"ブレア・ウィッチ・プロジェクト"を思い出しました。 この"ブレア・ウィッチ・プロジェクト"ですが、内容はもう定番化した王道ホラーなのですが、撮り方を主人
[OldCityBoy的「映画」考察] イージー・ライダー(1969) ➡退廃系ニューシネマ、最終的にMac製品開発へ至る
退廃系ニューシネマの傑作ですが、映画の内容をご存じなくても、主題歌である"BORN TO BE WILD"は聞いたことはあるのでは?、と思います。また、あまり知られてませんが、ジャック・ニコルソンが、我々の想像する"ジャック・ニコルソン"完成形で出ています。 で、この映画は、"俺たち明日はない"、"明日に向かって撃て"、と同じ退廃系ニューシネマですが、この2つの映画は逃亡劇ですが、"イージー・ライダー"は放浪が演出の軸になっています。 つまり、社会に馴染めない若者が自由を
[OldCityBoy的「映画」考察] 真夜中のカウボーイ(1969) ➡アンディー・ウォーホルがファクトリーでやりたかったことと、その時代背景が分かる映画
1967年の"俺たちに明日はない"から始まるニューシネマの傑作で、ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマンとも、とってもよかったです。 物語は、ニューシネマらしく終始退廃的ですが、後半にアンディー・ウォーホルのファクトリーらしいものが出てくるので、「あれ!?」、と思って調べてみると、 この映画の2年前の1967年に"The Velvet Underground and Nico"がリリースされており、 さらに1年前の1968年にファクトリーでアンディー・ウォーホルへの狙撃事件
[OldCityBoy的「映画」考察] 2001年宇宙の旅(1968) ➡この映画だけはなぜか異次元の完成度を誇り、映画史の特異点
もはや語られつくされており、自分ごときが語れる映画でもないのですが、旧帝大にて通信工学修士を取っており・電磁工学の論文を出しているゴリゴリ理系から視点より。 この映画だけは、なぜか映画史の特異点なんですよね~。 この"特異点"という意味ですが、数学的に言うと微分できない箇所で、物理世界ではエネルギーが集まりやすい箇所で、宇宙ではブラックホールの原因と考えられてます。 要は"ここだけなんか変"と理解してもらえば良いのですが、 67年→俺たちに明日はない 68年→2001年