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真藤順丈 庵堂三兄弟の聖職(角川ホラー文庫)を読んで

こんにちは、今回は真藤順丈さんの「庵堂三兄弟の聖職」という作品について、抽象的感覚派読書感想文を書いていきます!

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この作品はタイトルの通り庵堂三兄弟が主人公で三人それぞれの視点から描かれる物語となっております。長男の正太郎は家業である遺工師という亡くなった方の骨や皮、脂肪で食器などの身の回りの品や鞄、石鹸など様々な物を生み出すストイックな職人気質な性格。次男の久就はそんな家業とは距離を取って地元からも離れて暮らす兄弟の中で唯一平凡な性格。三男の毅巳の汚言症という症状に苦しめられながらも1人の女性を愛したいという意思の強い性格。

次男の久就が父親の7回忌を契機に地元に帰ることになり、久しぶりに三兄弟が揃う場面から始まる。正太郎は7回忌までに終わらせなければいけない全身加工の大きな仕事を抱えて寝食を忘れて仕事に精を出している中、今までやったことのないようなとんでもない依頼が入ってしまう。

遺体というものを通じて人間というものの本質に迫ろうという作品。死が渦巻く中で人生の旨みを描写した物語は、こっくりとしたとても甘い風味を感じました。
お仏壇に供えられた豆の感じが強い粒あんがたっぷり詰まった温泉饅頭を頬張っているような小説だと思いました。背徳感を感じながらもそれを忘れさせる甘味が非現実感を与えてくれるのです。

これで今回の読書感想文は終わります!自分の作品を書くことで手一杯で中々読書をする時間の捻出が難しいですね……
望みを叶える人はその辺の時間管理も上手いのでしょう。

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僕の作品もちょいちょい出しているので、ぜひ読んでみてください。純文学でそこまで長くもないので、ぜひ!


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