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天井の高さと心地よさ

ソファに横になって漠然とまだ日本に帰りたくないなと思った。それはここが好きだから。このどうってことない家が好きだから。なんでだろうか?考えてみた。

イギリスの我が家

我が家は、3階建の2階と3階部分。3人でのシェアが基本の3寝室に対してバスルームも3つ。それにダイニング・キッチンと細長いリビング。床は明らかに斜めで、すきま風もあるし、窓は鍵がかからないしと、数多くの不具合はあるけれど、たった1つの特徴がそれを凌駕する。

それは天井の高さだ。

我が家が特に天井の高い家なわけではなく、イギリスの住居の一般的な高さだと思う。天井の高いだけで、気分がよくなり、過ごすことが快適に感じられる気がする。家の広さを表現するとき、一般に平面図をベースに平米数を基準に語られるけれど、家という空間に住むのであれば、高さの要素も考慮にいれるべきだと思う。きっと広くて天井の低い家よりも、狭くても天井が高い家の方が、開放感があるだろう。個人差はあるかも知れないけれど、自分は面積より体積派。

ヨーロッパの天井

この1年、Airbnbを利用してホテルではなくヨーロッパ中の様々な家に滞在してきた。イギリス各地はもちろん、アイルランド、スペイン、イタリア、スイス、クロアチアと回ってきた。そして、どの家も例外なく日本の家より天井が高く気持ちよかった。特に、ミラノで泊まった古いアパートは間取りで言えば1LDKだったけれど、圧倒的な天井の高さゆえに美術館に滞在しているかのような、気持ちの良さだった。

日本とヨーロッパのこの高さの違いは、地震の多さや、木材か石材(レンガ)かと言った材質の違いなどの違いが根本の原因だろう。そして、日本では建築基準法によって住居の高さ制限もかかってくる。

日本の天井

天井高に関する記事をいくつか読んでみたけれど、日本では高い天井をあまり良しとしない風潮があるように感じられた。ある程度、天井高があると開放感があって気持ち良いともあるけれど、それも通常より20cm程度高いくらいで、ヨーロッパの高さとはレベルが違う。空調コストがかさむなどのデメリットがいろいろと列挙されている。

日本人は古くから低い天井で暮らしてきた民族なので、低い天井の方が落ち着くとハウスメイカーのホームページに書いてあった。本当だろうか?もし、そのような好みの情報が遺伝子レベルに組み込まれるんだとしたら、ヨーロッパ人だって太古は、洞窟で暮らしていたんだから天井が高いところは落ち着かないのではないだろうか?

自分は、日本人が偏屈なのは、原因に家の屋根の高さが関係しているんじゃないか?とすら思っている。ストレスが多いと言われる都会暮らしのサラリーマンは天井の高い部屋に済めば少しはそのストレスが軽減されないだろうか?自分は178cmとやや身長が高い方だから、そう思うだけだろうか?

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