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570.20230702:トゥの回:二つの花常世

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711号室

主な登場人物


上段左から
ラン:犬獣人。
トゥ、師匠:ランの伴侶小人。兎小人。
泰市たいち:ランとトゥの伴侶猫。
C'mon諭カモンサトの面々。
上段左から枯仇こきゅう、ナリス、チカッツ、笑生。
下段左から十輝とき:元711号室住人、京斉ちかなり店長、瞭尾あきお

本編

お客さんの伴侶カレンさんに会ってきました。
とても気丈な人で
真っ赤に泣き腫らしているのに
笑顔で出迎えてくれました。
絵はやはりカレンさんがお客さんを描いたもので、
背景は想い出の中の
殻持たぬ青海の星の夕焼けだそうです。
向こうに居た時の名前もカレンさんで
郷里はオキ諸島のチフリ島、
マツエへ行く途中で
界狭間の暴走に巻き込まれたのだそうです。
セズリマさんはエゲレスイギリス生まれだけれど
子ども時代に両親に連れられて
ニホンに移住したからニホン語が話せたと。
セズリマさんが何処で育って
何処で暴走に遭ったのかは
最期まで思い出せなかったそうです。

メリッサというのはセズリマさんが
界狭間の暴走に巻き込まれる直前に演じていた
自作劇の役名だったのだそう。
当人は向こうでの事を偶に思い出しても
後遺症の所為で直ぐに忘れてしまったので、
できる限り描いたり書いたりして
残してあげたのだそうです。
殻持たぬ青海の星からこの環を持つ土塊の星に来ると
見えて当たり前だった天体が見えなくなるので
精神を病んでしまう人が多く、
カレンさんがセズリマさんの入院していた
病院に通ったのも
その治療の為だったと。

セズリマさんが迷子になっていて、
まだこちらの花常世には着いていない事を伝えたら、
向こうの花常世に着いてる可能性を指摘されました。
向こうの花常世には伝手が無いので
十輝氏の手間を考えるとガビーンです。

チフリ島は
ウ×キペディア先生によるとチブリ島と呼ぶそうですが
グ×グル先生が見せてくれた1863年の地図には
「Tsifuri」と書いてありましたので、
即行で花常世の件と共に十輝氏に知らせました。

十輝氏、すごいですねぇ! 
伊達に長く幽霊やってないのですねぇ!
こちらの花常世に連絡する手段は持っていないけれど、
向こうの花常世情報なら
奇しくも来週に入手できるのだそうです。
オボンという
花常世へ行った人達が帰省(?)する週があるのだと!
良かったです。
期限を切れるというのはとても良い事です。
セズリマさんが夕焼けを見て納得して
向こうの花常世に逝ってしまっていても構わないので、
辛い想いだけはしてませんように。

マリエラセス暦3904年7月28日白曜日24時33分
(この星の一日は26時間)


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