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579.20230711☆:トゥの回:未来の住人


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暗夜迷宮日記

711号室

主な登場人物


上段左からラン:犬獣人。トゥ、師匠:ランの伴侶小人。兎小人。泰市たいち:ランとトゥの伴侶猫。
C'mon諭カモンサトの面々。上段左から枯仇こきゅう、ナリス、チカッツ、笑生。下段左から十輝とき:元711号室住人、京斉ちかなり店長、瞭尾あきお
左からフレデリック、ソー(偽名:想)。
極上の肴登場人物で711号室の元住人。

本編

たのもー! ランちゃ、ハピバー!!と
ナリスとチカッツがグレゴリオ暦での
ランの誕生日を祝いに来てくれました。
直後、
「悪いフレ、タンク要るわコレ、取って」と
男の人が玄関を開けました。
「「「「「誰?」」」」」


想。

「……711号室だよな?」
彼は玄関の外と中を確認してから
ムッとした顔で我々に訊きました。
ナリスはまな板を
チカッツはフライパンを
彼の脛に狙いをつけて構えました。
「そうです」
「俺の名前も想なんだけどつぅ、
冗談は置いといて。
アーッ……そうか、
お前さん等、何年何月何日?」
「3904年8月9日なんだけど」
「なりちんの世界では2023年7月11日」
ランとナリスが答えました。
「マジか……7月11日は俺の誕生日だ。
えーっと、
4009年から半年ばかし
此処で暮らしてた想……です。
たぶん誕生日此処で祝いたかったなーとか思ったから
界狭間に飛ばされたって可能性が高い、かね。
4010年7月1日から来……ました。
あーっと、界狭間ってのは知ってる?」
即座に事情を察したらしい想氏は
しかめっ面を引っ込めて
友好的態度に切り替えたので
我々の警戒も解けました。
「知ってるよ。
ランとお誕生日一緒なんだね。
時間あるなら一緒にお祝いしに戻っておいでよ。
フレって人に言っとかないと心配かけるでしょ?」
「そんな事できんの?」
「もう今お友達になったからできると思うよ」
「オンナノコがそんな警戒心薄くて大丈夫なんかよ?」
「だって此処に今居るみんな、戦えるからね。
一人の男の人くらい余裕だよっていうか、
711号室さんが追い出さないって事は
想さんは良い人な筈だもん」
「711号室さん?」
「ア……711号室の聖霊みたいな?
えぇと、オルエハスネム巫術は知ってる?」
「ああ、動物やら霊やらの
言葉を聴いて伝えてくれるっていう」
「そう、ラン達それなの」
「すげぇな! 
へぇえ、若そうなのに
しっかりしてて格好良いじゃん。
じゃ、フレも誕生日だから呼んで良い?
一緒に住んでた親友マブダチなんだけど。
俺等オンナノコにそんなに興味無いから安心して」
「良いよ」
「7月11日生まれのフレってフレドちゃ?」
ナリスが彼の裾を引っ張って尋ねました。
「かね? フレデリックって言うんだけど。
連れて来るから見た方が早い」

フレデリック氏に会った我々は大喜び。
圭家の界狭間構築に協力してくれた
あのフレデリック氏の若い頃だったのですから!
かなり未来の事なので
彼等に詳しくは話せませんでしたが、
誕生日を盛大に祝うに相応しい
仲になるのだとだけ伝え、
一緒にパーティを楽しみました。
こんなハプニングなら大歓迎なのですけど。

ああ、なりちっくのナリス、
何とか2週間を生き延びる事を祈ってますからね……。

マリエラセス暦3904年8月9日赤曜日25時42分
(この星の一日は26時間)

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