189.20220618：ランの回：氷解
昨日は緊張したけど、
わだかまってた事も全部知られて良かった。
実はグランマとは
あんまり会った事なかったんだよね。
犬の赤ちゃんだったランを
最初に発見してくれたのが
グランマなのは聞いてたけど、
（「グランマが留守にすると
お客さんが困っちゃうから、
若い頃から暮らした
ツツィーム大公国から離れられないんだよ」って
パパには聞かされてたけど）
一年に一回数時間しか会えなくて
会えたと思ったら
ずーっとものすごいガン見されて
まあまあ怖かったんだよね。
その内に
「あのままで充分可愛かったのに」って
パパに言ってるのを聞いちゃってから、
ヒト化した顔が好きじゃないのかもって
変な顔って思ってるのかもって
思えてきちゃって、
ランからは近寄れなくなっちゃったんだ。
全然違った。
グランマがあの頃
ガン見してたのはランじゃなくって
ランの加護精霊だったんだって。
同じ加護だから
加護精霊と話ができるはずなのにできないから
精神感応を一生懸命試みてたんだって。
「可愛かったのに事件」は
「あのままでも」を
ランが聞き逃してるって笑われちゃったよ。
「『また可愛くしちゃって
離れ難いじゃない』って言ったのよ。
どうせなら最後まで聞いて欲しかったわ」だって。
今後は盗み聞きしちゃったら
半端しないって誓ったよ。
会えて良かった。
修業は気が向いたら
例の修業場に行けば
オルエハスネム神が取り計らってくださるから
万事お任せすれば良いんだって。
ランの気が向く向かないも
ちゃんとオルエハスネム神の思し召しだから
気負わなくて良いんだって。
不思議だねぇ。
マリエラセス暦3903年6月26日緑曜日24時2分。
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