246.20220814：ハイドの回：自己紹介
ああ、ああ、自己紹介な！
悪い悪い、失念してた。
ハイド・ワイズ・リヴィール、
生まれ年はフレドが言った通りだけど、
１１月生まれだから未だ５１。
絶賛更年期障害と善戦中。
女性体男性自認、工事無し。
性的指向は女性体。
ロケットグラマラスだと嬉しい。
オトコと致したのはフレドだけだ。
加護は「ワイズ・リヴィールの家政を執り仕切る者」。
……真名はヘネディエ。
この面子なら大丈夫だろ。
祖国のタングール帝国に限らないかもしれないが
貴族はきょうだいで跡目を奪い合う事もあるから、
呪詛の完全な効力を阻害する為に、
加護精霊と親と
将来的に伴侶以外には
秘される真名が付けられる。
三十四年前、
お家取り潰しの危機に際して家へ帰って、
結局この世界線では幸運が重なって
存続できた訳なんだけど、
家出中にフレドに真名を教えたと
お袋に言ったら、
まあまあ叱られて
お前はフレド以外とは結婚させないって話になって、
寧ろラッキー！ と喜んだらぶっ飛ばされた。
それくらい若い頃なら大切な名だが、
今は双子の弟が
「ワイズ・リヴィールとなる者」を無事全うしてるから、
オレの真名なんか
友達にくらいは明かして構わないんだ。
ホント、真面目な奴だよなぁ、フレド。
不思議だな。
此処に居るとやっぱり呼吸がラクになる。
ホットフラッシュの回数があからさまに減ってるし
過食が鳴りを潜めてて
肩こりも軽くなってる。
ああ、そうそう、肩こりの方は
首を鳴らす度にフレドが揉んでくれるからだな。
へっ、甘やかしたがりめ。
ああ、はいはい、
「此処に」じゃなくて「ぬるま湯フレドと」
居るから、な。
はいはい、キットソウデスネー。
ちぇ。
今回はちょい悪イケオジ風で通したかったのに
この面子じゃ格好つけたがりもままならないな。
竹晴君も不思議な親和性があって
結婚式以来って気がしないし。
そうだな、
下らない気負いはぶん投げちまおうな。
マリエラセス暦４０４４年８月２７日黒曜日２２：５４。
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