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アデル、ブルーは熱い色

フランス映画はティーンエイジャーの何気ない日常もお洒落に映し出す。エマの青い髪、劇中に登場するスパゲティ、アデルの飾らない髪の毛。

甘酸っぱくて苦くも爽やかで、10代で一生忘れられない恋をしたアデルがちょっぴり羨ましくもなる物語。


主人公のアデルは、いつだって髪は適当にまとめているし、周りの生徒のようにメイクもしないが、美人で不思議な魅力を持つ高校生。モテるけれど恋人を持つことには興味がないといった風で、少女たちの中でもイケメンと噂される先輩学生に言い寄られるも、アデルの心は動かず満たされない気持ちのまま。

そんな時に、アデルはブルーヘアのエマとすれ違い忘れることができない程の一目惚れをする。
エマは美大生で、かっこよくて魅力的でパートナーも絶えない感じで、同性愛者なことも隠さずに生きている。たまたまバーで再会したのをきっかけに、2人は惹かれあっていく。

アデルは自分が女の子のほうが好きだと、エマを通して知っていき、新しい世界を見たり大人の階段を登っていく。
シャイで感情が表に出ないタイプだけれど、感情任せで、まだまだ未熟で子供っぽくて寂しがり屋。2人の喧嘩のシーンが白熱の演技で鳥肌もので、こっちまで泣けてきそうだった。

そんな2人が数年後には、当たり前に大人になって仕事をしていて、後味は爽やか。
エマはいつだってエマで、自由で才能があって魅力的だったし、最初のすれ違うシーンも上手いなぁと思った。

LGBTを扱う作品として、両親の反応の違いや周りの反応、学校での苦しさも描写されているが、そういった人たちがオープンに沢山いることや、当たり前で何でもないことだと気づかせてくれているシーンも多い。

 

2013年のフランス映画で、数年前に雑誌か何かでこの作品がおすすめされているのを見てから気になっていつつも、見逃していた作品だったのでAmazonプライムに上がってくれて、ちょっぴりお洒落な休日のアクセントになってくれた映画だった。

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