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島暮らしのデメリットと、島暮らしに向いている人

このnoteを始めてから今まで、
「関東から、何の縁もゆかりも無い離島へ20代女子が単身移住した視点」
で、島事情や島暮らしの様子をポジティブな面を捉えて書き記してきた。

過去の私のように、今生きている場所が何か違うと感じている人や、島(田舎)へ移住してみたいけれど実際にはどうなの?という人の背中を、少しでも押せる記事を書くことをモットーにもしてきた。

けれど、表裏一体という言葉のように、島暮らしもいい面があれば悪い面も勿論ある。それを書かないのは嘘くさいし、不便さやネガティブな面も知った上で、読者の方には考えてほしいと思う。
物は考えようで「ネガティブな面を自分がどう捉えられるか?」が大事になってくる。
今から書くネガティブな面を、許容範囲だと思えるなら、きっとあなたは島暮らしに向いていると思う。

※ポジティブな記事も興味があったらお願いします。



【島暮らしのデメリット】
① 物価が高い / フェリー代も高い
② 欲しいものはすぐには手に入らない
③ 島内での娯楽は少ない
④ コンビニやチェーン店は無い
⑤ 閉店時間は早め
⑥ 噂話は尾びれがつくし、拡散率高め
⑦ 仕事(職種)が少ない
⑧ 島を出たら1日がかりの予定になることが大半
⑨もしもの時は本土より時間がかかる


① 物価が高い / フェリー代も高い
離島なので、どうしても商品にフェリー代が上乗せされる形となり、本土よりも物価は高くなる。
本土まで約1時間のフェリー代も、片道で千円近くかかるため(高速艇は2倍の値段!)、頻繁に街へ出たいと思ったら交通費だけでもかなりの出費になってしまう。


② 欲しいものはすぐには手に入らない
島にある店と言ったら、1軒のスーパー兼ホームセンター、あとは地区ごとにある小さな商店や小さな薬局のみ。物価が高い上に品揃えも本土ほどはないため、欲しいものが売っていないことも多々ある。その度にフェリーに乗って街へ行くなんてことはできないので、Amazonや楽天などの通販を活用することになるのだが、それも離島なのでプライム設定にしていても翌日には届かない。早くても翌々日がいいところなので、欲しいものをすぐに手に入れることは難しい。

③ 島内での娯楽は少ない
街なら、休日に近所のカフェや雑貨屋に行ったり、カラオケをしたり、大した予定がなくてもウィンドウショッピングをして楽しい休日を過ごすことができる(何かをやったという充実感を得た気になれる)。
しかし、島にはそういった外で遊ぶ娯楽がない。海水浴や釣り、広場や体育館でのスポーツやドライブならできるけれど、街に比べれば圧倒的に娯楽が少ないので、自分が満足できる趣味を持っていた方がいい。そして、自然と共存する心でいること。

④ コンビニやチェーン店は無い 
⑤ 閉店時間は早め
コンビニやチェーン店が無いということは、自炊が当たり前になるということ。毎日、島で外食するというのは金銭面で現実的ではない。また、島のスーパーや商店は大抵が18時に閉まるため、夜にサランラップが切れたり、小麦粉が足りなくなっても買いに行くことはできない。

⑥ 噂話は尾びれがつくし、拡散率高め
島という狭いコミュニティにいると、有る事無い事、噂話は物凄いスピードで拡散されていく。そして、内容も誇張されていたりする。大抵の人が顔見知り、お知り合いという世界において、よそ者は最初の頃は観察されていると思った方がいいかもしれない。

⑦ 仕事(職種)が少ない
島の主な産業は柑橘栽培で、男性の多くが農家である印象を受ける。移住して農業を始める方も多いが、そうでない場合、小さな島で仕事を見つけるのは選んでいると難しい。
スーパーか病院か老人ホーム、給食センターなどのアルバイトは人手不足から常に募集しているが、正社員でとなると本当に少ない。男性なら、造船所や土木作業や水道屋もあるけれど、事務員とか室内でパソコンを触る仕事は少なそうだ。



⑧ 島を出たら1日がかりの予定になることが大半

フェリーの時間で往復2時間、そこから電車の時間もかかるとなると移動時間は長い。フェリーの便も多くないので、街で買い物や用事をするにもフェリーの時刻を多少は気にして動かなければならない。用事が早く済んだ場合も、フェリーの時間までどうやって時間を潰そうかと悩むことになる。
移住したての頃は、時間が余ればあちこち行ってみたりもしたけれど、慣れてくると決まった場所にしか行かなくなる。

⑨もしもの時は本土より時間がかかる
「もしも」を気にして生きていくのはナンセンスだ。だが、万が一の場合、本当に緊急の、生死を彷徨う出来事に直面した時、離島は不利だ。どうし)も移動時間がかかってしまうから、本土にいるより処置が遅れるだろう。
緊急時、島は救急艇を出すかドクターヘリが来ることになっている。到着する頃には、港に救急車が停まっているらしい。
今の2人暮らしなら「もしも」を気にすることは無いが、小さな子供を抱えた時は、多少なりともこの問題が付きまとうのかもしれない。子供は予測不能な生き物だから。



これらのデメリットを踏まえた上で、島暮らしに向いている人の素質として言えるのは、「自分の内側と向き合って楽しめる人」であり、「不便さを理解して、それでも島が好きだと思える人」だと、3年住んだ私は思う。後は「少しの人懐っこさ」があれば、島民の人は割と歓迎してくれる。島や田舎あるあるで、都会にはない地域の目がある。それを有難いと思えたら、島暮らしはうまくいく。

自分の内側と向き合うと、自分が本当にやりたいことや好きなこと(趣味)が沸いてくる。この趣味がないと島暮らしは、慣れてきた頃には、ただただ退屈な時間が流れていくことになりかねない。
休日に海を散歩したり、釣りやドライブをするのもいいし、映画鑑賞や読書、楽器や料理や自分の楽しめる何かがあれば、島で贅沢で豊かな時間を過ごせるだろう。

そして、上記に書いたデメリットや不便さを受け入れて、無いなら無いで楽しんで生活できる心構えがあれば強い。どんなにマクドナルドが食べたくなっても、パチンコやゲームセンターに行きたくなっても、島にはないのだから。
逆に、島でしかできないこと、島にいるからやりやすいことに目を向けて過ごせば、新たな発見があるかもしれない。狩猟とかイノシシを捌いたり、農家さんのお手伝いとか、島の長い夜長を活かして新しいことに挑戦してみるとか。


あくまでも、島に住んで3年の私(25歳女子)の個人的見解であり、全ての島において言えることではないと思うし、人それぞれ感じ方も考え方も違うから、全ての人には当てはまらない気もするので、この記事を付録として使ってもらって、本編は、自らで行動することをオススメする。住みたい島に実際に行って、肌で感じて、実情を知ることはとても大切だ。どんな人たちが住んでいて(移住者がいたら、リアルな話を聞いてみるのがいい)、ライフラインはどうか、住む家はどんなかなど、自分の想像と照らし合わせる作業を踏むのと踏まないのでは、大きく違ってくる。 



こんなご時世だからこそ、島にもっとスポットライトが当たればいい。
島移住に興味を持つ若い人が増えて、移住して以前よりも自由で気楽で、息のしやすい生活ができたらいいし、島も人が増えれば活性化になる。過疎化の進む離島で、若い人は求められているし、住むだけで喜ばれる存在である気がするから。

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