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田舎は車がないと不便というけれど、島も大概そうである

移住したばかりの頃、お金も知り合いもそんなになく、島の反対側に住んでいたが、主な交通手段は自転車だった(雨が降ったときだけ、仕事にはバスを使わせてもらっていた)。

そもそも埼玉で原付に乗ったことはなく、いずれは島で車に乗って、ペーパードライバーを克服したいと思いつつ、今の自分の選択肢は自転車しかないと思っていた3年前。
1周が約20kmの小さな島ではあるが、自転車で約10km弱を往復した1ヶ月は、移住ハイではあったものの楽ではなかったと思うし、今やれと言われたら出来ない。
私は気に入った曲をエンドレスで聴くタイプなので、あの約1ケ月の往復で聴いていた曲は、今聴いても感慨深く、あの頃の情景が思い浮かんでくる。
あの頃、毎朝8時過ぎに自転車で島を半周している人は学生を除いて、おそらく私だけだったと思う。


そして1ケ月後、若いというだけで目立つ超高齢化社会の島で、そんな私を見かねた島民のおじさんが原付を見つけてくれて(タダ!)、おじさんとその同級生の方まで練習に付き合ってくれた。 

やってきた原付は、かなり年季が入っていたがちゃんと乗れるし、燃費もいい。アクセルは思い切り回してはいけなくて、エンジンがかかりにくい時は足で蹴とばしてエンジンを吹かすこと(当時住んでいた地区のお隣の家の旦那さんがとてもいい方で、エンジンがかからなかったら呼びなさいと言ってくれていた)や、雨の日のマンホールには要注意なこと。
海の側の人も車もほとんど通らない長く直線が続く道で、夕日を浴びながら、びくびくしながら練習したこと。その割に転ぶ想定なんてせずに、Tシャツで練習したこと。後ろを走ってあげるから、家まで乗って帰りなさいと言われ、教習所気分で島を半周走って帰ったこと。その時のシチュエーションと空の色までまだ覚えている。

自分が原付に乗るなんて、思いもしていなかった人生だけれど、原付の登場により私の島暮らしは確実に豊かになった。休みの日にふとツーリングもしたし、島のどこへでも自分で行けるようになった。
移住して2年目であった去年、彼と暮らし始めたこともあり、私は念願だったマイカーを島の車屋さんで格安で購入したため、原付は彼の通勤手段に変わった。あれから引越もして、職場まで自転車で30秒の好立地にも住んでいるため、原付に乗る必要は無くなってしまった。車のほうは4駆で燃費が微妙なのだが、愛着を持って島内を乗り回している。


長々と私の来島後の乗り物遍歴を書き連ねてしまったが、何が言いたかったかと言うと、
島暮らしも田舎暮らしと同じで車はあったほうがいい 
ということ。

バスだと自由が効かないし、徒歩や自転車もいくら島内が約20kmでも限界がある。
せっかく海を見ながらドライブできる環境でいて(毎回、同じルートを幾度となく回る島ドライブだが、不思議と飽きることがない)、交通量も少ないし、島の大回りならゴーカートより簡単な道のりであるのだから、島を楽しむ交通手段を是非!

休日に海に行ったり、夜釣りに出かけたり、たまには山の麓まで冒険したり、小さな島で行動範囲を広げられたら楽しみも広がっていく。

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