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日曜日の朝活と交流。

「庭の紫陽花が綺麗だから摘みにおいで」と、お肉屋さんのおばあちゃんからお誘いを受けた。電話のあとのショートメッセージには「10時に来てください」と入っていて、「早いなぁ。もう少し寝ていたいなぁ」と思ったのも事実だったけれど、久しぶりに実家のおばあちゃん家に行くような感覚でワクワクしていた。
お肉屋さんのおばあちゃんは70歳前後だけれど、原付で仕事場まで来るし、朝から夕方まで立ち働く姿を見ているととても元気だ。休憩が被るとお弁当を分けてくれたり、私の分までみかんやお菓子を用意してくれていたりと、とても優しくて穏やかで話しやすい。私が子供のままで話せる相手でもある。

おばあちゃんの家は山の上にあるので、急で細い農道を通って行かなければならない。私の車の運転技術では恐ろしい道なので、久しぶりにヘルメットを被って原付で向かう。島に来た当初は原付に乗ったこともなかったけれど、移住当初は、島の首都の反対側に住んでいたこともあって、おじさん達に原付を見つけてもらい(タダで譲ってもらった!)、練習にまで付き合ってもらい、何とか交通の便を得たりした。オンボロだけれど燃費はいいし、まだ一度も転んでいない。島では困りごとは誰かに言ったら、周りに周って誰かが解決してくれる。冬にエンジンをかけるのに手間取っていたら、隣の家のご主人がかからなかったら家まで呼びに来なさいと言ってくれたりする。(エンジンでは呼ばなかったが、テレビの設定が分からなくて来てもらった。優しい)

おばあちゃんの家には1度お知り合いの方とスモモを摘みに軽トラで行ったことはあったが、どこだったっけなぁと思いながらバイクを走らせていた。ここでも救世主に出会う。
カイくんは山の麓に住んでいる7歳の男の子で、お母さんとはバレーで一緒で、スーパーでもよく会うので友達みたいな存在になった。私のこともちゃん付けで呼び、小さな彼氏みたいでもある。
「〇〇さんの家分かる?」と聞いたら、自転車をものすごい勢いで漕いで連れて行ってくれた。すごい急な坂道なのに、ビビりながら原付に乗る私よりも速いスピードで駆け上がるカイくんは、小さなエネルギーの塊だった。

みかん畑と海と高い空。おばあちゃんは庭仕事をしながら待っていてくれて、紫陽花をたくさん分けてくれた。紫陽花のメインイベントも早々に、近くに住むおばあちゃんのお友達もやってきて、キャリーケースをひっくり返して椅子にして3人でパルムを食べながらお喋りをした。この時間がずっと続けばいいなぁと、半分くらい本気で思えるくらいに緩やかで穏やかでのんびりとした時間だった。

充実した午前中を過ごして山の麓に降りると、ひとりで遊ぶカイくんがいたので、道案内してくれたお礼に目の前の海で遊んだ。わりと危なそうな岩場まで行って、海に大きな石(岩?)を落とす遊びをした。水飛沫を沢山あげられた方が勝ちなやつ。その辺の岩には亀の手?がたくさんあって、これは食べられるんだよとくれた。何でもない日々が何でもあるような気がした。

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