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ベトナム起業日記:#54. ベトナム語会話の先生が見つかった

某月某日

ベトナム語の学習を独習で続けて、4ヶ月が経った。毎日寝る前に15分ほど持っているベトナム語学習の本をただただ読みながら前に進めているが、まったく実力が上がっている気がしない。
端的に言うと喋れる気がしないのであった。
単語も本気で覚えているわけではないので、見れば、「あぁ、たしか、これはこういう意味だったな」くらいである。

ここはやはり先生を見つけてレッスンを受ける必要があるだろうと思った。

今までもベトナム語の先生を探してみようとハノイででっかい会社を経営するベトナム人の友人Tさんに聞いてみたり、ヘクターに聞いてみたりしたがこれと言った人は見つかっていない。

一番の問題は、ハノイとホーチミンで発音がかなり違うみたいなのだが、ベトナム語の先生はハノイの人が多いということだった。

ベトナムの首都はハノイなので、ハノイの発音がベトナム語の標準発音ということであろう。また、僕の感覚ではハノイのほうが日本語を勉強していて話せる人が多い。
日本人に標準ベトナム語を教えられる人はハノイの人となるのは当たり前のことなのかもしれない。

僕の場合はホーチミンに会社を作ったので、出張するのもホーチミン、話す人も南部の人がほとんどなので、ホーチミン発音を身につけるほうが圧倒的に実用的である。

もう一つ先生を選ぶことを尻込みさせる出来事があった。
ある日本人の女性がホーチミンにある日系のソフトウェア開発会社に就活して移住を考えていた頃に、なにか僕にできるアドバイスがあればということで共通の友人に紹介してもらったことがある。
めでたくホーチミンに仕事先が見つかり、移住してしばらく経った頃、その方と1区にあるレストランでランチをした。
その時にベトナム語を勉強しているか聞いてみたところ、3ヶ月前からレッスンを受けているということだった。
おぉ、どんな先生??、と興味津津で聞いてみるとYoutube動画も出している人気の人らしく、ハノイの人だという。
ベトナム語の発音が難しく、3ヶ月経ってもまだ基礎的な発音練習をやっていて、そこから前に進ませてもらえないということだった。

なんと、、3ヶ月も発音だけなんて耐えられない。。

僕は中学生で英語を習い始めたときから大学生になるくらいまで発音には全くむとんちゃくであったが、今ではそこそこまともな発音でネイティブ話者からも自分が発した言葉を聞き返されることはない。かなり話せるようになってからThなどの発音に気をつけるようになったので、発音は”後からついてくるもの”、もしくは”後から勉強すればよい”と考えている派であった。

前職で毎月北京に出張していた時に独習した中国語でも四声という中国語の4種類のアクセント(抑揚の付け方)をかなり無視した状態で無理やり話しているうちに少しづつ矯正していった(あるいは現地の人に矯正されていった)ので、この方法が自分に合っていると勝手に思っているのである。

ある程度のフレーズを聞いたり、話してみたりする前に、母音の発音や声調を完璧にするなどというのは、なかなか難しいと思っているので、発音に固執するよりもある程度のフレーズを話せるところまで教えてもらえたほうがいいな、、と思ったのである。

このようなこともあってベトナム語の先生探しは一旦頓挫していたのだが、独学でやっていてもなかなか進んでいる実感がわかない。

考えた挙げ句思いついたのが、社員に教えてもらおう、ということだった。
社員は全員南部か中部の出身で大学生の頃からホーチミンに住んでいるのでホーチミン発音なことは間違いない。
また、語学の先生ではないので教え方にこだわりもないだろう。
こちらの学びたいようなやり方をお願いすればその順番で教えてもらうことも可能だ。
そもそも僕のベトナム語がまだ中学1年生の1学期の英語レベルなので、そのレベルでは複雑な文法など教え方が難しいものもない。

そう思って、誰に教えてもらおうか考えた。
今までベトナムのオフィスに出張しているときに、ベトナム語の発音を何度か社員に聞いてもらったことがある。

人間には、自分の母語を学習しているものに興味を抱く人間、教えてやろうかなという姿勢を示す人間が少なからずいる。

国にもよるのだが、今まで僕が言語を学習した国でいうと、
中国はかなりの割合でこういう人がいて、ほとんど誰でも即座に先生になってくれる。
スウェーデンはほぼいない。ある意味スウェーデン人の優しさなのか、少しだけ教えてはくれるが、「まさかこの人が本気でスウェーデン語を勉強しているわけがない」と思ってしまうのかすぐに英語に切り替えて、話を進めることを優先してしまう。

インドネシア語も興味を持ってくれる率は非常に高く、かつインドネシア語を話すとめちゃくちゃ優しく接してくれるようになるのだが、教える、という姿勢はあまりなかった気がする。

ベトナムのオフィスでも、僕のベトナム語の発音に対して、示す反応は人によって違っていた。
そのなかでも2人、いつも僕のベトナム語を聞いて頷いたり、言い直してくれる人がいたので、この2人のうち、最年長のケイに頼んでみようと思った。

ある日、Slackでケイに概要を送った
やってくれるかな、断られるかな、とどきどきして待っていると、一日後に来た返信は予想外のものだった。

「私の息子が教えるのはどうだろう?」

む、息子??、

その後、
彼は私よりも英語ができるし、日本語も勉強しているので、私よりうまくベトナム語を教えられると思う。
と書いてあった。

ケイの息子くんは、先日のHくんの結婚式で僕の隣に座っていたので覚えている。まだ中学生ぐらいだったような。。
確か日本語のスクールに通っていると言っていたが英語もできるのか。見るからに頭が良さそうな子だったが、教えられるのかな。。
かなり不安だったが、まぁ、試してみてだめだったらやめればいいしと思ってお願いすることにした。

ということでホーチミンに会社を設立して一年後、僕はベトナム人の中学生とベトナム語のレッスンを開始することになった。

続く。


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