3倍になるオフィスで挑む、場づくりの実験
今のオフィス
今のオフィスに移ったのは18年前になる。
大阪の南堀江というエリアなのだが、
一般的にイメージされるおしゃれな南堀江の中心から少し外れていて
元々木材会社の倉庫や工場が多いエリア。
うちのオフィスも元々木材倉庫として使われていて
路面でかつ天井高も4mほどある少し変わった事務所である。
18年間、会社の良い時期も悪い時期もともに経験している。
120㎡あるので比較的広いが、一番少ない時は4名ほどしかいないという
なんとも寂しい時期もあった。
が、ここ4年ほどでずいぶん人は増え、少し窮屈になってきた。
そんな中、今のオフィスのトナリ2軒が立て続けに空き、
こんなチャンスはないと思い立ち、全部借りることにした。
拡張の目的
KURUは、4年ほど前から設計をしない企画メンバーを採用し始めた。
場の構想段階から実現までクライアントに伴走するためだ。
時に土地を探すところから動くこともあれば、
事業収支を検証したり、コンセプトを共に作ったり、
実験的な活用イベントを行ったり。
そのアウトプットは様々だが、
場が出来上がるまでの設計以外の部分を企画が何でも請け負う。
試行錯誤しながらもご紹介やこちらからのご提案でお仕事をいただき、
企業の新規事業を共に立ち上げるケースも何件か出てきた。
一方そんな中、
企画のお仕事をいただき、伴走して計画するも
実際社内で最終承認を得られないなどの理由で実現まではいかないケースも多くある。
先方の都合でどうすることもできない部分もあるが、
一方で、我々が場を運営した経験値が低く、説得力に欠けることも理由としてあるのではないかと感じていた。それは歯痒く、悔しいことであった。
こういった関わり方をすること自体に手応えはあるのだが、
それがなかなか広がっていかない。
少し前に、企画メンバー全員でこの状況において何をやるべきかを真剣に話し合った。
色々アイデアは出たのだが、
その答えが、
「小さくても良いから自分たちの場所を持とう。
自分たちのアイデアで、自分たちのデザインで、自分たちのリスクで場を作り、自分たちで運営しよう。」
ということだった。
そしてそれを自分たちがいるまちでやろう。
自分たちがオフィスを構えていて、このまちにあったらいいなを自分たち自身で実現する。
幸い少し中心地から離れたこのエリアは、木材倉庫や工場などが住宅に変わり、徐々に変化している。
そんな中で設計事務所がまちに開き、まちを変えていくきっかけを作ろう。
ここを「西堀江」と勝手に呼び、面白いエリアにしていこう。
今いただいている設計の案件は徐々に大きくなっているし、
メンバーも増えていることを考えれば、小さなお店を作ること自体、
会社としてビジネス的なインパクトは低いし、稼ぐということに対して効率もよくない。
初期投資も少なからずかかる。
でも自分たちがクライアントだとしてどのように意思決定していくべきかという感覚や
何より自分たちが作った場所に来ていただいてお金を払っていただくことの嬉しさや難しさをこれから身につけていくことによって僕たちはもっと強くなる。
新しい場所の名前は「KURUTO」
新しい場所は今のところ
「シェアオフィス」、「セレクトショップ」、「ギャラリー」
という構成で運営する予定だ。
なぜKURUTOかというと
KURU「と」(andの意味)
シェアオフィスは建築やインテリア関係の人たちのためのシェアオフィスにし、一緒にリソースを共有しあい共に成長できるように。
セレクトショップは一緒に仕事したり、したい人が作るこだわりのもの(アートでも家具でもお酒でも)を我々が責任を持って伝え、販売しよう。
ギャラリーはアートを展示しても良いし、共催できるイベントをするなど、色んな人に来てもらえるきっかけに。
KURU「と」仕事がしてみたい。KURU「と」なら何かできそう。
そしてKURUの「ト」ナリに「来ると」なんか面白い。
と言ってもらえるようなきっかけができる場所になったらと思っている。
もちろん場所を持つ以上、稼ぎも重要だが、
人が集まることで短期的な売り上げだけでない事業インパクトが出るかの壮大な実験装置でもある。
つまり賃料で稼ぐだけでなく、これが採用媒体にもなるし、営業機能にもなるし、チームビルディングにも寄与するかどうかだ。
場は、そうした可能性を秘めているし、それを証明したい。
今まさに毎週のように社内ミーティングで絶賛作っていっているところだが、なかなか決まらない。笑
1年後には違う場所になってるかもしれない。
でも大いに実験し、たとえ失敗したとしてもその学びが糧となり、
またチャレンジしたら良いのだ。
オープンまでお楽しみに。
シェアオフィスの概要はこちら。
https://kuru.co.jp/journal/7751/
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