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細菌多様性① 地球上の生物量

国連で生物多様性条約が採択されて30年余り,もはや生物多様性という言葉は一般的に使われています.
2015年に採択された17項目の持続可能な開発目標(SDGs)の「14: 海の豊かさを守ろう」,「15: 陸の豊かさも守ろう」は生物多様性の危機を明確に言及しており,さらに「2: 飢餓をゼロに」「6: 安全な水とトイレを世界中に」「13: 気候変動に具体的な対策を」についても生態系との大きな関りがあります.

一般に「生物多様性」と聞いた時,動物や植物が想起されることが多く,
地球上で最も多様な 細菌 については忘れられがちである,と著者は感じています.

そこで今回は細菌の多様性についてご紹介していきたいと思います.

典型的には湖水や海水1 mLあたりには100万個の細菌がいるとされており,土壌や堆積物1 g中にはその千倍の10億個体の細菌がいるとされています.

地球上の生物量(バイオマス)を試算した論文をみると,地球上の全生物量は550 Gt C(ギガトン カーボン)であり,炭素量(乾燥重量の半分)で換算した場合,全生物のうち,植物は82%,細菌は13%,動物は0.4%を占めています.
つまり重量でみても,地球上には動物の25倍量以上の細菌がいるということです.

(Bar-On et al. 2018. “The biomass distribution on Earth” PNAS. Fig 1を改変.)


(細菌多様性②に続く)


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