プランナーとして大中小のゲーム会社で働いた感想


今の会社に就職するまで転職を何度か行いました。
1社目は30人規模のデベロッパー、
2社目は200人規模のデベロッパー
3社名は今の会社で4000人規模のパブリッシャーです。

本日は転職し、
実際に大中小の会社で働いた感想を記事にさせていただきました
就職先で悩む学生や
キャリアップを目指して転職を行いたいと考えるプランナーの参考になれば幸いです

■タイトルの比較
これは大中小という会社規模ではなく、
どんなタイトルを中心に開発しているかで好みが分かれると思います。
特にプランナー業はゲーム開発のコアになるので、
ディベロッパータイトルだとしても、
プロジェクトの開発全てを会社に任せるケースで関われることが多いです。
(プログラムやデザインだと特定のコンテンツの開発のみを担当するケースもある)

例えばRPGを作りたいならば、
大中小、パブリッシャーやディベロッパー問わず、
RPGを作っている会社に入ることで、そのタイトルに関われる可能性が高いです。

僕の転職は全て転職エージェントを通して行ったのですが、
2社目の会社はRPGを作れる人募集とあったので、入社し、
3社目の現在の会社は〇〇というタイトルのチームを募集とあったので、応募した経緯がございます☺

■業務内容の比較
作っているタイトルのプランナーの人数が少なければオールラウンダー、
人数が多ければスペシャリストが求められます。
会社の規模が大きいほど大型タイトルを作るので、
少ない人数のベンチャー企業はオールラウンダー、
人数が多い大手パブリッシャーはスペシャリスト、
とエージェントに紹介される事が多いですね。

では、オールラウンダーとスペシャリストの仕事の違いを紹介致します

・前提としてプランナーのお仕事振り返り

(1)企画
(2)社内でのプレゼン
(3)システムを考えて仕様書作成
(4)デザイナー、プログラマーと連携し、ゲームを作る
(5)テストプレイ、デバッグ
(6)改善点の分析・運用

というのがゲームプランナーの大まかな業務です。
詳しい説明は下記のnoteリンクに記述してありますので、
よければ見てみて下さい。

ゲームの規模が大きくなるほど、
(3)(4)(5)の段階でプランナーの数が必用になります。

RPGであれば、バトル担当、ショップ担当、ボス担当、イベント担当などで、
各要素の規模が大きいので、担当ごとにプランナーを割り振り、ゲームを考えていきます。
だからこそバトルに特化したプランナーといった具合に、
1つの要素を作り込むスペシャリストが求められます。

逆にテトリスなどのパズルゲームでは、
各要素の規模はそこまで多くないので1人のプランナーが複数の要素を担当することになるので、
複数の要素を全て作ることが出来るオールラウンダーが必用になります。

・オールラウンダーのお仕事
早い話が1人でゲーム全てのコンテンツを考えるとオールラウンダーです。
ゲームシステム、UI、テキスト、など、
1つ1つの仕事量は多くありませんが、様々な要素をマルチに考える必用があります。

オールラウンダーに求められるのは、
苦手な部分を消す、もしくは克服できる手段を持つことです。
例えば僕であればデザインが得意ではないので
ゲーム画面の構成を考えたり、ゲームの遷移を考えることが苦手です。
なのでオールラウンダーで仕事をした際は
インターフェース部分の研究を沢山行いましたし、
デザイナーとホワイトボードを使って1日中ミーティングをし、
画面遷移のイメージを一緒に固める時間を取ったりしました。

現在僕はスペシャリスト側で仕事をしておりますが、
この経験があるからこそ、全体の構成を考えながら
自分の担当箇所の構成を行うことができており、
各担当の要素を組み合わせた際もゲームフローがうまく回ることが多いです。

PS:
更に、更に…
とあるプロジェクトではデザイナーやプログラマーが急病で倒れたことあり、
プランナーである僕がドット絵を書いたり、プログラムを行った経験もあります笑
この経験も今の業務に生きているので、
何事も経験だな~とも思っています☺

・スペシャリストのお仕事
ディレクターやプランナーのリーダーが
全体のタスクからバトル担当、シナリオ担当といった具合に仕事を振り分け、
その要素を中心に考えるのがスペシャリストです。

作る要素に特化して研究するため、
凄まじく知識量も多いですし、そこからくるアイディアは神がかっています。
こういう才能のかけ算でゲームってできてるんだな~と思いますね☺
先輩でバトルに特化した人がいますが、
彼の考える殺陣のかっこよさは一生かなわらいだろうと思います!

特定のジャンルでスペシャリストとしての地位を確立したら
次のプロジェクトでも同じジャンルで仕事を振られることが多いです
逆に上手く行かなかったり、新人でどれも未経験だった場合
一旦いろいろな業務を任されて、
その人の好みや適性で特定のジャンルを任させることが多いです。

今の僕の業務はスペシャリスト側で、
ゲームの要素ではなく、
ゲーム開発を効率的にすすめるためのサポート業務をメインにやっております。
具体的には新人教育やゲームを効率よく量産するための自動生成AIの開発などですね。
これは過去プログラム業務を行っていてロジカルな考え方が得意なこと、
「面白い物を作れる人のサポートをしたい」という
僕がクリエイターをやる理由に直結しているので、毎日楽しく仕事ができています☺

■給料の比較
給料に関しては、ポジションによりけりです。
プランナーよりもプランナーリーダーの方が高いですし、
リーダーよりもディレクターのほうが高くなります。
会社によって給料の決定システムが違いますので
会社の規模感ではなく、
自分のスキルを買ってくれる企業に入社することで給料を高めることが出来ると思います。

PS:
会社を選ぶ際に個人的に絶対避けたほうが基準が2つあり、
「裁量労働制」と「みなし残業制度」です。

・裁量労働制
これは定時などはなく
成果さえ出せば個人で労働時間をコントロールしてもいいよ☺
という一見最高の制度ですが、
逆に言えばいくらでも残業させ放題という仕組みになります。
ゲーム会社はこの制度を取る会社が多かったのですが、
近年の働き方改革でこの問題が指摘され、
定時労働やフレックタイム制度に変更した会社が多いです。
なので、今なおこの制度を使っている会社は黄色信号だと思いますので、
面接などでなぜこの制度を使っているか聞いてから入社することをおすすめします

・みなし残業制度
これは毎月10時間ほど残業したことにして、
その残業代を固定給として給料に加算させるシステムです。
よって残業がない月はお得なのですが、
逆に言えば、毎月どれだけ残業しても10時間分しか残業代が加算されません。

裁量労働制とみなし残業制度のかけ算の結果、
むちゃくちゃな労働時間でも給料は変わらないというケースもございますので
会社の制度には十分お気をつけ下さい。
ちなみに僕はこのダブルパンチで、
月給を時給換算すると100円ちょっとだった時期もあります笑

■研修制度の比較
会社の規模で明確に差が出るのは
研修制度と福利厚生だと思います。

ベンチャー系は体系立てられた研修が少なく、
現場での作業で仕事論を学ぶことが多いです。

逆に大手では研修制度がしっかりしているので、
ビジネスマナーやリーダー研修など、
外部の研修会社を活用したキャリアアップカリキュラムが組まれている会社が多いです。
英語の勉強や資格取得などで補助を出す会社もありますね。

■福利厚生の比較
大手の場合、大人数の社員に平等な恩恵を与えるため
広く浅く使えるタイプの福利厚生を行っている会社が多いです。
旅行やジムに行くときも割引される事も多く、
しっかり使いこなせば年間の支出が結構抑えられます。

ベンチャー企業では
大手のような広く浅くという福利厚生ではなく
その会社の社員が確実に恩恵を受けるユニークな福利厚生を採用している事が多いです。
知り合いの会社では記念日休暇があり、
自分の誕生日や結婚記念日は特別な休暇がもらえる制度があるそうです。
僕が昔いた会社は北海道だったこともあり、
暖房ボーナスという形で毎年冬に10万円の特別ボーナスがありました☺

■出世の比較
大きなタイトルだと比較的安定した人材を上に入れるので、
10年以上同じ会社でキャリアを積んだ人などが、
ディレクターやリーダーになるケースが多いです。

逆に小規模なタイトルでは、
チャレンジし、万が一失敗してもなんとかなるケースが多いので、
入社2年目からディレクター業務を任せてもらうこともあります。

なので、大手はじっくりキャリアを積んでステップアップ、
ベンチャーでは能力次第ですぐにキャリアアップというのが一般的です。

ただ、小さなタイトルも手掛けている大手会社であれば十分早期出世は可能です。
大手RPG会社でモバイルゲームのプロデューサーをやっている友人は
26歳ぐらいでこの業務を任されておりますので、
出世は会社の規模ではなく、
作っているタイトルや会社の文化で決まるものだと考えております。

■まとめ
以上が大中小を経験した僕の感想です。

僕の場合は小→中→大という形でキャリアアップしていきました。
現場でがむしゃらに働きいて能力をつけるために小規模の会社。
その能力で大手にアピールしようと目論んだのですが、
能力だけではなく、大規模なゲーム開発経験を積んだほうが大手に入りやすいと
転職エージェントにアドバイスを受けたので中規模の会社でスペシャリストとして仕事をする。
その業務実績をもって現在大手に転職し、好き勝手に仕事しています笑
大手を目指したのは、より多くのクリエイターと関わり、仕事のサポートをしたかったからです。
専門学生だったこともあり、大手いはことごとく採用されなかったのでこのようなキャリアのステップアップを踏ませていただきました笑

逆に友人の場合は大→小という形を取っています。
大手で仕事をし、その最中に大手の看板で人脈を作って、
結果、スカウトされる形でベンチャーに転職しています。
もちろんスカウトなので待遇もよく、
給料も上がり、ディレクター職として現在思う存分自分の作りたいゲームを作っています。

キャリアアップは人それぞれだと思います。
1つの会社で長く働き、人望をもってディレクターになる人もいますし、
転職を繰り返して自分の売り込み方を学び、フリーランスになる人もいます。

結局の所どんなゲームを作りたいか?どんな仕事をしたいかだと思いますので、
その上で周りの声や名誉などに流されず、
自分の信じた道をつきすすんむことができれば、
クリエイター人生として最高の形になるのではないかと思っています☺

サポートは不要です! あなたの学びにご活用下さい☺ いずれ一緒にゲームを作りましょう♬