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ハリーポッターのゲーム化を例にゲームの内容設計を考える

企画書と仕様書に盛り込むゲーム自体の内容。
本日はこの内容をどのように考えるのかを
認知度が高く、あまりゲーム化されていない
「ハリー・ポッター」を例に記事にさせていただきました☺

■最初に考えるのは何?
まず考えるのはゲームジャンルとシステム!



ではなく、どんなゲーム体験をユーザーに楽しんでもらうか?
だと考えております。

例えばですが、
・ハリー・ポッター七部作を体験できるゲーム
・クィディッチで全国のユーザーと戦うゲーム
・この世界にひっそりとけこんだ魔法生物を探すゲーム

ハリー・ポッターのゲームを考えた時、
ぱっと思い浮かぶだけでもこのようなゲームが考えられます。
仮にこの内容にジャンルを当て込むと

・ハリー・ポッター七部作を体験できるゲーム
▶アクションゲーム
・クィディッチで全国のユーザーと戦うゲーム
▶スポーツゲームorアーケードゲーム
・この世界にひっそり暮らす魔法生物を探すゲーム
▶ARを使った位置探索ゲーム

といった具合ですね。
ジャンルは方向性が決まったら自ずと定まります。
逆に言えばジャンルを決めてしまうと、
余計な制限が出て思考の幅が狭まってしまいます。

ハリー・ポッターのアクションゲーム!
と考えた後、ARの位置探索体験は思い浮かばないですよね?

まずはユーザーに与えたい体験。
こちらを考えてみるのが良いと思います。

■どんな体験をさせたいのか考える
今回は「ハリー・ポッター七部作を体験できるゲーム」をコンセプトにさせていただきます。

ではこの7部作ってどんな体験を行えば
ユーザーが楽しめるでしょうか?

ハリー・ポッター七部作を体験
▶アクションあるよね
▶成長もあるよね
▶クディッチも大事だよね
▶シナリオも濃厚じゃない?
▶クイズだって必要
▶仲間との絆も大事じゃない?
▶自由時間学校や街を歩き回りたい
▶クエストだって必要かも!

いくらでも出てきますね笑
そして各要素において映画の場面が比較的想像できませんか?

・アクションあるよね

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▶クディッチも大事だよね

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といった具合ですね!
こうして1つ1つイメージできるぐらい
どんな体験をさせたいかを具体化していくことが大事です。

■体験を仕組み化
ではもう少し具体化してい行きます。
そもそもこのゲームの主人公は誰なんでしょう?

・ハリー・ポッター?
・ハリーの友人としてあなたのアバターを参加させる?

ドラゴンボールのゲームだと
この2パターン両方がございます。
今回はどちらが適切でしょうか?

今回のコンセプトは
「ハリー・ポッター七部作を体験できるゲーム」です。
なのでハリーを主人公し、プレイヤーが彼を操作することで彼に対する没入感を与え、
彼のハラハラ・ドキドキがプレイヤーに伝わり、
時にはスネイプやマルフォイに対してにイライラさせながらゲームを遊べる。
そんなコンテンツが良いと思います!

軸が決まったので、
次は体験の仕組み化です。

「人間界しか知らない少年が
汽車に乗りホグワーツという摩訶不思議な学校に入る…」

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このワクワク感、どう仕組み化するのが良いでしょうか?
学校中を歩きまわり、時間割に気にしつつ、
仲間と絆を深めるような遊びが必要になりますね。
ということは…
▶アクション要素
▶時間管理
▶仲間とのイベント
が必要になると思います。

「ハリーポッターといえば当然魔法!
最初はほんの少しだけですが、
日々の練習と強大な敵との戦闘経験で沢山の魔法が使用可能に…」
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そんな体験をさせるのであればどんな仕組みが必用でしょうか?
▶ボスとのバトル
▶ステータスの成長要素
▶使えるアクション(魔法)の追加
が必要になると思います。

「ハリーといえばクディッチ!
箒を使ったチェイスなんかも作中では多く登場…」

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▶飛行アクション
▶チームの運営
▶仲間の育成
クディッチではチームを率いて戦うことも高学年ではありましたので、
仲間のスキルアップや育成などのシミュレーション要素も必要かもしれませんね☺

このように
ユーザーに与える体験を具体化し、
その仕組を考えていくことが次のステップです!

■体験のパッケージ化
この広げに広げまくった大風呂敷を
ジャンルという形でパッケージングすることが最後のステップです!

ここまでの説明でどんなジャンルが適切だと思いましたか?
おそらくアクションRPGと考える人が多いのでは無いでしょうか?

それもただのアクションRPGではなく、
ペルソナのように仲間との絆もあり、ミニゲームもあり、育成シミュレーション要素もある!
そんなゲームを考えたのではないでしょうか?

ジャンルはゲームの型なので
いきなりゲームにジャンルを当てはめると
システムをゲームに当てはめる作業になり、
体験のデザインではなくなりますので注意が必要です。

■まとめ
ステップ①
ユーザーにどんな体験を与えたいのかを決める

ステップ②
パーツパーツで良いので目に浮かぶぐらい
具体的に光景を思い浮かべる

ステップ③
具体的な体験を仕組みにしていく

ステップ④
ジャンルという形でパッケージングし、
各要素を繋げていく

というのが
体験からゲームを考えるということだと思います。

■おまけ
デザインミュージアムという番組にゲームクリエイターの水口哲也様が出演されておりました。

「ゲームデザインって実は体験をデザインするという職種なんですよ」

すごく共感できるメッセージです。
このメッセージをもう少しわかりやすく解説し、
クリエイターの助けになれれば良いと思い、本日の記事を執筆いたしました

昔はハードのスペックが低く、
RPGであればコマンド式で行動を選ぶコンテンツしか作ることができなかったこともあり、似たようなシステムのゲームが多かったと思います。

しかし、スマホ、PS4、Switchとスペックの進化と共に表現できる体験の幅が大きく広がりましたので、ジャンルという常識にとらわれずにゲームを作れる良い時代になりました☺

既存のコンテンツやジャンルという常識にとらわれず
どんなゲームを作りたいか?
どんな体験をデザインしたいのか?
この考えをベースにゲームを考えてみても良いと思います☺

■補足
ジャンルをベースにゲームを考えるケースももちろんございます。
スクエア・エニックスから出た
「OCTOPATH TRAVELER(オクトパス トラベラー)」
なんかは恐らくそうだと思います。

このゲームのコンセプトには
「自分たちが好きなようにロールプレイを楽しめるようなゲームにしよう」
とインタビューでございましたので、
最初からRPGの仕組みだったと思います。

もし明確に
RPGを作りたい!
アクションを作りたい!
とあった場合、
どんなRPG体験を作るのか?
という思考でゲームを組み立てるのも良いともいます☺

サポートは不要です! あなたの学びにご活用下さい☺ いずれ一緒にゲームを作りましょう♬