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ゲームの開発スケジュール


ゲームの開発期間は長いものだと10年以上かける事もありますので
開発期間の30%ぐらいでアルファ版、60%ぐらいでベータ版…
といった具合にどのタイミングでどのくらい完成しているか?
を明確にしてゲームを作る場合が多いです。

今回はそんなゲーム開発スケジュールをご紹介させていただきます

■ざっくりとした流れ
ゲーム開発の工程はざっくり7段階ぐらいに分けられます。

・企画立案(全行程の5%ぐらい)
ゲームの企画やコンセプトアートなどを考え、ゲームの開発をスタートさせます

・プロト版(全行程の20%ぐらい)
ビジュアルは仮でもいいので
企画したゲームの面白さや売りが最低限分かる物を作ります。

・アルファ版(全行程の40%ぐらい)
ビジュアルもしっかりし、ゲーム要素もある程度入っていて、
商品としてこのゲームが成り立つかどうかを判断できるものを作ります

・ベータ版(全行程の80%ぐらい)
全ての要素が入っており、ゲーム全体が遊べるものを作ります。
細かなデザインやゲームバランスは後回しでメインコンテンツをしっかり体験できる状態を作ります。

・ファイナル版(全行程の90%ぐらい)
ほぼ完成で、あとは不具合対応のみとなります。

・マスター版(全行程の100%)
不具合も無くなった完成状態です。

・発売後
発売後にでた不具合を直したり、ゲームの運営を行います。

ざっくりとした流れはこんな感じです。
次はそれぞれの段階のもう少し詳しくご紹介致します。

■その①企画立案
ゲームの内容、ビジュアル、セールスポイントなどを考え、
商品を作り出す計画を建てるフェーズとなります。
プロデューサー、ディレクター、アートディレクター、マーケティングなどがすり合わせを行い、
ゲームとして、商品として成り立つコンテンツを作り上げます。

この計画を社長やパブリッシャーの方などにプレゼンし、
OKが出れば予算がおりて開発が始まります

■その②プロト版
コンセプトに沿ったゲーム体験を最小単位で作り上げたものがプロト版です。

例「マリオブラザース」の場合
ジャンプ、移動、ダッシュという基本操作とステージ1つ、クリア時間によるスコア表示といった要素によるアクション体験

例「ドラクエ」の場合
フィールドを歩き、バトルを行って、レベルアップで成長し、より強い敵と戦える冒険体験

この体験が面白い!
となったらプロト版は完成です。
また、同時にステージやキャラクター案など
ビジュアル面での方向もこのタイミングで決まります。

チームは本当に最低限の人数で作ります。
人を増やして短い期間で終わらせるというよりも、
固定メンバーで何度もトライ&エラーを繰り返し、
面白くなるまで作り込む場合が多いです。

■その③アルファ版
プロト版のビジュアルを正規のものにし、ゲーム要素をいくつか加えて、
ゲームのコアに当たる部分が遊べる状態を作ります

例「マリオブラザース」の場合
プロト版:
ジャンプ、移動、ダッシュという基本操作とステージ1つ、クリア時間によるスコア表示といった要素によるアクション体験
アルファ版:
バリエーションの異なるステージ3つ追加、アイテムの追加

例「ドラクエ」の場合
プロト版:
フィールドを歩き、バトルを行って、レベルアップで成長し、より強い敵と戦える冒険体験
アルファ版:
仲間の追加、敵のバリエーション追加、街で買い物や休憩システム追加、メインストーリーの序盤を体験可能

ここで面白さに問題がなければ、
サブストーリーを作ったり、新しいステージを作ったりなど、
人を大量に投入して量産が始まります。

■その④ベータ版
一部デザイン係だったりバランス調整が甘かったりしますが、
ゲーム全体が遊べる状態がベータ版です。
このバージョンでゲームを一通り遊び、
コンテンツとして不足しているところのチェックや
もっと強化したほうが良い箇所の洗い出しを行います。

ゲーム発表やクローズドβテストを行ったりして
ユーザーの反応を見ながら調整することも多いです。

ここで面白さが足りなかったりすると作り直しが行われ
修羅場が発生します笑

■その⑤ファイナル版
ほぼ完成状態です。
残りは細かなバランス調整とブラッシュアップ、不具合対応のみとなります。

だいたいこのバージョンぐらいで
体験版やゲームショウなどでの試遊が出来る状態になります。
ただ、この時のユーザーの反応が思わしくなかった場合、
今できる範囲での改善が発生することもあり、
その改善が間に合わないようで合えば、発売日が延期という事もあります。

デバッグや海外用の翻訳対応が始まり、
よくパッケージに書かれているCERO:D(15歳未満禁止)といったレーティング審査も行われます。

■その⑥マスター版
不具合も無くなった完成状態です。
PS4などのコンシューマーの場合は工場でゲームの生産が始まり、
スマホであればアップルストアなどに置いても良いかの申請を行います。

このフェーズからユーザーが遊べるようになるまで少しかかりますので、
オンラインゲームであれば運営の準備を行ったり、
コンシューマーの場合は追加コンテンツの作成を開始したりします

広告もこの段階から作られますので、
動画や画像撮影の協力などの業務も発生します。
攻略本があるタイトルであればその内容監修などもありますね。

■その⑦発売後
ユーザーがゲームを遊べる状態です。
問い合わせなどのカスタマーサポートも始まりますし
オンラインゲームであれば運営が始まります。

■まとめ
会社によって定義は異なりますが
だいたいがこんな流れでゲームを作ります。

俗に言う修羅幅は
このタイミングの納期前に発生するので
忙しそうなイメージをもつこの業界ですが、
予想が立てられれば体力も温存できるので結構平気だったりしますね笑

個人で開発する際も
いきなりゴールを目指すのではなく、
ステップごとに振り返ったり友達に遊んでもらったりして
方向性を固めながら1歩ずつ進めていくことをおすすめします!

サポートは不要です! あなたの学びにご活用下さい☺ いずれ一緒にゲームを作りましょう♬