見出し画像

荷物の多い人(私)が、通勤鞄を小さくしてみた話

学生時代から、私の鞄はいつも重かった。

中身を詰めすぎて、中で持ち物が迷子。
重量に耐えきれず、持ち手を壊す。
大学のロゴが入ったクラッチバッグを買ったところで、荷物が入り切らない。そして鞄を複数個持ちにした結果、クラッチバッグだけ大学の教室に置き去りにしたことも1度ではない。結局お蔵入りにしたんだっけ。

クラッチバッグ。今の大学生は持っているんだろうか。なお、私の出身大学とは一切関係ありません。

そんな私は、通勤鞄選びに対していくつかの条件を常に課していた。
前職が営業だったというのも大きい。

  • 黒でないとダメ

  • A4版が入らないとダメ

  • 肩から掛けられる持ち手の長さがないとダメ

  • 底鋲がないとダメ

  • 丈夫なことは大前提   …等々。

これらは誰に言われたでもない。
一方で、そのような鞄は容易には見つからなかった。多少妥協はしつつも、私は半ば鞄難民と化していた。

その後転職し結婚し子どもが産まれ、私のライフスタイルは変わった。
しかし相変わらず私の鞄は大きくて重くて、中身をゴソゴソしては物を探す、そんな状況が続いていた。


ある日、私にしては珍しく仕事帰りにライブに行く予定があった。

※ちなみにこちらの来日公演です↓

ロッカーやクロークを探す時間的余裕はなさそうだ。
一方で、割り振られた座席もきっと限られたスペースしかない。
大きな荷物はライブ観戦時に邪魔かなと思い、私はやや小さめのリュック(A4版は入らない)で出勤し、そのまま会場に向かった。
このリュックは少し前にプライベート用に購入したものの、乳幼児子育て中の身分ゆえそのような時間はなかなか確保できず、出番がなかったものだった。

来日公演から1ヶ月以上が経過したが、私はその時のリュックで今でも通勤している。

気づいてしまったのだ。今の私には、これがちょうど良いと。


前職の営業担当時代。
転職してすぐ、ケースワーカーとしてケースカンファレンスや自宅訪問など、外出が日常的だった時期。
それらを経て、今は人生で初めての内勤事務。A4の書類を持ち歩く必要はなくなっていた。

更に言うと、徒歩で毎日息子を保育園に送迎する立場から言えば、両手は出来るだけ空けておきたい。
身軽に動けるし、相手は目下トイトレ中の息子。お漏らしでシーツや衣類の持ち帰りは日常茶飯事だ。

自分以外の荷物のことも考えなければいけない今の私に、リュックはちょうど良い選択だった。

ただ、鞄のサイズ感が小さくなった分、中身の吟味は必須。
これを機に鞄の中身も一から見直すことにした。

年に数回しか行かないお店のポイントカードの束(一旦鞄から出した)
読もう読もうと思いながら全く手をつけていないハードカバーの本(そもそも持ち歩くのをやめた)
1ヶ月に1回も使わない筆記用具が混在したペンケース(中身を減らし、手帳の表紙に取り付けられるタイプのものに変えた)
何本も持ち歩いていた口紅(1本のみにした)

出てくる出てくる。
あったら便利、かもしれないけど必要のないものが次から次へと。
私は何の疑問も持たずに溜め込んでいたようだ。

鞄を軽くしたきっかけはちょっとしたことだったが、少しずつ持ち物を厳選していくと、気持ちも軽やかになるのだと学んだ。
肩は凝らないし、荷物もすぐに取り出せる。

部屋と同様、鞄の中身も放っておくと、いつの間にかものが増えてしまうもの。
今後働き方が変わり、A4の書類を持ち歩くような業務に変わったタイミングで鞄をどうするかはまた考えるとして、今は荷物も心も少し身軽になった生活を、来年以降も楽しんでいければと思う。

この記事が参加している募集

熟成下書き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?