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苦手意識にさよならしたい! 【わたしのターニングポイント】

 尻は重いが、腰は軽い。
 フットワークに至っては、もっとずっと軽い。
 自画自賛モードで言ってしまうと、これは、わたしの数少ない長所だと思う。

 「こんなことやろうと思うんですけど、一緒にやりません?」っていう面白そうなお誘いがあると「あ、やりますよー!」と即答してしまう。(注:スケジュールやわたし自身の力不足により、応援に徹する場合もあります)
 実は、庵忠茂作さんのこの企画も、そのひとつ。

 あきやまやすこさんの記事で企画を知り、そのコメント欄と庵忠名人の記事のコメント欄を行ったりきたりしながら、ついつい「書きますよー」とペロっとポロっと言ってしまい、参加が決定しました。悠長に構えていたら、だんだん締切が近づいてきたので、さぁ、サクッと書きますよ!

 人生のターニングポイントは今までに何度となく書いてきたので、今回はnoteライフのターニングポイントについて。

 えー、はじめる前に懺悔します。
 今日、ここでお話しすることは、小説を真剣に書いていらっしゃる方々にとっては「テメェ、なめんなよ!」って腹が立つお話かもしれません。今では、わたしは甘っちょろかったと心から反省しています。アーメン。

 さて、行きましょうか。

 

 わたしね、noteで書き始めてしばらくは、自分の過去を掘っては書いて、書いては掘っていました。それは、明確な自覚があったからです。

 

100%のフィクションは、書けない!

 

 それは、目の前に立ちはだかる大きな壁でした。

 長いこと書いてきたので、言葉をかき集めて1から2や3にすることには慣れていましたし、ちっぽけな自信もありました。でも、0から1を創り出すこと、つまり人物・舞台・時代などの背景設定や、展開を0から産みだすことに対して、大きな苦手意識があったんです。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 昨秋、note仲間のしめじさんが新企画を立ち上げました。それは、しめじさん作の序章の続きを、参加者がリレー形式で創るというもの。

《序章のあらすじ》 
 高校3年生のカップル、シュウとユキ。ふたりは進学で遠距離恋愛になることが決まっていた。卒業を目前に控えたデートで、シュウはユキから突然、別れを切り出されてしまう。ユキは7年後に同じ場所で会おうとシュウに告げて・・・。

 企画参加者募集記事には、参加ルール、全10章の章立て、各章のざっくりした設定が書いてありました。(正直に言うと、小説ってハードル高いなぁっていうのが、第一印象でした)

 そのとき、募集開始から既に数時間が経っていたのに、コメント欄を見ると参加者ゼロ。

 ここでちょっと、冒頭のわたしの言葉を思い出していただきましょうか。

面白そうなお誘いがあると「あ、やりますよー!」と即答してしまう。

 ですからね、さっそく手をあげてしまったんですよね。

 記念すべき、エントリー№1番!

 けっして、あの苦手意識を忘れていたわけではありません。でも、せっかくの新企画を盛り上げたい!という気持ちが、それを上回りました。こういうとき、最初の誰かが「やるやるー!」って手をあげたら、後は出てくるものですから。
 いま思うと、noteって書きたい人だらけなのに、ちょっとおバカですね〜。おせっかいBBAですね〜。自覚は存分にありますです。ハイ。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 何人かがエントリーし、誰がどの章を担当するか・・・となった頃、わたしには他にも参加を決めていた企画がありました。締切までのスケジュールの都合上、すぐにはリレーに着手できません。おまけに100%フィクションは産み出せない!と来たもんだ。
 さぁ、困りましたよ。

 物語は、男性パートと女性パートが交互に進みます。進学で遠距離になる設定なので、7年後の再会まではそれぞれに別の人と出会い、別の地域で暮らすはず。
 何章なら書けるだろう?・・・と悩みながら、募集記事の章立てを読んでいるうちに、見つけてしまったのです。
 第9章と第10章だけは「7年後の待ち合わせ」という同じひとことだけが書いてある!!! つまり、同じ場面をシュウ目線とユキ目線で描き分けることになるはずです。
 
 これなら、行けんじゃね?

 ・・・なんてギャル語じゃなかったけれど、そう思いました。
 第9章のシュウ目線の担当者が描いたA面の展開を、ユキ目線でB面リライトすればいい。それなら、わたしにも描けるかもしれない!

 このとき、第10章=最終章ということは頭にありませんでした。おバカですね〜。あとから、責任の重大さを思い知ります。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 わたしは「第10章書きます」と伝え、安心して締切の早い他の企画物に次々にチャレンジしました。

 わたしが他の企画に浮気している間にリレー小説はどんどん進み、主人公たちは着実に成長して、気付いたときには第9章が始まっていました。
 脳内に流れるのは、あまりに怖すぎて観れないホラー映画のあの歌。

 ♪ 来る・・・きっと来る〜・・・

 あぁ、テレビが液晶になった今、貞子は画面から出てこられるのでしょうか。そもそも貞子の身体は・・・ってどうでもいいけれど、企画の迫りくる恐怖にぞわぞわが止まりません。
 それまでのみなさんの作品が、しっかり肉付けされた物語になっていて、自分に続きを書けるだなんて思えなかったからです。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 頼みの綱の第9章の2話目は、待ち合わせの場所にシュウが到着した場面で終わっていました。つまり、7年後の再会の直前です。

 すると、わたしのnote初投稿の記事に、第9章作者の拝啓 あんこぼーろさんからコメントが入ったのです。
(気になるかたは、この記事のコメント欄へどうぞ。笑)

 それは彼いわく、最終章への「すごく乱暴なパス」。平たくいえば「第9章終わったから、楽しんで書いてね!」というパスでした。受けたわたしは、あたま真っ白です。「ストーリー丸投げしたつもりだったのに、まるまる返ってきた」状態でした。

 え、決まってないの?
 シュウとユキが再会してどうなるのか、決まってないの???
 ひぇぇぇええっ!!! だれか、助けて!

 自分の甘さを、現実サイズで実感した瞬間でした。

 そこから奮闘がはじまります。
 ここまで参加者が丁寧に描いてきた物語を、最初からくり返し読みました。たくさんの伏線を回収するには、どんな展開にすればよいのか。ひたすら読んでは、アイデアをメモする毎日です。寝ても覚めてもユキとシュウのことばかり考えて、仕事が手につかないほどに。

 苦しみ抜いて最終章を完成させた後、わたしはエンドロールをつけようと思い立ちます。
 YouTubeでふたりの物語に似合う曲を見つけた瞬間、実は、聴きながらぽろぽろ泣きました。いつの間にか、ユキが、シュウが、わたしのなかに息づいていたのです。

 それは、わたしの大きな苦手意識が、「苦手だし大変だけど、楽しかったかも?」に変わった、劇的な瞬間でした。

 

 そこからというもの、わたしは積極的に物語作りに取り組むようになりました。「苦手だから」と遠ざけるのではなく。

 わたしのnoteライフは、リレー小説企画への参加を経て、またひとつ楽しく大きく広がったのです。

 さぁ、次は何を書こうかな。

 

 

 いちばん新しい小説は、こちら。

 

 庵忠さん、遅くなって、しかも文字数限界の3,000字。
 長くてごめんなさい!

 

 

==2021.1.26.追記==========

 庵忠さんが、この記事をご紹介くださいました♪
 長い3,000字と、色々なリンク先をたどって丁寧に読み込み、大切なエッセンスを掬いあげて書いてくださっています。

 この素敵な企画のおかげで、ずっと自分のなかで温めていた思いを、カタチにすることができました。

 庵忠さん、本当にありがとうございました! 参加できてよかったです!


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ここまで読んでくれたんですね! ありがとう!