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【する人、される人、きく人】の三角形が新しいジャズを

「改めて、ポール・マッカートニーってスゴイ!」
コレ、今年のトピックの1つです。
4つ上の兄がポールの大ファンで、僕も40年くらい前から聴いていたのですが、今年あらためて大好きになりました。

まずは、行けなくなった兄に代わって日本公演に奥さんと初めて行きました。

39曲も演ってくれたのですがどの曲も良くて退屈しない。ポールに対して「ビートルズはジョン・レノンが歌う人でその隣にいる」という知識しかない奥さんが「ポールってチャーミングでいい♡」と言ってしまうパフォーマンスに参りました。
この公演でかなり好きになったわけですが、それだけではありませんでした。

YouTubeにこんな動画が

ジャズ・ギタリスト、ジョン・ピザレリがポールの曲(正確には、ビートルズ解散後ポールがつくったバンド・Wingsの曲)『Silly Love Songs』をカヴァーした動画。この曲、小学生〜中学生の頃、兄がよく聴いていて耳馴染みがあったのに「これ、こんなにいい曲だったんだ〜」って何度もリプレイしちゃいました。(兄貴ゴメン)

さらに、今月、ダメ押しでこんなのを聴きます。

「なんだ!この柔らかくて深い『Blakbird』は!!」
はじまりのピアノの美しさ、後半の叙情豊かな展開、『Blakbird』ってこんなにいい曲だったんだ〜。日本公演でも披露され聴いた曲なのにその時以上に「いい曲」だと思いました。
演っているのはジョン・バティステ(Jon Batiste)。1986年生まれで、クインシー・ジョーンズ、ウイントン・マルサリスにみそめられたアーティストです。

これ、キーマンは、二人のジャズミュージシャンだと思うのです。
二人のおかげでポールの曲が今まで聴こえなかったように聴こえはじめ「ポール・マッカートニーってこんなにスゴかったんだ!」になった。
さらに、ジョン・ピザレリ、ジョン・バティステというアーティストを知らなかったのですが彼らがポールをカヴァーしたことで出会えました。いいカヴァーができるだけあって、他の曲、アルバムも良くて、今、Spotifyのマイライブラリーにちゃんと入っています。。

【する人、される人、聴く人】この三角形で

聴いてもらう機会を多くするためには1枚CDを作り上げないいけなかった昔と違って、1曲だけでもYouTubeやSoundCloudにアップすれば機会をつくれる今、ジャズミュージシャンがカヴァーをうまく発信していくことは、【カヴァーされる人、する人、聴く人】この三者にとっていい効果が生まれることになる、という仮説が立つと考えました(ジャズミュージシャンは、常日頃、オリジナル、人の曲、関係なく演奏しているのでカヴァーが身近である)。
そしてそれには、三者の関係をこれまでよくあった「お互い権利を主張し合って身動きがとれない」ではなく、「権利を大切にする上で許可をしていく」に近づけうまく三角形がうまくまわるようにする。「カヴァーしてもいいですよ」「カヴァーしたのを使ってもいいですよ」「カヴァーした映像をみんなにシェアしてもいいですよ」みたいに少しでいいので許可しあうことで、気になる人が聴ける機会を作り、いい効果が生まれると思います。ちなみに、ジョン・ピザレリのカヴァーは、ポール・マッカートニー自身が提案し実現したみたいです。

『Blakbird』はハービー・ハンコックもカヴァーしていました。

この記事の一番上の写真に写っているのは、ニーナ・シモンが1971年にリリースしたカヴァーアルバム『Here Comes The Sun』です。

ビートルズ以外に、ボブ・ディランの『Just Like a Woman』などもカヴァーしている名盤、機会があれば是非。






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