オリエント・中東史㉛ ~青年トルコ革命とバルカン危機~
1878年の露土戦争終結に伴うベルリン条約によって、オスマン帝国領であったバルカン半島のルーマニア・セルビア・モンテネグロの三国が独立した。もともとこの地域にはゲルマン系の民族とスラブ系の民族が混在しており、半島への勢力拡大を狙うオーストリア・ハンガリー帝国はパン・ゲルマン主義を唱えて前者を、ロシアはパン・スラブ主義を唱えて後者を支援した。いずれも現地住民のためというよりは、自国の領土拡大をもくろんでのことである。オスマン帝国が衰退し、その支配が緩んだことで、民族対立とそれを