インドシナ半島史⑪ ~越南国~
ベトナムでは15世紀後半に黎朝が最盛期を迎えていたが、16世紀に入って内紛が起こり、武将の莫(マック)氏が帝位を奪った。黎朝の残党は60年以上にわたって莫氏と戦い、1592年に莫氏軍を破って黎朝を復活させた。だが、今度は黎朝の内部で鄭(チン)氏と阮(グエン)氏の対立が起こり、黎朝を継承した鄭氏はハノイを本拠地として北部を、黎朝から離れて独立した阮氏はフエを本拠地として中部を統治し、北緯17度線付近を境界として戦闘状態に入った。北緯17度線といえば、後に20世紀のベトナム戦争に