インドシナ半島史⑤ ~パガン朝~
中国・雲南地方の南詔国に居住していたシナ・チベット語族のビルマ人が、11世紀に南下してイラワディ川流域へと勢力を広め、先住のピュー人やモン人を征服しながら、文字や上座部仏教や灌漑農業技術を取り入れ、1044年にビルマ最初の統一王朝であるパガン朝を建設した。首都パガンには多くのパゴダ(仏塔)が建てられ、歴代の王たちも仏教に深く帰依し、仏教文化が開花した。13世紀にこの地を訪れたマルコ・ポーロの「東方見聞録」には、建寺王朝とも呼ばれたパガン朝の仏教建築群の豪華さが讃えられている。