インドシナ半島史⑩ ~ランサン王国~
14世紀、タイ人と同系統のシナ=チベット語族に属するラオ人によって、メコン川中流域のラオス地域に初めての統一王朝であるランサン王国が成立した。ラオスはインドシナ半島唯一の内陸国であり、国土の七割が山地であるという点で、海上交通を足がかりに発展した他のインドシナ諸国よりも統一が遅れたのかもしれない。ランサンとは「百万頭の象」という意味であり、当時の象は戦車的存在として軍事力のシンボルであったという。王国の都はルアンプラバンに置かれ、アンコール朝から取り入れた上座部仏教を奉じて金