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「リモートワークしんどい」にならない、働き方や暮らし方。熱海暮らしの再発見

新型コロナウイルス感染症流行下、早々にリモートワークを実践している方などを中心に「リモート意外とイケる」なのか「リモートしんどい」なのか、いろんな意見が出てきている。

10日間ほど在宅勤務をしている夫に、「リモートどう?」と聞いてみたところ「ストレスは全然ない」という返答だった。

私たち家族は、夫婦に子供3人(9歳、6歳、2歳)の5人家族(私の両親も入れると7人)。2017年に、私の実家がある熱海にUターンし、夫婦ともに東京での仕事は続けながら日々二拠点生活を送っている。

普段、夫は週5で出社、私は昨年末までは会社員だったのでリモートワークを併用しながら週3くらいの頻度で出社していた。今年に入ってからは会社を立ち上げ独立したこともあり、基本自宅で仕事しながら週1〜2のペースで東京に通うような生活だ。

気づいたら電車に一週間以上乗ってない

家のデスクでパソコン作業やZoomでオンライン会議をした後、海が見えるベランダでちょっと息抜きをする。ベランダから見える空が青く、広いのも気持ちいい。

歩ける範囲に広い公園もあるから、行き詰まったらちょっと散歩に出ればいい。家にいても開放感があるので、鬱々としてしまうようなことは、いまのところない。

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家のベランダからは海が見える。海まで歩いて2〜3分。

家の構造的にも、リノベーションを機に、集中したい時はここ、コミュニケーションをとりたい時はここ、というようにシーンや気分ごとに部屋を切り替えられるように余白を作ったのも良かったんだと思う。

2017年3月までは東京のマンションに暮らしていた。東京の密集度合は多くの人が知る通りだし、ベランダから見る空も狭かった。間取りも5人だとぎゅうぎゅうだったと思う。

東京は好きだし良さはもちろんある。だけど、東京でずっと在宅勤務という1ヶ月はやはり苦しいだろう。

家は「オフ」の機能だけでいいのか?

これから「働き方」は大きく変わる。

先日、厚生労働省がLINEにて実施した第1回「新型コロナ対策のための全国調査」において、「テレワーク実施率」は5.6%にすぎなかった。もちろん全ての職種に適応できるわけではないが、昨日の緊急事態宣言を受けてもう少し増えるだろう。

リモートワークや在宅勤務が進むことで、より一人一人が「会社に行く意味」や「遠隔じゃなぜダメなのか」を考えるし、家にいる時間も長くなる。家に期待することや家の価値が変化し、「暮らし方・住まい方」もきっと大きく変わる。

家は「仕事から帰ってきて過ごす」オフの場所としての役割だけじゃ事足りなくなる。オフィスの役割も変わるだろうから、家やオフィスの「ハードのあり方」が変化すると思う。

とはいえ、仕事をするハード面の環境が良くても「つながり不足」やコミュニケーションが取れないストレスもある。

ちなみに私の場合、今年に入り会社を辞め独立し、在宅率が上がった時に「コミュニケーション不足」で不安と孤独をすごく感じた。そんな時、まちづくりで関わっている熱海の仲間に救われた。同じビジョンや未来を見据えて動く仲間やコミュニティ、定期的にやり取りできる関係性をつくる大事さを、リスクマネジメント観点からも改めて重要だと感じた

夫も私とは違う熱海コミュニティを作って楽しそうに過ごしている。この時期もオンラインでやり取りをしているようだ。

先日、仕事で取材した方が「空間と人は同化する」と言っていた。誰と一緒にいるか、誰と空間を共にするか、家族、会社、そして街単位でも考える時期かもしれない。

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二拠点や多拠点が進む

今回「住む」という点で東京の脆弱さが見えた。加えてオンライン化によって「働く」という点で東京と地方の格差が是正される流れが来ている。

もう一つ加えるとすると「教育」も変わるチャンスだ。子供たちが通う小学校は、有難いことに休校延長にともないオンライン授業を対応してくれるのだが、開校以来初の試みだという。この流れで東京と地方における教育格差も是正されるかもしれない(ハードルは色々あるけれど)。

これらを踏まえ、3.11の時もそうだったように、さらにローカルへの注目は高まる気がしている。とはいえ、一気に環境を変えたり移住するのはやはりハードルが高い。まずは二拠点や多拠点、熱海や鎌倉のような首都圏に近いローカルへの移住が増えるのではないだろうか。

今回の変化は相当な痛みを伴うものだし、まさにいま苦境に立たされている人たちがたくさんいる。それでもこれを機に、働き方や暮らし方の幅が広がり多様化し、ちょっとでも楽に生きられる人が増えるといいなと思っている。

今回割愛した熱海移住の背景や、熱海で運営している首都圏人材と熱海周辺の企業を「複業」でつなぐWebサイト「CIRCULATION LIFE」の意図などは、以下のインタビュー記事がわかりやすくまとめてくれています。


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