Brexitに見る英国スピーチの作法〜お家芸のブラックセンス
イギリスがEUを脱退しましたが、その際の欧州議会での挨拶が凄かった。
まずは動画をご覧ください。日本語字幕付きです。
よほど鬱憤が溜まっていたのでしょうか。
「もう見下されたり、いじめられることもない!」
規則違反の自国旗を見せびらかすようにGoodbye し、してやったり!のにやけドヤ顔のファラージ氏。
「これからは主権国としてみなさんと、、、」でマイクを切られていました。
立ち上がったみなさんもイギリス国旗ネクタイで、ウキウキ顔。
こんなに嫌味なブラックセンスのきいたさよなら、とても他の国には真似できません。
ブラックユーモアがお家芸であるイギリスならではですが、嫌味なブラックさに背筋が凍るよ、イングリッシュブルドッグー!
*イングリッシュブルドッグは闘犬として品種改良され、力を象徴するイギリスのマスコットとして愛されている。チャーチル首相がその決断力から、ブルドッグに例えられたこともある。ジョン•ブルは、イギリス国家像として知られる。
英語の観点から見ると、
No more...No more...No moreと重ねることで、徐々にクレシェンド的な盛り上がりを演出出来ます。
まずは財政、次に司法裁判所、そして漁業協定と、EUで自分たちが我を抑えて貢献、協力してきた事実を列挙しています。
次のno moreでは、見下されたこと、いじめられたことを挙げて、EUで自分たちが我慢ならなかった思いを感情的に訴え、メラメラさせています。
そして、締めくくりに、欧州議会のブレグジット問題対策グループを率いるフェルホフスタット氏をロックオン。そして、爆撃。
仲間の爆撃には手を叩きながら爆笑で応えるイギリスチームのみなさん。ピンポイントでno moreを突きつけられたフェルホフスタット氏に、肩をすくめる以外の選択肢はあったでしょうか。
「みなさん、我々がいなくなって寂しいでしょうけれども」って、どれだけ自己肯定感高いんですか。
内気なわたしは羨ましくて仕方ありません。
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さて、ここまでコケにされて、欧州議会も黙ってはいませんでした。
スコットランド民謡(日本では「蛍の光」として知られています)で、イギリスチームを見送っていました。動画をご覧ください。
スコットランドとイングランドは、独立を巡る対立があり、その背後にはEUに加盟して経済的自立を勝ち取ろうという意図があります。
そのスコットランドの民謡で、イギリス団を見送る欧州議会も、なかなかの曲者です。
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こんな話もあります。
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