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「無用の用」を考える〜英語学習に照らして

無駄なく、効率よく、効果を最大限に。

確かにそうなんだろうけど、ふと、「無用の用」を思い出す。

花瓶には穴がある。穴は一見無駄に見えるものの、穴があってこそ花を活けられる。

無用の用とは、

「荘子」人間世より出典。
「人は皆有用の用を知りて無用の用を知ること莫(な)し」
人は明らかに役に立つものの意義は知っているけれど、一見無用のようなものが人生にとって真の意味があることだとは知らない。
と、あることに基づく。
 また、「老子」には、
「埴をうちて以て器を為る。その無に当たりて器の用あり」
粘土をこねて器を作る。その器は一見無用の空間があるからこそ器として使えるのだ。
と、あることにも基づいているとされる。

(出典は以下リンク。一部筆者により編集。)

きっと、英語学習も同じ。

明確な目標や、無駄のない学びこそが尊ばれ、合理的に損しないように、失敗しないように、なるべく労力をかけずに、、、。

確かに、そうしてたどり着ける目標もあるだろう。TOEICに代表される試験や、月単位や一年間くらいの目標であれば、効率が良いとは思う。

でも、語学を学ぶ醍醐味は、ワインやチーズが如く、人生観を変えたり、人間性を高めたり、時代や空間を超えた叡智に触れたり、人間の業や美しさに触れたりするような、一生付き合える趣味であり世界だ。

外国語を学んで異文化と交流することは、直接的な人々との交流であれ、本や映画や音楽などの間接的な接触であれ、自分の殻や壁を衝撃的に破り壊す経験としては、恋愛に勝るとも劣らないレベルだろう。

無論、これらが「すぐに役に立ちますか?」と問われれば、「否」と答えざるを得ないとは思う。

しかしながら、easy come easy go.

時と共に成熟するなにかを抱えて生きることも、人生の喜びだとしたら、私はそんな風に英語を学び合って行きたいと願う。



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