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【恋愛】自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。

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西暦20XX年? ってよくいいますが、現代。世界に脅威が現れた! それに対抗できる新型バトルスーツを纏えるのは特定の能力保持者だけだった。うっかり適合した私(梨野春花)は、科学者…
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記事一覧

「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第23話

 久しぶりにバトルスーツを着用して二日。  昨夜は肉じゃがを食べた。多くの場合、ハウスキ…

水鳴諒
1か月前
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「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第22話

 ――あれから二年が経過した。  地球防衛軍が再編成され多国籍軍となり、現在景は主に日本…

水鳴諒
1か月前
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「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第21話

「次に再び、特務級危機名称ヤマタに分類されるシナゴが出現した場合のみ、バトルスーツの着用…

水鳴諒
1か月前
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「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第20話

「んっ……」  私は目を覚ますと、酸素マスクをつけていた。白い天井とその状態から、医療機…

水鳴諒
1か月前
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「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第19話

 もうすぐ、私の四十二歳の誕生日が訪れる。空に輝く夏の大三角形を、ぼんやりと窓から見なが…

水鳴諒
1か月前

「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第18話

 こうして私は日本に帰国した。 「結果の報告を」  総司令室において、高崎博士と遠藤さん…

水鳴諒
1か月前

「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第17話

 入浴を終えて、バトルスーツを着用した私は、朝食後景くんと共に、地下の訓練施設へと向かった。島の地下全てが、普段いる基地も真っ青なくらいの対シナゴ軍事施設だった。地下三十階にエレベーターで移動し、広大な訓練場を見る。 「この兵器は――」  翻訳機を身につけた研究者が説明してくれた。  私もヘッドフォンから流れてくる通訳の音声は理解できた。  本格的に、私がいらない世界が訪れそうだなと考える。そうなったら……どうなるのだろう。まず、出会ってしまったというのは取り消せないから

「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第16話

「ねぇねぇ景くん」  翌日、私はテーマパークの入場ゲート前で立ち止まった。  そして隣に…

水鳴諒
1か月前

「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第15話

 その内に、梅雨が明けて、本格的に夏が訪れた。  七月の熱気の中、現在私は九龍財閥の飛行…

水鳴諒
1か月前
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「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第14話

 しかし――恋愛、か。  難しいなと思いながら、私は現在、後部座席に乗っている。  火曜日…

水鳴諒
1か月前
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「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第13話

 月曜日、私は休憩することにした。  連日出かけるのは、私にはハードルが高い。そう考えな…

水鳴諒
1か月前

「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第12話

 金曜日は、戦闘の翌日という事もあり休暇とし、土曜日には先の戦いに関する全体報告会議があ…

水鳴諒
1か月前

「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第11話

 本日は小雨が降っている。  こういう日は、どことなく出かけるのが億劫になる。  梅雨入り…

水鳴諒
1か月前

「自分の顔が嫌いなので、頭をレンジにしてもらった。」第10話

 遠藤は退勤後、基地の最寄りの街である帯田市の創作居酒屋・彩りにいた。仕事からそのまま来たので、黒いスーツ姿である。陸上自衛隊から地球防衛軍へと派遣されて、既に数年――彼は迎えに行ったその日、いいや、検査結果が出た日から、ずっと梨野春花を担当している。  護衛や雑用、そういった事柄が任務だ。  だが昨日は、龍景が接触を図るというのを、止められなかった。事態に気づいた時には、待機していた車の周囲は九龍の息がかかった人々に埋め尽くされていて、連絡を入れると基地の上層部からも国際