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【詩のようなもの6編】アイスクリーム

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【アイスクリーム】

24インチのテレビに唆されて向かったスポット
行列ができている場所へ
アイスクリームを食べるために君と並ぶ

静かな君が珍しく騒がしくなるような魅力が
このアイスクリームにはあるんだね

だから僕も珍しく張り切っているんだな
だけど少しだけ溶けてしまいそうなんだ
アイスクリームじゃなくて

口につけたアイスクリームはとても
不細工な形に変わりながらも味を与えていく

冷たいのに温かい気持ちになれた
君の笑顔と一緒だ
何を言っているんだ僕は

心の中にまた一つ味の思い出が増えていく

【ラブソングとパズル】

新しいパズルを始めた
丁寧にやってちゃ時間がかかる
たまには勢いではめていくのも
アリなんじゃない?

思索してる間 
浮かぶのはラブソング
甘ったるい愛を囁く歌
誰にも聴かせたくない欲望丸出しの歌

そんな歌の方が伝わる気もするけど
どうしようもなく迷って
ほんの少しの妥協と嘘を交えた
そんなラブソング

虚しくなるような出来事さえも
一つのピースかもしれない
このパズルを選んだ事を
恨めしく思うこともあるかもしれない
どれだけピースがあるかは分からない

それでもシンプルな愛を求めては
複雑な愛を重ねる打算的なパズル

きっといつか完成するなんて思いながら
心の隙間に言葉を埋めていく 
今日もまたはめていく
明日も生きていく

全てのピースが揃ったときに 
ラブソングが歌えるように

【ユブライア】

再燃する夢への情熱
臥薪嘗胆を知った上で
愛を逆にして黒い炎が燃え盛る

性根が腐ってるって
僕を知らない他者に憎悪の目が向く

辛辣な夢の名残が
復讐に似た誓いを呼び寄せて
愛憎半ばの言葉探し

万億兆の声がしがらみになって
死神を惹き寄せて
無鉄砲な対峙が続いても
たった一つのLOVEを探してる

多くの人がLOVEを探してる
僕は夢の情熱を片手に
先行きのない価値観を探してる

【財布】

気持ち一つでヒモの締まり具合が変わる僕の財布

非常時の時に慎重になってかけごとに緩くなる

満たされない時の緩み具合に自分でもバカだと思う

収入ゼロ
貧相な生活が目に入れば
また慎重になるのに その時既に遅し

小銭一枚に杞憂する 
札一枚に翻弄する
大枚叩いて何を得る?

【消費量】

物事の関心が目紛しく 
好き嫌いのラベリングも秒で行い
自分で自分に呪いをかけて
人の好きなものを踏みにじる

決まった量が足りない時の
渇望から来る愚かさを俯瞰できていない
エイティーン時代

既に栄養過多だと気付かず
偏食を止めることない権威ある初老

世代間の格差を憂いてはいれど
何をどうするわけでもなく
提示された嗜好品を身に纏い
消費するために働く

狂い踊り彷徨って受け継がれた常識が
今日付けで消費期限切れを迎えた

全てを失って知る私欲の罪深さ
消費することでしか味わえない
歪な感動は日付が変われば忘れてる

失いたくない恐怖は今日も自らを操り
必要なものからそうでもないものまで
年老いても消費行動していく

【目利き】

良い人でも悪い人でも
環境一つ  
捉え方一つ
照らす位置でどうにでも見える世の中

全てに目利きが必要で
主観と客観が狂えば明日は貧していく
金も心も

選り好みをしたら 
噂に心は病み(闇)
確かだった目利きは崩壊

ギリギリの一線で
言えないことも増えていくけど
確かな信頼がまだ残って
病まずに世間を渡ろうと
無機質な言葉を胸に縫い付ける

隙間の時間に残していく詩のようなもの
自分の言葉に羞恥心はあれど
忘れた頃に帰着して
どこかの誰かに定着したりして

って思ったら今病んでしまっても 
それすら今
病むことにも意味を見出せたりする

体が毒だらけになっても心が痺れても
それを言葉に変えて治して
君にも共有していく 
まさに一石二鳥

心の中からまだ湧き上がるから昇華して
受け取ってくれる君に目利きして貰う


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最後まで読んでくれてありがとう。

過去の詩のようなものをまとめ直しました。

また気が向いたら来てくれると嬉しいです。

水宮 青