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【詩のようなもの6編】 パッキング


【パッキング】

緩く馴れ合っていた知り合いが
世界を回ると言い出して
世界に興味ない僕も一旦焦り
新しいバッグを真似して買う

いつだって時間はないし夢は萎む一方で
目新しいものが寄って集るから
違和感あるものも興味ないものも
バッグ広げてパッキング

だけど自分は自分だと
乾杯する心構えがあるなら
ぱんぱんに膨らんだバッグは
あまりに不便と気付いた

心の器の隙間
心変わりするであろう自分の為に空けて
汚れた思い出も揺さぶられる未来も似合う
詩と音楽をパッキング

結局何処にいても幾つになっても
似たような習慣と文化を好み
昨日と何ら変わらないイビキかいて寝てる
馬鹿馬鹿しい僕

【自己復讐心】

どこか投げやりに復讐を誓う
誰に?何に?と訊かれても
分かんないけどとにかく誓う

強い言葉使って恥ずかしくなって
劣化する心身に無責任な自分へ
惜しむものが皆無なもんで
親より長く生きたいが
具体的な年齢や理想像は無い

他人に向けたくない微笑と悲壮
社会に向けたくない殺意と愛

どこか投げやりに復讐を誓う
誰に?何に?と訊かれても
分かんないけどとにかく誓う

【拘りと衝動】

言葉を手にしているが故
距離が生まれている

再解釈ののち後出しジャンケン
拘りを纏うがらんどう

カレンダーにつけたバツ印
過ぎた思い出に執着したくない

拘れば拘るだけ上手くなる物事
だけど新しい事が分からないまま

今日こそは。と立ち上がり
まずは部屋のカーテンを纏め
拘ってたもの手離して距離を縮める

【謝りと信頼】

喧嘩別れした後の食事
味しないのに食指が進む

ふと思い出す喧嘩の内容
こっちはミスに対する言い訳が聞きたいのに
あっちはただ平謝りして逃げるから
次の会話が生まれない

黙ってられない余計な一言と
反省が見られない同じ行動が
互いに居た堪れなくなることで
一人でいることを選ぶ

鎹になるような人がいるわけじゃないから
重ねた年齢に見合わない大人のフリして
ヘラヘラやり過ごして一人遊びに興じる

謝る言葉が出てこないまま
信頼を得る行動が出来ないまま

【蛍光色スニーカー】

夜の散歩に似合う蛍光色スニーカー
目立ちたいわけじゃないけど
気付かれたくないわけじゃないからね

地味な僕に似合わないけど
履いたら明るい気持ちで外に出たくなるから
似合ってなくてもたまには良いよね

夏の照り付けに負けないように
気力体力増して行けるなら
愛用してみるよ蛍光色スニーカー

【またか】

自分でもわかってはいるんだ
いつもまたか・・・と思う

同じ言葉の羅列 無意識
ダサいし痛々しい

書いてて思う
成長をしていないと
まだ孤独だと

あなたもあいつも辟易してる
それに気づいている自意識
 
でもどこが妥協点になるかは
未だにわからないから
沼から沼を渡り歩く
同じ穴の狢を探している最中

桃色の風に吹かれたいのに
また過ぎ去った後で後悔に終わる