川柳 - 2021-11｜水宮うみ

控室　空手家の手が空いている

数珠つなぎ一つづつつづいた月日

水に揺れている誰かの泥だった

ころころとこころを語呂で転がした

やっほーが無数に飛び交う宇宙

朝アサリあっさり食ってさっぱりと

焦らさずに！調べたことを！知らせるぜ！

ネイティブな発音でネガティブに言う

うれしくて世界と友達になった

金魚掬い用では救いようもない

くすくすと笑ってすくすくと育つ

月の向こうにはあの子の影が住んでいる

あてどなく眠って夢に会いにいく

日常系アニメのような非日常

こぼれていく涙の夢をみている目

裏の顔にも表情があったんだ

空腹なあなたと星座をつくってる

綺麗なまま崩れていく雲見上げてる

肖像が肖像権の顔を見る

ほどほどにほどよくほどかれてくフォトン

比較的非科学的に光る敵

時間から時計が剥がれ落ちている

致命的な星空のなか歩いていた

地下鉄やネオンの街で育つ星

対岸へ光のように渡ってく

痛みのなかにある水を飲んでいる

人格の無いまま回遊していたい

6分の1だけ月に落ちていく

川柳