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子どもみたいな自分をなだめている

以前から嘘をつくのが嫌いで、自分で自分を追い込むことが多かった。ただ、最近まで自分を追い込んでいるということに気づいてすらいなかった。客観的な視点というものは、持とうとしてもすぐに持てない。持とうとして数年経った今、気づいたら小さいそれを持っていた。他の人と比べるとだいぶ遅い時期に持たされた。

『嘘をつくのが嫌い』の所以をたどると、そこには正義感がいて、その正義感は私を怒らせたり無駄に強くしたりして影響を与えていた。正義感のそれ自体を見ると、どうも正しいように見える。けれどそれを武器みたいにして振り回したり自身を守ったりするのは、時として間違いだった。

同じ地球に、多くの人が乗って過ごしているのでね。私は一回り小さい子どもみたいなサイズの私の小さい背中を見て、そう言った。それから、自分を守るために嘘をついてもいいよ、とも言ってみた。しばらくすると、不服そうだった子どもサイズの自分がいなくなっていた。

悲しいことがあったり、悔しいことがあったりすると、時々この子どもサイズの自分が現れる。そのたびにかける声を探している。もっと優しく、もっと力抜いて過ごせますように。

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